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第18話:ロタの村の高級店

立ちんぼゴブリン娘に教えてもらい、高級風俗店の前にやってきた。

このロタの村は、東南アジアのローカルエリアくらいの発展度合いだ。


正直、高級店と言えども程度は知れている。

しかし、この風俗店"タリアン"は異質であった。


その店は、バリのマッサージ店を彷彿とさせる風貌だった。


挿絵(By みてみん)


中に入ることはできないが、明らかに資本が入っているのが分かる。

それくらい、この村には場違いだった。


ラトナの話では、ここでワンプレイ250万ポニカらしい。

つまり、150万ポニカがプレイ代金で、部屋代が100万ポニカだ。


あれ?俺の働いていた置屋ってワンプレイ150万ポニカだよな…

本当にあこぎな商売してやがる。


ちなみに、ラトリアにここで働かない理由は訊ねていた。

その回答は「店だと、私が貰えるのは60万ポニカだから」とのこと。


営業しなくていい分、かなり店に持っていかれるようだ。

もちろん、暴力的な客から守ってもらう、ケツ持ち料もあるのだろう。


こうなると、始まるのは張り込み作業だ。

どんな客や嬢がいるのかを見てやる。


こうして、俺は夜中まで張り込むのだった。


ーー


まず、夕方を過ぎるとキャストが出勤を始める。

ゴブリン娘や獣娘がほとんどだが、可愛さは3人娘と比べて同じくらいか。


面白いことに、少ないが亜人もいた。

野性味のある人間といった表現が適切だろうか? 

思いのほか、亜人のバラエティは多いらしい。


一人、凄くかわいいゴブリン娘がいるなと思ったらラトリアだった。

彼女は俺に気が付くとウィンクをした。本当に心得てやがる。


おおよそ、20人くらいのキャストはいるようだ。


ーー


夜になると、男たちがやってくる。

なるほど、確かに見なりが良い。


思い出してみると、商人が来ている時もあると言っていたな。

ただ、やはり客に人間はいない。


男の亜人も種類が多く、大小も様々だ。

もしかすると、ドワーフやエルフに近いやつもいるのかもしれない。


僅かだがゴブリンも見かけた。

何かで財を成したのだろうか?

こうやって種族観察するのは少し楽しいな。


だが、ふいに俺の心臓がドクっと跳ねる。

見知った顔がいたからだ。キャッチの男だ。


そう、俺がこの世界で最も憎む男。

ピポラス・ベルズガッド。


俺は気付かれないように、慎重にベルズを見張ることにした。


奴は一人で店の中に入っていく。


- なんだ?あいつも遊びに来たのか?

と思っていたら、直ぐに店から出ていた。


恐らく、この店もベルズの紹介先の一つなのだろう。

ん?あいつの紹介先の一つだって?


だったらーー


「俺もここに連れてきてくれたらよかっただろ!」

「あん?」


ヤバい。思わず声を上げてしまった。

そして、こちらを振返ったベルズと目が合う。


「おや。兄さんじゃありませんか」


畜生め。気付かれちまったなら仕方ない。

まあ、俺のせいなのだが。


「やあ、ベルズ。調子はどうだ?」

「ぼちぼちですよ。兄さんはどうですかい?」


憎たらしいほどニヤニヤしてやがる。

俺がローション販売で失敗したことをバカにしているのだ。


「おかげさまで、絶不調だよ。クソが」

「それはお気の毒」

「何をぬけぬけと」

「兄さん。何か誤解してやしませんか?」

「誤解だと?」


お前との間には、既に解くべき問いなどないだろうが。


「ヌルヌルの件。アシは関与しちゃいませんぜ」

「な!?」

「あー、やっぱり誤解してましたねー」

「例えそれが誤解でも、既にお前を許す気はない」

「ひゃー、怖い怖い」


思ってもいないことを…。

- 必ず相応の報いを受けさせてやるからな


「そんな目で見ないでくださいよ」

「…」

「そしたら、一つ良いことを教えましょう」

「…」

「なに、ほんの善意。人助けですわ」


この腐れ外道に善意などあるもか。


「この店は親方が管理している店ですぜ」

「な!?」

「ふふ。兄さん、さっきから驚いてばかりだ」

「うるせぇ。まだこの世界に詳しくないんだ」

「そう。だから親切してるんじゃないですか?」

「人から1兆ポニカだまし取るのが親切か?」

「ほう。そうやって、直ぐに人の言葉を真に受ける」

「どういうことだ?」

「ライツが1兆ポニカ?そんな値で売れるわけないでしょ」

「…」


クソ!相手のペースに乗るな!言葉に惑わされるな!

とにかく、こいつのことは疑ってかかれ。


「まあ、その話はもう終わったことですわ」

「勝手に終わらせるな」

「いいや終わりです。アシもそんなに暇じゃないんでね」


悔しいが、今ここで飛びかかっても何にもならない。

臥薪嘗胆。耐えれば必ず、転機が来る。


去りに際、ベルズは何かを思い出したように振返った。


「この店は嬢の立場が比較的高いですぜ」

「だから何だ?」

「さあ?なんでしょうね?」


意味深なことをつぶやいて、ベルズは去っていく。

クソ、最後まで何なんだあいつは!


ーー


ベルズの蹴り飛ばしたくなる背中を見送ってから数時間。

やっと店の閉店時間だ。


俺は、出てきた嬢への取材に挑む。


よし、帰り掛けの風俗嬢に、ダイレクトアタックだ!

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