12、温〇さんの色気を理解してこそ大人
誤字、脱字があれば教えていただけると嬉しいです。
<はぁ、しゃあないなぁ……今回はうちの子助けてくれた借りもあるし特別やで。>
妖精は両手を大吉に添え、唱える。
「I lskut hufig:op pp;p. r hu etyi lieh, hu;@ tyua.」
両手が青く光り始める。
(なんや、こいつ。えらい大怪我しとんのかと思たら、どないもなってないやんけ。
ただ疲れとるだけか…その割にえらいぐったりやの………
…ちゃうな、ただ疲れたっていうより何かのエネルギーを使いきったって感じやな。
嬢ちゃんのときもおもろかったけど、こいつもおもろいやん。
最近色々きな臭くなっとるし、そろそろ動かなあかんかと思とったところや。
ふっ、こいつ育てて動かしてみるのも一つの手やな。
落とし人やから、多少激しく育てても大丈夫やろし。)
大吉の運命は、気を失っている間に1人?の妖精によって危険な方へと導かれようとしていた。
目を覚ますと自分の腹の上でハクが寝ている。
大吉はハクを起こさないようにそっと起き上がった。
目の前では、大吉お手製の囲炉裏ででかい肉を焼いている妖精が……
「おい。って言葉じゃ伝わらんのやった…。」
頭の中で妖精に向かって話しかけるように…
<おい。>
<・・・>
<伝わってるよな。>
<ジュ~~。>
<いや、テレパシーで肉の焼ける効果音やられても…>
<わしはこの肉に命をかけとんのじゃ。邪魔をするでない。>
<安い命やな…やなくて、なんで俺の作った家で、俺の作った囲炉裏を使って肉を焼いとるんかな?>
<そんなもん、意外とええできやからわしもここに住もうと思て。
あっ、ちなみにこの肉はお前が倒した三つ目熊の肉やで、ごっつぉさん。
かなり、暴れまわっとったせいか、他の生き物が逃げ出してて肉とられんでよかった。>
ジュ~、と肉の焼けるいい音とともにおいしそうなにおいがしてくる。
妖精はよだれを垂らしながら肉にくぎ付けだ。
<いや、まぁ三つ目熊を料理しとんのは100歩譲ってええとしよう。
住むってなに?なんで今日あったばっかのおっさんと共同生活せなあかんの?>
<そんなことより肉ができたで。
…なんやのその目………しゃあないからちょっと分けたるわ。>
<いや、そういうことじゃなくて…>
<めんどくさいやっちゃのぅ。ほれ。>
妖精が腕を振ると触ってもいない肉がひとりでに切り落とされ、テーブルの上に飛んで行った。
肉のにおいに反応したのか、ハクが目を覚まし妖精のもとに走っていく。
<もちろん、ママガーとハクちゃんの分はしっかり用意するからね。>
そんなことを言いながら腕を振ると肉がまた切り落とされハクの前と奥に横になっていたママガーの前に落とされた。
<なぁ、それ魔法か?>
<そやで、ってかはよ食べい。熱々が一番やで。>
そんなことを言いつつ明らかに自分の何倍もある肉の塊にかぶりついている。
とりあえず食べ終わるまでは話はできないかと諦め、大吉も椅子に座った。
目の前の肉は、外側はしっかり焼き目がつき、中に行くほどレアにはなっているが、妖精によって見事に遠目の弱火で調理されており、中心が低温調理されたような状態になっており、まるで見た目はローストビーフの様だ。
この料理を名付けるなら『三つ目熊のローストベアー』といったところだろう。
大吉は以前作っておいた箸を使って肉を持ち上げる。
しっかりとした重さに弾力。
あれだけ攻撃しても耐えた肉体だ。
かなり硬いのではないか…
そのまま肉にかぶりつく…
ガプッ、もにゅっもにゅっ…………
飲み込む前に溶けてなくなった。
ただ、やわらかいとは違う…
かぶりついた時、しっかりとした歯ごたえがあったが、歯でかみ切れた。
弾力がある肉からはあふれんばかりの肉汁が染み出てきていつのまにか消えてしまった。
もう一度かぶりつく…
ガプッ、もにゅっもにゅっ…………
また、消えてしまった…
外側の焼き目がついているところはカリカリで香ばしく、内側のレアな部分は臭みなどは全くなく、と言って淡泊というわけでもなく濃い肉のうま味を感じる…
一心不乱にかぶりつく。
妖精がくれた肉は3キロぐらいの量で正直こんなに食べられないと思ったが気づけばもうなかった。
「むちゃくちゃうますぎへん…」
あまりの衝撃につい呟いてしまった。
その様子を言葉はわからないはずなのに満足そうにドヤ顔でこっちを見る妖精。
<うまいやろ。魔獣ってのは強ければ強いほどうまいんや。
あとの分は、そこの食糧庫に入れといたで。>
妖精が腕を振るうと蓋代わりにしていた岩が浮き、食糧庫の中に大量の肉が入れられていた。
<とりあえず、2、3日は大丈夫やな。
まぁ自分がもっとたくさん獲物をとってきてわしらに献上して喜ばせい!>
<あっ、でも俺血を見ると吐いてしまって………
ってなんで俺がお前の家来みたいになっとんねん。>
<アホ、家来やのうて弟子は奴隷扱いや。>
<奴隷ってなんやねん。
ってか弟子になった記憶ないで。>
<わしが弟子にしたるって言うとんねん。
滅多にないことやぞ。>
<いや、自分。不思議生物の弟子とかそんな生き恥無理なんで…>
<不思議生物ってわしのことかい!!
