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道連れ転生  作者: 凡鳥工房
4章.学院編Ⅱ・半固定14号パーティ

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4-04.秋季後半履修計画



 事務棟にて学院パーティ編成に関する申請を終え、6人そろって再び探索科寮の食堂に戻る。


「男子寮は女子禁制だし、相談事のできる個室がないんだよ」

「一般寮にはあるけど、事前予約制だから空いてないでしょうね」


 個室は簡易的なサロンとして使われることもあり、だいたい予約が埋まっているのだとか。

 空いていれば、飛び込みで使うことはできる。


 他に行くあてもないので、いつもの隅のテーブルに陣取りラッドが音頭をとる。


「こうして、ほぼ固定のメンバーとなったので、後半4週の履修計画をパーティの都合にあわせて作りたい。異論はあるか?」

「え、あ、はい。そうですよね、いつダンジョンに行くか、ここで決めてしまっていいんですよね?」


 何度も言いますが、ユイちゃんはおバカの子ではないのです。

 普通に良識があり、普通に頭の回る、普通に学院に入れる普通の子です。


「悪い言い方ですが、編成枠はお客様扱いでよいかと」


 謎のエア眼鏡仕種をするセバスだが、その言い分にはマリエルとクリスも同意したので、転生三人組の履修計画をベースに話を進める。


 まず、1年次の学院パーティ編成という制度上、動かせない要素から。


 光の曜日の編成発表と顔合わせ、闇の曜日の報告・反省会。

 隔週で午前中を占められ、ミーティングが長引くと午後に食い込むことも経験した。


 そして、ノルマでもある何回かのダンジョンアタック。


「お客様とのすり合わせのお試しアタックを水の曜日の午後にしたい」

「昼過ぎに集合、夕方までに戻る3時間目安のヤツな」


 基本的な司会はラッドで、ヨッシー、セバスが時々補足。


「風の曜日じゃないのね?」

「あれはマックスの都合に合わせただけで、できるなら水の曜日にしたい」


 光の曜日、火の曜日ときての水の曜日。

 前半よりの週の半ばだ。


「こうして事前にわかっていれば合わせられるし問題ないよ」


 パーティ1週目の水の曜日がすり合わせアタック、2週目の同じ時間枠でパーティでの反省会。


「で、本命狩りについてはクリスとマリエルの参加した1泊2日狩りを踏襲したい」

「出発が闇の曜日の昼過ぎで、戻りが無の曜日の夕方頃になるヤツな」


 もちろんお試しでの状況を踏まえた判断になるが、1泊狩りの成果を経験済みのクリス&マリエル組、がっつり狩ることに異論はない。

 ユイちゃんはさらに過激な2泊3日狩りの経験者なので貫禄が違う。


 ヨッシーの学費問題は休業の週に本気でやれば解決することはわかった。

 なので転生三人組は、主にパーティとしての活動をどこまでできるのかを試す場となる。


 とりあえず秋季の残り2回は一応組んだ経験のあるメンバーにお客様1名追加の編成となる。

 パーティ運営の練習台としてはわりかし気楽な環境と言えるだろう。


 そしてまた、自分たちの成長デバフがどのくらいの負荷なのか、周囲とどんな差がつくのかわからない以上、狩れるときに狩れるだけ狩るの教えはイキている。


 この計画だと1週目で休日である無の曜日を潰すことになるが、あけて2週目の光の曜日の午前中、編成発表の裏にあたるここを三人はバッファに想定している。


 秋季前半の計画でも、講座が受けられないので図書館での調べものなどにあてていたが、さすがに1泊2日狩りの翌日にはぐったり休んだ。


「そうね、どうせ光の曜日は講座を入れられないと思っておくべきよね」

「ただ闇の曜日は、出発が午後なら、僕とマリエルは午前中は講座にあてられる?」


 家政科も薬剤科も科としての反省会を行わないので、闇の曜日が隔週で埋まることはない。


「その意気でお願いします。目一杯講座単位を取れるのは1年次くらいだそうですから」


 セバス兄情報だと、2年次以降、より深くに潜る2泊3日以上の狩りが当たり前になると、当然に講座の時間が圧迫される。


 むしろ学院パーティという、日程の読める足かせがある今のうち。

 貪欲に単位を押さえてほしいと伝えておく。


「これも、発想の転換なのかしら」

「ほぇ~」



   ☆



 課業の自由度を担保する学院の単位制だが、前世日本の学校でいう単位より扱いは軽い。


 三人組の生きた時代だと、高校が50分授業35回で1単位。

 大学だと、授業時間と授業外の自主学習時間を合計して45時間分の学修であるとして1単位。


 これが今世の学院の場合、授業4回つまり週1授業を4週で1単位になるよう設計している。


 季節の第一週は行事やオリエンテーションの類にあてる週とし、休業の第六週を挟んだ前半・後半で4週ずつにわけた講座設計。

 この4週のくくりを節と呼ぶときもある。


 感覚的に言うと、日本での単元ひとつが学院の1単位相当。


 仮に学院の1単位ごとに教科書を作った場合、複数の紙を綴じて作られるパンフレット、あるいは1枚の紙を折って作るリーフレットで収まる。


 ただし、前世日本感覚だと数千円の代物となる。

 まして学術書とか研究資料なんかになるとうん十万円うん百万円当たり前。


 植物紙も印刷技術もあるものの、基本が手作業だし薄利多売もできないし、そうなってしまう。


 じゃけん、図書館で参考図書から必要なところを写しましょうね。


「芯が木炭だけど、鉛筆あるんだよなあ」

