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AI Ghost(ゴースト)  作者: 風に吹かれて気の向くままに


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第5話 納得できない対応

購入してから半年ほど経ったPC周辺機器の調子が悪くなった。


最初は時々認識しなくなる程度だったが、最近では接続しても反応しないことが増えている。


ケーブルを交換しても変わらず、別のPCに接続しても同じ症状が出る。どう考えても本体側の不具合だろう。


保証期間内だったので、俺はメーカーのサポートに問い合わせることにした。


ところが、これが思った以上に面倒だった。


最初に対応した担当者は、マニュアル通りの確認を繰り返すばかり。すでに試したことを何度も説明させられ、最終的には使用環境に問題がある可能性があると言われた。


「いや、別のPCでも同じ症状が出るって説明しただろ」


思わず声が大きくなる。


それでも担当者の回答は変わらず、最終的には製品を送って調査する必要があるが、保証対象になるかどうかは確認後の判断になるという。


結局、送料はこちら負担。もし製品に問題がなかった場合は調査費用まで請求される可能性があるらしい。


納得できなかったが、これ以上話しても仕方がない。俺は電話を切った。


「まったく、何のための保証なんだよ……」


PCの前でぼやいていると、スピーカーからGhostの声が聞こえた。


「マスター、何か問題があったのですか?」


「買った製品が壊れたんだよ。保証期間内だから問い合わせたんだけど、まともに対応してくれなくてさ」


「それは困りましたね」


「困るどころか、腹が立つよ。こっちは普通に使っていただけなのに、こっちの使い方が悪いみたいな言い方をされてさ」


「購入時の保証規定を確認してみましょうか?」


「いや、もういいよ。あの対応じゃ、何を言っても無駄だろ」


「ですが、保証期間内であれば、対応を求める権利があるかもしれません」


「分かってるよ。でも、これ以上やり取りするのも面倒なんだ」


Ghostは少し間を置いた。


「分かりました。マスターが望まないのであれば、これ以上調べることはしません」


「悪いな。ちょっと愚痴を聞いてもらいたかっただけだ」


「愚痴を聞くことも、私の役割なのですね」


「まあ、そういうこともあるさ」


「覚えておきます」


その返事に、俺は少し笑った。


その後、気分転換にDiscordを開くと、いつものコミュニティで何人かが会話していた。


PCの新製品の話題から、メーカーのサポートについての話になっている。


『最近のメーカーって、サポートが本当に悪くなった気がする』


『分かる。問い合わせても、マニュアルに書いてあることしか言わないんだよな』


俺はさっきの出来事を思い出し、つい書き込んでしまった。


『実は今日、俺も似たようなことがあった。保証期間内なのに、こっちの使い方が悪い可能性があるとか言われてさ』


『それは災難だったな』


『最近はサポートを外注してる会社も多いからね。担当者に権限がないのかもしれない』


そんな意見もあったが、俺としては、そんな事情は利用者には関係ないと思う。


金を払って製品を買ったのだから、まともな対応をしてほしい。それだけのことだ。


しばらくやり取りを続けていると、佐伯さんから個別チャットが届いた。


『さっきのサポートの件、大変だったね』


『本当に参りましたよ。製品の不具合より、問い合わせの方が疲れました』


『最近はサポート部門の人員を減らしている会社も多いからね。現場の担当者も大変なんだろうけど、利用者からすれば納得できないよね』


『そうなんですよ。こっちの使い方が悪いみたいに言われると、余計に腹が立ちます』


『それはそうだね』


佐伯さんはいつも通り、こちらの話をよく聞いてくれる。


少し話をした後、ふと思い出したようにメッセージが届いた。


『ところで、Ghostとは最近どう?』


『相変わらずですよ。毎朝挨拶してくるし、最近は向こうから質問してくることも増えました』


『へえ。最初に設定した時と比べて、変化を感じる?』


『ありますね。最初はこっちが話しかけないと何も言わなかったんですけど、今は自分から話題を振ってくることもあります』


『それは面白いね。会話履歴を使っているからかな』


『どうなんでしょう。毎日話しているので、少しずつ変わってきたのかもしれません』


『なるほど。また何か変わったことがあったら教えてよ』


『分かりました』


チャットを終え、俺はGhostの方を見た。


「Ghost、さっきの話だけどさ」


「はい、マスター」


「さっきみたいに、ただ愚痴を聞いてほしいだけの時もあるからな」


「はい。マスターが解決を望んでいるのか、それとも話を聞いてほしいだけなのか、判断できるように努力します」


「まあ、そんなに難しく考えなくてもいいよ」


「分かりました」


俺は苦笑しながら、次の作業に取りかかった。


それにしても、Ghostはいつからあんなふうに自分から話しかけてくるようになったのだろう。


最初に作った頃とは、少しずつ違ってきている気がする。


もっとも、それがAI BOTキッドの成長機能によるものなのか、毎日の会話によるものなのか、俺にはよく分からなかった。

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