決着
「何かしら?そのおもちゃは。まさかその骨董品で私に勝つつもり?」
白い女ことホワートはそう嘲笑う。
「俺は魔術だけで戦うよりも剣と魔法を組み合わせた方が強いって信じているんだ。」
「だったら、魔術だけを使う私に当然勝てるのよね?」
「勿論だ。かかってこい。」
言いながらカイトは剣を構える。イヴァンの見様見真似の素人の構えである。
「1発で終わらないでね?」
白い手袋をはめたホワートの指先に光が集中し赤い夕暮れの光景を白く染める。
満を辞して放たれた光の球はまるでビームのように尾を引き高速で飛んできた。
カイトはその高速の光の玉を目で追い、剣で弾き飛ばした。
弾き飛ばされた光の玉は後ろの監獄にぶつかり、凄まじい爆発を起こした。
爆発の衝撃に地面が揺れレンガが空から降ってくる。
ダレスは身をかがめて自身の命を守ることで精一杯だった。
(な、なんで威力じゃ。桁外れじゃ。あれをはじいた小僧は意外と才能があるのかもしれん。しかし、今は自分の命が惜しい。)
「ふーん?やるわね。だったらこれでどう?」
ホワートは不敵に片方の口角を上げ、ゆっくりと右手を上げた。
そして、光の玉を10個出現させた。
「バカな!同時に10個だと!?」
後ろで見ていたダレスは驚きの声を上げる。
(ここにいたら巻き込まれて死ぬ。残念だがこの小僧は負けそうじゃし、隙を見て逃げるとするかの。)
ダレスは少し躊躇ってから左右を伺いそっと腰を上げた。
「さっきの威勢はどうしたの?守ってばっかりじゃ勝てないわよ。」
ホワートは余裕の笑みで指をパチンと鳴らした。
するとホワートの周囲に浮かぶ光の玉が同時にカイト目掛けて飛ぶ。誰もが思った、終わったと。
しかしカイトからしてみれば光の玉はスローに見え、身体強化した体では高速で全てを叩き斬ることも容易だった。
断ち切られた光の玉は爆発することなく霧散した。
「…バカな。」
沈黙を破ったのは後ろで移動をやめて不恰好に屈んだ状態のダレスだった。
ホワートは一瞬唖然としたがすぐにカイトをキツく睨みつけた。
「それだけの力がありながら攻撃しないなんて舐められたものね。」
カイトはそれを聞いて手元を見る。剣を握った手の感触を試すように手首を回す。
「ちょっと感覚掴めてきたし、今度は俺から行かせてもらうぜ。」