「簡単な知識・技術チートはやりつくされているってことだろ」

「おそらく、転生的な意味での先輩方がアレコレなさったのでしょう」


 ともあれ前世単元レベルを4時間+自主学習、ほぼ口頭のみで伝授しようというのだから、する方もされる方も結構大変。


 普通にノートをとる感覚で筆記用具を持ち込んでいる転生三人組は、熱心にメモをとるヤツラだと講師陣にいい意味で目をつけられていたりする。



   ☆



 各日の開講枠は各1時間前後で午前3コマ、午後2コマ。

 午後の3コマ目は主に武術系の訓練のために設けられており、原則として講座はない。


 例えば転生三人組は、秋季前半で火・水・風・土の曜日の午前の3コマをすべて講座にあて、12単位を取得している。


 これをそのまま敷衍すれば、年間96単位。

 探索科の卒院条件の280単位を、最低年限の3年で満たすことも可能だ。


 複数日をまたいでダンジョンに潜る事を想定に入れない机上の空論でしかないけど。


「それに、そうそう都合よく取りたい講座が取れる時間にやっているかってな」

「順番に取らないといけない講座も多いしね」


 座学を済ませてないと実習させませんとか、『礼儀作法』1を修めていないのに2を習えるわけないでしょウププとか。


 もちろんナンバリング付でも順番を気にしない口座もある。


 例えば『応急処置』は、『1打撲』『2裂傷』『3意識確認』『4止血・部位破損』『5固定・包帯術』『6人工呼吸』『7心臓マッサージ』『8搬送・担架づくり』と全8単位分あるが、必要と思うものを取ればいい。


「ユイは特に講座集中で。どうせレベル上がるまでMP不足で修練もできません」

「そうらしいですね。なので目一杯入れてたのに、パーティ活動で結構潰れちゃって、取り直し多いんですよ」


 ドンマイってヤツである。

 学院ですごす初めての季の初めての履修計画で、失敗しない人などいないのだ。


 三人にしても、キツメで詰めたと思っていたのだが、午後1コマの枠を無駄にしてしまったと反省することしきり。


 午前の講座と、午後2と3の枠に入れた武術訓練の間、お昼ご飯代わりに何か腹につめようと確保した午後1枠の空き時間だが、必要なかったのだ。

 午前3と午後1の間の休憩時間が微妙に長めで、事足りてしまうという。


 また、各時間を知らせる鐘は鳴るけれど、武術の訓練は多少遅刻しても問題ない。

 履修登録に記載しておらずとも、時間が空いたとか気が向いたとかで訓練に参加する者もいる。


 これは、講師が巡回して個別指導こそすれ、あくまで個々人の鍛錬という位置付けで、単位にはならないからだ。


「えーと、クリスとマリエル、計算上は23単位取れるのか」


 卒院に必要な単位だけみると、家政科と薬剤科は、自科300単位と他科40単位の合計340単位。

 机上の計算だと、2年で必要単位を取り切れる。


 騎士科も300単位+40単位だが、3年卒のエリートでない限りもっと積むらしい。

 340単位は知るべきこと知っておくべきことに対しての最低で、やればやるほど足りないのだそうだ。


 探索科は240単位+40単位の280単位。

 他科より楽と言われる所以でもある。もちろん、それで足りるかどうかは目的・目標次第。


 なおユイの在籍する魔術科は自科60単位+他科120単位と少なく見えるが、これは魔術を「教えられる」最低時間でしかない。

 武術と同様、自己鍛錬・修練・訓練に時間をつぎ込んでモノにしないといけないため、一番キツイ科だという人もいる。


「いや、僕は武術も卒院要件だから……」

「当面は午後3の枠だけでいいでしょう?」


 レベルや単位以外の卒院要件も、当然ある。


 クリスは幼年科あがりなので、セバス同様に【自己認識ステータス】で【棒杖術Lv.1/初心者】と表示されている。


 家政科の高級使用人課程としては、最低限、これが卒院までに【Lv.2/未熟者】になっていればいい。

 武術要件は探索科も同様。


 書き写してきた開講予定とにらめっこしながら、週間時間割表メモを書いては消し書いては消し。


 もうすぐに夕食時だぞの時間いっぱいには諦めもつけて、秋季・後半の履修登録を行った。




■探索科・転生三人組の週間時間割表/1年次秋季・後半(15単位/武術4系統)

 曜日│   光 →   火 →   水 →   風 →   土 →   闇 → 無(休日)

 ──┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼─────

午前1│学PT※  講座   講座   講座   講座  学PT※   DA※

午前2│学PT※  講座   講座   講座   講座  学PT※   DA※

午前3│学PT※  講座   講座   講座   講座  学PT※   DA※

午後1│ (空き)   講座   学PT※DA 講座    講座   DA※  DA※

午後2│棒杖術   剣術  学PT※DA  弓術 無手格闘術 DA※   DA※

午後3│棒杖術   剣術  学PT※DA  弓術 無手格闘術 DA※   DA※

 ※光:隔週 編成発表・顔合わせ/武術鍛錬や図書館で勉強、あるいは疲労回復のため休み

 ※水:隔週 すり合わせDA/反省会

 ※闇:隔週 科ごとの反省会/準備や休み


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DAって履修用語か何かあるのかと思ったらダンジョンアタックか
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