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退屈の殺し方  作者: 夜凪
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虚像と正義

ゲートをくぐったアリア達を霧が取り巻いた。


「霧が濃いな……」

遠くに兵士のような格好をした人物が何人か居るのが見えた。


「気絶させてきます。」

フィアが霧の中を慎重に進んでいった。


「大丈夫かな……」


「強いし大丈夫でしょ。」


フィアは違和感を感じていた。

(近づいているのに全然近くならない……)


「やられた……!」

投げつけた投げナイフが兵士をすり抜けた。


「この霧全部相手のフィールドか……」

アリアとステラが色々な方向から見えていた。


多くの幻影に取り囲まれていた。





「これは厄介……!」

フィアは細かな傷が増えていた。


(人形だけど正体は魔物だから攻撃が見えない……)




「これ霧じゃなくないですか?」

いくら風を起こしても霧が揺らぐことはなかった。


「成る程ね……」

ステラは差し込んでいないはずの光を掴めるのを確認した。


「アリア?」

アリアの姿が消えていた。





「ステラさん?」


「ここだよ。」

霧の中からステラが出てきた。


「なんてね。」

安心したのもつかの間、ステラがナイフで襲いかかってきた。


「ぐっ!」

ナイフが掠り、頬から血が流れた。


「僕は虚像のオブスクラ、この霧をぜひ楽しんで。」

ステラの回りの霧が晴れ、男が出てきた。


「待てっ!」

氷の弾を撃ち込んだが当たらなかった。


「ここからがお楽しみだよ。」

辺りから魔物が姿を表し始めた。


「幻影の中に本物も混じってると思った方が良さそうですね。」


幻影を見せられ魔物は怒りで回りが見えなくなっていた。


胴を斬っても手応えはなく、振るわれた剣にダメージはない。


「透明よりも厄介……」





「……」

ステラは襲いかかってきた全てに攻撃を加えていた。


「さて、どうするか……」

オブスクラは遠くからステラを見ていた。


「邪魔だなぁ……」


「誘導するか。」

ステラの回りの霧を動かし始めた。





「あっち側は霧が薄い?」

ステラの見ている方向は霧の外の景色がかすかに見えていた。


「なんか誘われてる気もするけど……上等、ひれ伏させてやる。」

襲いかかる魔物を薙ぎ払いながら進み始めた。


「いや〜な予感がする……」

霧の奥からいやな気配を感じ取っていた。


「他の二人を待とうかな?」

ステラが立ち止まると霧がステラを避け始めた。


「……露骨に進ませたがってるなぁ。」


「まあいいか倒せば終わるし。」





「どうしよう……」

ノヴァンは途方にくれていた。


(はぐれた……ここ敵地だよね?死ぬんじゃ……)

