モードチェンジ
「んっ、コホン。」
ノクサがトドメを刺そうとした時辺りに咳払いが響いた。
「彼女を殺すのは待ってもらおうか?」
「君は?」
「レディース・アンド・ジェントルメンどうもこんにちは。私はノヴァン。」
ノヴァンは優雅に礼をした。
「冷めさせるのだけはやめてね?」
「どうやら私ではあなたを満足されるのは難しそうですね。」
「じゃあ君も死ぬ?」
「戦わないとは言ってませんよ。」
ノヴァンはシルクハットからステッキを取り出した。
「またの機会に会いましょう。」
「それはどういう意味?」
一瞬の内にノヴァンの服装が変わった。
「あっあのお手柔らかにお願いしますね……?」
ノヴァンは元のスカート姿に戻っていた。
「モードプリンセス展開。」
ステッキが光り、服装が変化した。
「さて、わたくしの仲間を随分と可愛がってくれたようですわね?」
白銀のドレスアーマーにティアラという格好になっていた。
「割り込んできたんだからさぞ強いんだよね?」
ノクサはテンションが上がっていて視野が狭くなっていた。
「まずは味方を助けさせていただきますわ。」
「白けるようなことしないでくれる?」
ノヴァンはステラに回復魔法を撃っていた。
「安心して下さいまし?ある程度直したらじっくりと殺しにかからせていただきますわ。」
「随分と沢山の人格を持ってるんだね?」
「あなたが気にする必要はありませんわ。」
ノヴァンはステッキを掲げた。
「モードファイター展開。」
「次は何?」
光りが収まると腰にパーカーを巻き、ガントレットを装備した少女が現れた。
「ここからは僕が相手だ。」
合わせたガントレットが火花を散らした。
「肉弾戦で私に勝つつもり?」
「”私”は勝算があると思ってるみたいだよ?」
「舐められたものだね。」
「よっと。」
ノヴァンは木を引っこ抜きノクサに投げつけた。
「それは能力?」
当たり前のように木はノクサの手前で落ちた。
「私の能力を教えるから教えてよ。」
「僕を惑わせようっていう作戦?」
ガントレットでノクサの放った石を砕いた。
「私のは強欲、力は二回分の攻撃を一回で与えること。」
「喋って貰って悪いけど僕も”私”も何も持ってないよっ!」
地面に埋まっていた岩を投げつけた。
「”私”は技術者のくせに脳筋なんだよね。」
「成る程ね。」
ノクサは飛んできた岩を砕いた。
「っ……」
ノクサが距離を詰め、ノヴァンが地面を殴りつけ土埃を舞わせた。
「オーバーヒートか……」
ガントレットが煙を発していた。
「随分と早い限界だね?」
「僕は一旦お役目終了みたいだ。」
「じゃあね。」
ガントレットが光を発した。
「モードシンガー展開。」
「ここからはあたしのステージよ。」
フリルの多いドレスにマイクを持っていた。
「お歌の発表会でも始めるつもりかい?」
「こんなグッチャグチャな場所でやらないわよ。」
「これはどうする?」
ノクサが砕いた岩の破片を飛ばした。
「ファッキュー!」
空気が揺れた。
「そういう系か。」
ノクサも軽く吹っ飛ばされた。
「パンクは嫌いかしら?」
「中々やるね。あらかた分かったし本格的に攻撃させて貰うよ。」
「簡単にいくわけ無いでしょ?」
ステラが目を覚ました。
「これは苦戦しそうだ。」
ノクサはトランシーバーのような物を取り出した。
「アヤシア、計画を実行する。」
「分かりました!」
ノクサがトランシーバーのような物をしまうと同時に地面が揺れた。
「何?」
雲がもの凄い速度で流れ始めた。
「太陽が沈んでいく?」
「気取られてたら死んじゃうよ?」
「くっ……」
ステラは左手で防御し顔をしかめた。
「まだ痛みますか?」
「ちょっとね。」
「時間の流れがおかしくなってるの?」
誰が見ても分かるような速度で太陽が沈んでいった。
「いいや。」
「このままリミナリアまで突っ込む。」
ノクサが笑みを浮かべて言った。
「何言ってんの?」
「君等ネオリアがゲートを使えなくしたからね。」
「ゲートのあるリミナリアに突っ込む。」
「何する気?」
「そんな簡単に教えたらつまらない。」
ステラの放った光をノクサは反射した。
「手鏡があるだけで随分と楽だね。」
「モードアサシン展開。」
黒いフードに黒いバンダナに変わった。
「さっさとケリを付けさせてもらう。」
漆黒のナイフを構えた。




