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第21話:ぷるんとした唇で

俺はエリーゼに、"立ちんぼフィールドワーク"で得た情報を共有した。

プレイ場所やローションの使い方、種族や地域経済についてだ。


エリーゼは、一通り話を聞き終えると少し考えて、ぷるんとした口を開いた。


「で、皆さんが森でやっている、"パンパン"は何なんですか?」


挿絵(By みてみん)


彼女は、広くとも薄い知識しか持っていない。

嫌われ者のスライム娘は、他人から深い話を聞く機会がなかったのだ。


だからと言って、この娘は何を言っているのだろうか?

森でやる"パンパン"など、あれしかないではないか?


「エリーゼは、子供の作り方を知っているか?」

「え?急に何ですか?」

「いいから、いいから」

「普通に、分裂するんじゃないんですか?」


話が爆散する香りがした。


「分裂なんてできるわけないだろ?」

「え?できないんですか?」

「え?」

「え?」


どうやら、俺とエリーゼは、壮大な勘違いをしているらしい。

話を整理しよう。


「スライム娘は分裂して増えるのか?」

「ええ、まあ、基本的には」

「エリーゼも分裂できるのか?」

「私は、できなくはないですが、大変です」


それは、こういうことだ。

スライム娘は"単為生殖"なのだ。


「人は分裂できないんだ」

「え?!じゃあ、どうやって増えるんですか?」

「子供を産むんだ」

「産む?!鳥みたいな感じですか?」

「まあ、そうだな」

「いや、お尻が割れちゃいますよ!」

「だから、人間はケツが割れているだろ?」


俺はエリーゼにケツを見せる。


「本当だ…由太さんも子供が産めるんですね…」

「…」


ごめん、エリーゼ、それは嘘だ。


昨日、"嘘はよくない"と学んだばかりで、これである。

まあ、噓も方便っていうしね!


「俺のケツも割れているが、女性しか子供が産めないんだ」

「そうなんですか。人って面白いですね」


エリーゼは、俺のケツを物珍しそうに見ていた。

いやん、エリーゼのエッチ♡


しかし、最低限の性教育はしなければ。

彼女にヒトの子作りを教えてやろう。


「男の下半身についてる"アレ"を、女性の股にある"アナ"に入れるんだ」

「"アレ"とは、チ〇ポですか?」


おい!誰だ!?

俺の可愛いエリーゼに、そんな卑猥な呼称を教えたのは?!


「まあ、そうだが」

「それで子供ができるんですか?」

「そうだ」

「変な生き物ですね!」


どの口が言っているのだろうか?

もしかすると、スライムとは相当に異質な存在なのかもしれない。


「というか、お前は客引きしてたんだよな?」

「そうですけど」

「もし、買われたら何するか分かってたのか?」

「チ〇ポをくわ…」

「大丈夫!大丈夫だ!」


どうやら、立ちんぼゴブリン達の会話と、森の中での覗き見を繋ぎ合わせて、変な知識になっているらしい。


これはこれで面白いので、今後も様子を見よう。


「というわけなので、俺は明日は"タリアン"で聞き込みに行く」

「なるほど、分かりました…」


ん?何か意味深な感じがするな。


その理由について、俺は翌朝に知ることになる。


--


「由太さん!起きてください!」

「んあ?」


すっかり日が昇った頃に、俺は目覚めた。

キラキラとした太陽が、やけに眩しい。


いや、煌めいているのは太陽のせいではない。

何かが光を反射しているからだ。


俺は、半分伏せていた顔を上げる。

なんということだろう。

そこには、天使がいた。


挿絵(By みてみん)


「え?誰?」

「ふふ、寝ぼけているんですか?」

「いや、え?」


その声は聞き覚えのある声だった。

いや、最初から分かり切っていることか。


この世界で、こんなに優しい声で俺に話しかける"ヒト"は、たった一人しかいない。


「エリーゼ…」

「はい!エリーゼです」


その姿は、殆ど人間だった。

唯一の課題といえるのは、半透明な空色の髪の毛。

しかし、それはむしろ人間を超えているように思えた。


陽光を受け、乱反射して拡散した輝き。

それは後光を受けたように神々しく、まさに天女を思わせた。


「ほら、起きてください!行きますよ!」

「行くって…?」


彼女が立ち上がる。


あっけに取られている俺を眺めて、ニコニコと笑う。

相変わらずの、ぷるんとした唇から力強く言葉が紡がれる。


挿絵(By みてみん)


「今日は"一緒に"、ローションを売りにいきましょう!」

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― 新着の感想 ―
エリーゼさん可愛い!まさにこれに尽きます。
一気読みの勢いが止まりませんでした。 いわゆる「お色気要素」を扱いながらも、いやらしさを感じさせず、むしろキャラクターたちの純粋な成長やビジネスとしての生々しさに胸が熱くなります。 露骨な表現に頼ら…
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