エルピス
「相変わらずユーノとルミナはいないのか?」
連と深月が戻るとアリアとリュシオンとセリナがいた。
「ずっと話してるよ。」
セリナが興味なさげに答えた。
「そういえば深月が話があるって言ってるんだけど聞いてくれるか?」
「話というのは?」
一斉に深月に視線が向き少しテンパっていた。
「こ、こないだ部屋で休んでた時に、エルピスって名乗る猫が話しかけてきて……」
緊張から段々と声が小さくなっていっていた。
「その猫はどこにいるの?」
セリナが少しだけ興味を持っていた。
「ここよ?」
いつの間にかエルピスは机の上に座っていた。
「……どうして武器を突きつける必要があるのかしら?」
一斉に武器を向けられ戸惑ったようだった。
「敵じゃないわよ?」
「そんな言葉で誰が信用するんだ?」
リュシオンがエルピスを睨みつけた。
「それもそうね。」
「一応翼の正体を教えてもらったし攻撃するのは待ってほしいなぁって思うんだけど……」
「答えられる質問に一個答えてあげるから一旦武器を収めてくれる?」
「お前絶対パンドラと関係あるだろ。」
「それが質問?」
「そうだ。」
「まあ関係はあるわね。」
「あの子は絶望、私は希望。」
「あの子が絶望を放ったからバランスを調整しただけ。」
「調整って言ったって対抗できるようにそこのフェンリルに力を上げたりしただけだけどね。」
「フェンリルって誰のこと?」
「その子よ。」
セリナの疑問にエルピスは尻尾で指して答えた。
「結局敵なの?」
セリナが銃を取り出して聞いた。
「質問は一つって言わなかったかしら?」
「まあ私はルールに対してルーズな方だし答えてあげるわ。」
「私は観測者よ。」
「何を観測するんだよ?」
「はぁ……いいわ。質問は一人一つにしましょう。」
連の問い掛けにエルピスは呆れたようにため息を付いた。
「私が観測するのはフェンリルよ。」
「フェンリルって私のことなんですか?」
「そうよ。あなたがフェンリル。」
「見守らせてもらうわ。」
「観測っていうのは何をするんですか?」
アリアが続けて聞いた。
「あなたで最後ね。観測は見守るだけよ。条件次第では情報も落とすけど。」
「もう質問は受け付けないわ。しばらく私は休憩してるからよろしく。」
言い終わると同時にいなくなっていた。
「めんどくさいの増えたね。」
「それは否定できないな。」
「一つ良いですか?」
連とセリナが話しているとアリアが思い切ったように話し始めた。
「連さんとリュシオンさんは知っていると思うんですけど6日後の連合軍に私は行こうと思っています。」
「なにそれ?」
気だるげにセリナが聞いた。
「なんか今日お前テンション低くないか?」
「なんかそういう気分じゃないだけ。」
「珍しいな。」
「そう?まあ少しづつギア上げてくよ。」
「連合軍はエスペリアや理に対抗するための組織です。」
「私は行かないからね?」
「リュシオンさんはどうするんですか?」
「俺はあんま気が乗らねえんだよな……」
「まあお前が行くなら行こうとは思ってるぜ。」
「ねーねーその翼ってどうなってんの?」
「えっ?!」
深月は話についていけずぼーっとしていたところを急に話しかけられて驚いていた。
「わ、私にも分かりません」
「この中では私とリュシオンさんが行くでよろしいですね?」
「分かりました。私は先生に報告してきます。」
全員が頷いたのを見てアリアがまとめた。