…まぁええわ。それじゃ聞くけど自分、これからどうしていきたいん。>
<そりゃ、何とか食い物集めて生きて行こうと思ってるけど。>
<それだけかい。ここでずっと過ごすつもりかい。
人類に会ってみたいと思えへんのか。
落とし人なんやったら元の世界に戻りたいとかはどや。>
<えっ、元の世界戻れるん?おっさん、その方法知っとるん?>
<わしは知らん。>
<なんやねん、あかんやないか。そんなんやから不思議生物って言われんねんで。>
<やかましい!ってか自分からしか言われてないわ!!
わしはその方法を見つける可能性があるって言うとるんや。>
<可能性って?>
<あんな、前に落とし人の嬢ちゃんがおったって言うとったやろ。
わしも1000年ぐらい前に会ってからもう会ってないんやけど、その子はもとの世界に帰る方法を探しとってん。
そんで、ヒューマンの国にその情報があるみたいでそこ行ってん。
それから、何の連絡もないってことは帰ったってことちゃうか。>
<なんか、最後はあやふややなぁ。>
<なんの情報もないよりはええやろ。>
<でもそれやったら弟子になんかならんでも今からヒューマンの町いった方がええんちゃうん?>
<自分、アホか、この世界の言葉しゃべれへんやないかい。
それに西の森がヒューマンに焼かれたって言うとったやろ。
昔のヒューマンは恐れ多くてぜったいそんなことせえへんかった。
けど、そんなことしとるってことはなんかヒューマンらがきな臭いねん。
自分の力もまだ完璧にコントロールできてないやろ。
それに加えて言葉もわからんとそんなところ行ったらどないなるかわからんで。
やから、言葉と戦い方の修行つけたるって言うとんねん。>
<…まぁ、言いたいことはわかったけど、それやったらおっさんがついてきてくれたらええ話ちゃうん。>
<どこまで甘えんねん、アホ。
そこまで、面倒見切れるかい。>
<まぁ、それはそうか。それじゃ、しょうがないし修行したるわ。>
<何で上から目線やねん…
まあええわ。自分の名前はハクちゃんから聞いたで大吉やな。
わしのことは…そやな…師匠って呼ぶように。>
<はい、師匠。>
<なんか、違和感を感じんねんけど…>
<気のせいですよ。師匠。
疲れてるんじゃないですか、師匠。
ちょっと頭の禿げあがり方が尋常じゃないですよ、師匠。
今日はもう暗いですし、もう休んだ方がいいんじゃないですか、おっさん。>
<最後、完璧におっさんっていうてるやん。
もうちょっと敬うっていうか、崇め奉るっていうか…>
<禿げあがったおっさん顔の不思議生物を敬うとか無理ですから( ´∀` )>
<禿げとるんは男の色気や。
ほら、渡○謙とか…不倫するほどモテモテやで。>
<いや、おっさんはどっちかっていうと温水洋○やから。>
<温○さんのどこが悪いねん。素敵な雰囲気かもちだしてるやん。>
<あっ…○水さん顔っていうのは否定せえへんのね。それに何で地球の芸能界のことこんなに詳しいねん…>
<………もう疲れたから好きに呼んだらええわ。明日から修行始めるからもう寝ぇ。>
そう言いながらおっさんはいつの間に作ったのか毛皮の布団で眠り始めた。
ママガーとハクもタイガータワ―の方で丸まって寝ている。
大吉は、そっと家を出た。
「やっぱり、月が2つある…」
この世界で誰にも伝わらない言葉で呟く…
正直言うと三つ目熊との闘い、おっさんとの話と戸惑いが強すぎてふざけすぎてしまった。
後悔は全くないが…
言葉を覚える。
戦い方を学んでせめて自分の命の危険を減らす。
そして元の世界に帰る方法を探す。
「目標だけでも決まったからよかったんかな…」
大吉のつぶやきがだれもいない森に響く…
言葉を返すものはもちろんいない…
夜の少し冷たい風が大吉の頬を撫ぜる…
大吉は何も言わずに家の中に入り、明日への不安を押し殺して眠るのだった。
さぁなぞの妖精の正体とは?
おっさんの正体が実は温〇さんとかではないので安心してください。
大吉の目標が決まりました。
次回は再び修行パートです。