頭を抱えて座り込んでいた。


「ゲートの無効化したから帰れないし……」


「そうだ!通信機があったんだ!」

ポケットを探っても通信機が出てくることはなかった。


「通信機持ってくるの忘れた……」


「……取り敢えず進もう。」





「なんでお前等がここに居るんだ?」

アルカディウス達とフェルミオン達は同じところに出ていた。


「え、いやこっちが聞きたいんだけど……?」

フェルミオンは困惑していた。


「もういい、ここから各自自由行動、以上!」


「グループの意味……」


『インパクト』」

話していると全員を衝撃波が襲った。


「うおっ!?」

アルカディウスとフェルミオン以外の4人が吹き飛ばされた。


「二人も残ったか。」

木の裏から兵士が出てきた。


「俺はエスペリア王国最強レオニス。」


「ついでに私は正義のユスティア2対2で勝負といこう。」

兵士の背後から小柄な聖騎士が現れた。






「知り合いか?」


「片方は知り合いです。」


「あっちの兵士は覚えている。かなり手練れだったはずだ。」


「あいつも有名人ですよ?」


「2年前に失踪しましたけど。」


「聖女を信仰している聖騎士、教会最強だったやつです。」


「そろそろいいですか?あなた達を断罪したいんですけど……」

ユスティアが剣を抜いた。


「僕はユスティアをやります。」


「了解した。」

アルカディウスはレオニスと向き合った。


「……」


「いいだろう我が主に楯突く罪人よ。この私が直々に裁いてやろう!」


「洗脳かなんかされてんの?」

とても聖女の信奉者には見えなかった。


『トライアル!』

ユスティアが剣を掲げると豪華な装飾がされている闘技場のような場所に立っていた。


「一対一か……」

フェルミオンの回りを漂っていた粒子が集まり始めた。


「審判を下してやろう。」


「この2年で何があったんだユスティア。」


「人は変わるものだフェルミオン。」


「2年前の任務で私は主を見つけた、それだけの話しだ。」


「無理やり聞き出させて貰うよ。」


「一度たりとも私に勝てなかったお前がか?」

ユスティアの剣が輝き始めた。


「お前に私を害することは出来ない。」

人型の何かが、ユスティアの前とフェルミオンの前に現れた。


「決闘代理人、そいつに勝つまではいかなる攻撃もこの守護者が無効化する。」


「いつまで持つかなフェルミオン?」


「こんなのにかまっている暇は無いんだよユスティア。」

近づいてきた決闘代理人を八つ裂きにしていた。


「中々やるな?」

守護者が消えたのを見てユスティアが立ち上がった。


「2年も会ってないんだ。昔と一緒にしてると痛い目見るよ。」


「直々に判決を下してやろう。」


「それとフェルミオン洗脳を疑っていたが私は洗脳を受けていない。」


「お前は聖女に忠誠を誓ったんじゃなかったのか?」


「そうだ。聖女様に身も心を捧げた以上いかなる洗脳も私を操れない。」


「ならどうして……」


「私は嬉しいよフェルミオン。」

ユスティアはフェルミオンの肩を掴んだ。


「弱いから無理だと思っていたけど……強くなってたなんてね。」

ユスティアに触れられたところから何かが浮かび上がっていた。


「それを隠すことは出来ない。服の上からでも浮かび上がるからな。」


「何をした?」


「それはマークだ。」

よく見ると閉じられた瞳の様なマークだった。


「私も持っている。少し模様は違うがな。」

ユスティアのマークの瞳は開かれていた。


「このマークがあれば主と繋がっていられる……」


「私達の任務は計画の手伝いと人材の選別だ。」


「主の他に9人マークを付けれる。」


「嫌な予感しか感じないけどね。」


「主に直接認められれば直ぐに繋がれる。」


「もっとも計画が成功しなければ意味がないがな。」


「ちなみに私は主に直接付けて貰ったものだ。」


「私の他に開眼したマークを持っているものはいない。」


「いい加減離れろ。」

粒子が襲いかかったがいとも簡単に避けられた。


「お前ほんとにユスティアか?」


「この国で最初に会った時は確かにユスティアだった。」

レオニスの後ろから出てきた時を思い出していた。


「それが洗脳じゃないなら何なんだ?」


「何かされたわけでもないから知らないな。」


「だが一つ思い出した。」


「2年前にお前にプレゼントを作ったんだ。」


「何だったか思い出せなかったから開けようと思ったのだが……」


「お前以外には開けられないらしい。」


「計画が成功したらお前にやろう。」


「お前を倒して奪い取る以外にないな。」


「……」

二人は武器を構えて睨み合った。


「悪いんだけどタイムリミットみたい。」


「レオニスは後ちょっとで死ぬっぽいし、気づいてないかもだけどここは外と時間の流れが違うよ。」


「待てよユスティア!」

じゃあねと言いながら去っていくユスティアを追いかけようとしたが地面の亀裂に阻まれた。


「随分と遅かったな。」

光に包まれた後に地面に足がついたのと同時に声を掛けられた。


「こっちは終わったが厄介なことになった。」


「この国をリミナリア王国にぶつけるらしい。」


「ホントですか?それ。」


「後こいつは操られていた。」

アルカディウスは地面に倒れているレオニスを指さした。


「殺す気は無かったのだが最後に自害された。」

顔をしかめながら言った。


「取り敢えず衝撃に備えろとのことだ。」

雲がもの凄い速さで動いていた。





「アリア!」

声を掛けられた方を見るとフィアが立っていた。


「本物ですか?」


「そっちこそ。」

アリアは予備動作なしに魔法を放った。


「これで信じてくれる?」

火球を真っ二つに斬っていた。


「信じます。」

ステラさんは幻影ですら見つかりません。


「雨だ。」

小降りな雨が振り始めていた。


「この霧いつまで続くんでしょう?」


「分からない。」


二人で進んでいると通信期からステラの叫び声が聞こえた。


「この国ごとぶつかったら衝撃で海に吹き飛ばさ荒れるんじゃ……」


「木がある。」

フィアが触れようとした木は幻影だった。


「……まずいかもしれない。」





「後少しで城に殴り込めれるってのに……」

ガレスの指揮する軍隊は後少しで城の防衛を突破できそうだった。


「国が物理的にぶつかったら一般人なんてもれなく死んじまう。」


「しゃあねぇローガン、ゼノス後頼んだ。」


『プロテクション!』

率いていた兵士全員に防御魔法をかけた。


「そんなことできたのか……」

気を失ったガレスをゼノスが支えた。


「手伝おうか?」


「大丈夫だローガン、俺の身体はほとんど機械だからな。力には自信がある。」





「なあリュシオン国と国物理的にぶつけるなんてホントだと思うか?」

リュシオン達は飛ばされた先で魔物と戦っていた。


「あんな本気なステラ始めて見たかも。」

リディアは魔物を斬り伏せながら驚いていた。


「ノクサなら出来ると思うぞヴォルト。」


「衝撃に備えろって言われたけど無理だよね。」

ディオンは魔物を投げ飛ばしていた。


「まあ間違いなく海に投げ出されるな。」

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