2/4
事代の告解:負債の裏面史
砕け散る蓮の残骸を拾い上げながら、
事代の声がスタジアムの数万人、
そして電波を通じて繋がる数千万人の脳内に直接響き渡る。
「皆さん、感謝しなさい。
この有馬蓮という『門』が、
今、貴方たちの代わりに、
四百年の失敗を清算しようとしているのだから」
事代の足元から、
幻影のように一本目から八本目までの鳥居が立ち昇る。
「江戸のハクが飲み込みきれなかった
澱みが、**『明暦の大火』を呼んだ。
明治の伊織が耐えきれぬ時、
国は『日露の戦火』に身を投じた。
昭和の鳥居が溢れた時、
『東京大空襲』の炎が街を焼き、
平成の綻びが『バブル崩壊』**の絶望を招いた」
事代は、蓮の胸元に最後の一撃を加えた。
「近年の震災も、閉塞した病禍も……
すべては自浄作用の限界。
八本の門では、もう一億人の悪意は支えきれなかった。
……だが、今日、この九本目が完成すれば、
世界は再び『偽りの清廉』を取り戻す」




