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はぐれ魔剣師  作者: 草の根
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土下座


 「ちょっと感覚掴めてきたし、今度は俺から行かせてもらうぜ。」


 そう言い終えるとカイトは予備動作0の状態から急加速した。背中の後ろで爆発を起こしたのだ。



 急に目の前に迫ったカイトにホワートは恐怖の表情を浮かべる。



 「終わりだ。」


 確実に避けれないコースにホワートは死を感じた。


 (…死にたくない……。)


 

 しかし、



 「あっ!」



 カイトは地面の石ころに躓き盛大に転んでしまった。


 「クソっ!まだ慣れてないな。」


 カイトは起き上がって服についた土を落とす。



 その隙にホワートは素早くカイトから距離をとった。



 ダレスは逃げることも忘れて戦いに見入っていた。


 一度見ただけで剣をあれほど自分のものにしたカイトに夢の続きを見ていた。



 「大丈夫なのか?」



 ホログラムの中で宰相が不機嫌そうな顔で呟く。


 その横で太って脂ぎった男がニヤニヤとエレノアを見ていた。


 「おい!ホワート!何やってる!」



 焦ったエレノアは叱咤する。


 「すみません、エレノア様。マジックハンド全開放ですぐに片付けます。」



 ホワートは両手を前に突き出しカイトに向ける。


 「これで終わりよ!」


 ダレスはハッとして慌てて距離を取る。


 しかし、カイトはその言葉を聞いても微動だにしなかった。


 「やめといたら?」


 カイトはゆっくりとした口調で警告する。



 「死になさい!」


 しかし、ホワートは聞く耳を持たなかった。



 起動した瞬間、手袋が白く発光し…………爆発した。



 黒い煙と熱と爆風が吹き荒れる。


 「……、な、何が起こったんじゃ!?」



 ダレスが木の影から頭を覗かせ、ポツリと呟く。


 煙が晴れるとそこには両腕を失ったホワートが弱々しく倒れていた。



 「失敗したのか?」


 ダレスが呟く。


 「そんなわけがない!マジックハンドに不備はなかった!カイトとか言ったな!貴様何か仕込んだろ!」


 エレノアは怒りの表情で席を立ちそう主張する。仕込んでいたならカイトの不自然な余裕も説明がつくと考えたのだ。


 エレノアを横から丸々と太り禿げ上がった頭をした男がニヤニヤとしながら見ていた。


 「言いがかりはダメだよぉ?エレノア。ちゃんと失敗は認めないとねぇ?」


 宰相は何も言わずに立ち上がり扉を開ける。



 「待ってください!閣下!」


 エレノアが宰相の背中に向かって頭を床につけ土下座をする。


 「もう一度チャンスをください。」



 エレノアにとってこれは一大出世のチャンスだった。失敗に終わるわけにはいかない。エレノアは屈辱に拳を固く握りしめて宰相の言葉を待った。


 「……エレノア様……。」


 土下座するエレノアをホワートが弱々しく見つめる。


 エレノアが土下座する様を横からニヤニヤと眺めるデブ男。



 「次はちゃんと成果を見せろ。」


 それだけ言うと宰相は部屋を出て行った。


 宰相が部屋を出ていくとエレノアは立ち上がりホログラム越しにカイトをキツく睨みつけた。



 「お前だけは絶対に殺す!」


 そしてホログラムは消えた。

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