エスペリア衝突
「もう間に合わないさ。」
ノクサの指先で月が登り始めた。
「もう数分でリミナリアに着く。」
『全員衝撃に備えて!エスペリアはリミナリアに突っ込むつもりよ!』
ステラが通信を飛ばした。
「いい動きだね。」
ノクサは杖でノヴァンのナイフを弾いていた。
「こんなものかい?」
「くっそ……」
「ノヴァン!こっちに来て!」
ステラが光で壁を張っていた。
「もう止めるのは無理!」
「ここから勝つには計画を止めなきゃ!」
「分かった……」
「モード解除。」
「ごめんなさい私がもっと早くアサシンを使っていたら……」
「謝らなくていいから衝撃に備えて。」
みるみる内に島が近づいてくるのが見えた。
「間に合わない……」
ドォォォォン!!という轟音とともに二人は吹き飛ばされた。
「っ……!」
ステラは光の形を整え、減速した。
「生きてる?」
「何とか……」
目の前に陸同士がぶつかり出来た山が出来ていた。
「早く止めに行かなきゃ。」
「フェルミオンとアルカディウスが耐えてたのは見えた。」
「けど他のみんなは海に落ちたと思う。」
エスペリアはほとんどの建物が崩れ、更地になっていた。
「早く向かわなきゃ……」
「モードプリンセス。」
「わたくしが回復させますわ。」
「分かった。全速力で進む。」
ステラは追い風を吹かせながら光を掴み空中を駆けていた。
「こんな手段を取るとは思いませんでしたわ……」
「一網打尽どころか国一つ滅びたよ。」
「あれ敵かな?」
遠くで瓦礫を纏っている少女が歩いていた。
「夢遊病の少女という感じではないですわね……」
「それ以上は近寄らせない。」
ノクサが二人を空中から叩き落とした。
『フェルミオン、アルカディウス返事はしなくて良い、瓦礫を纏ってる少女を止めて!』
『私とノヴァンは本命を止める!』
「アヤシアの邪魔はさせない。」
「モードハンター展開。」
皮の防具の姿に変わった。
「ここら辺なはず……」
「そんなことはさせない。」
ノヴァンがアヤシアを狙った矢をノクサが手で止めた。
「かかってきなよ。」
ノクサがノヴァンを煽った。
────リミナリア深夜
連は突然の轟音で目を覚ました。
「何の音だ?」
部屋の外に出るとユーノとセリナも出てきていた。
「外から、しかも遠くに変な山が出来る。」
「向かうか?」
「何の音ですか……?」
深月が恐る恐るという感じで部屋から顔を覗かせた。
「強欲とアイラーヴァタの気配を感じる。」
いつの間にかエルピスが居た。
「ただ事じゃなさそうだな。」
「私は行ってくる。」
「おれも確認だけでもしてくる。」
ユーノと連は王城を出た。
「めっちゃ人いるな。」
町はちょっとしたパニックになっていた。
「これは抜けるの時間かかるぞ?」
「酷い目にあったな……」
フェルミオンは粒子を使い海に投げ出されなかった。
「しかもユスティアに逃げられたし……」
「国同士をぶつけるなんてふざけた奴だ。」
アルカディウスは斧を地面に刺して耐えていた。
『フェルミオン、アルカディウス返事はしなくて良い、瓦礫を纏ってる少女を止めて!』
腰に付けていた道具からステラの声が響いた。
「行くか。」
フェルミオンは立ちはだかる山を粒子に変え、アルカディウスは斧を山にぶつけ、アヤシアの元に向かった。
「このまま町に行けばいいはず……!」
アヤシアは衝突してから直ぐに町に向かって歩いていた。
「大丈夫、いつも通りに力を使うだけ。」
アヤシアは緊張していた。
アヤシアはノクサを目視していた。
「早く計画を完成させなきゃ!」
「そこのお嬢ちゃん?こんな夜遅くに出歩くなんて危ないですよ?」
「……!」
フェルミオンが追いついてきた。
「邪魔しないで!」
フェルミオンに瓦礫が襲いかかった。
「なんて危ない。」
粒子が元の形になり攻撃を防いだ。
「重力!」
アヤシアが呟くと同時にフェルミオンの重力が逆転した。
「なっ……」
フェルミオンは実態化させた粒子の上に立った。
「瓦礫を操る能力じゃないようだね。」
アヤシアは空中のフェルミオンに瓦礫を飛ばした。
「愉快なことになってるなフェルミオン!」
アルカディウスが空から降ってきた。
「これで攻撃か?」
アルカディウスが瓦礫を砕いた。
「砕いた瓦礫は動かせないようだ。」




