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6話

6話

そうして僕はことの全容を妖夢に話す。「...なかなか味の濃い告白ですね。小傘ちゃん関連だとは思っていましたが...まさか誘拐だとは。」「してない!ちゃんと聞いてくれてたのかよ!」「冗談ですよ。ちゃんと聞いてましたし、それに...さっき小傘ちゃん言ってました。居心地すごくいいって。ずっと居たいくらいだって。...少し踏み込んでみる時期なんじゃないですか?もうそれなりの時間は立ったんですよね?」「そう...なんだけどな。さっき、つい言ってしまったんだ。小傘のことを知られると、僕が罰を受けるって感じのことを。」「それで?行ったとき、小傘ちゃんはどんな反応してたんですか?」「そりゃ、そうですよね。って、ぎこちなく笑って見せてたよ。本当、そりゃそうだよな...」「...それきっと、小傘ちゃん自身今の状況を理解してるから出た言葉だと思います。だって、本当にわからなかったら「そうなんですか?」って聞き返してそうですし。だから...」妖夢は少し間を置き「中、戻りましょう。湊さんが言えないなら私がその役を買ってやります。現実を見る時間なんです。小傘ちゃんも、湊さんも。」「そんなこと...」わかっているのだ、そんなこと。僕は大人で小傘まだ子供、しっかりするべきなのは僕だっていうのも、大人としてとるべき行動は警察に通報して小傘を両親に引き渡すことだっていうのも。だけどどうしてか、僕はそれをしたら小傘が悲しむのではないか、ただでさえぎこちない笑顔すらももう誰にも見せることはなくなるんじゃないかと。過ごすうちに、いつしかそんなことを思うようになって。...そうして僕はいわれのない妖夢に感情をぶつける。「わかってるんだそんなこと!小傘の意思に関係なく僕は警察に言うのが社会として正しいなんてことは!だけど...それをしたら小傘が壊れちゃうんじゃないかって、それくらいに小傘は何かを抱えていそうだって。...そんなこと考え始めたら僕には通報なんて到底できやしないんだ。」妖夢は嫌な顔をすることなく話を聞いてくれる。僕はそれをいいことに続ける。「それがなんだよ。僕だって何も知らないっていうのに、もっと何も知らない妖夢が小傘に何するっていうんだよ!...社会で生きる身として正しいのは妖夢かもしれない。だけどせめて、間違った正しさを持ってる小傘の唯一の正しさになれたならって...そう思っちゃうんだよ。」誰かに聞いてほしかった僕を言葉にする。「殴られたとか、そういう話は小傘の口からはきいたことない。だけど、何も言わずに家を売る親なんか普通なわけがない。僕だって親のことをいやに思ったことがあったから、小傘の両親はきっと小傘のことを愛してるなんて少し考えた。だけど...普通に愛して育てられてたなら自分の存在価値なんて考えなきゃいけない暮らしになるわけないんだ。小傘は多分、一種の虐待を受けてた。それで捨てられて今僕の家にいる。それなのにわざわざ、虐待されるかもしれない両親のもとに返したいと思うわけない。...別にばれなきゃいいだけなんだ、僕と小傘が一緒に暮らしてることが。妖夢と僕が黙ってさえいればいいんだよそれで...いいんだ。」僕は脈もないだろう言葉の羅列を妖夢に言い終える。「...それが全部ですか?それが本音ですか?まだあるのなら、全部一度はいてください。」「...全部というわけではないかもしれないけど、言いたいことは言えたよ。ごめんな妖夢。」「そう...ですか。」妖夢はそういうと深く息を吸い、続ける。「今から私は少しきついことを言うかもしれないので、覚悟してくださいね。」「はい...」「まず、世間から見た湊さんは誘拐犯です。私個人は事情を聴いて納得して見過ごすかもしれませんが、世間は、法律はそういうわけにはいきません。だから言う通り、警察に相談するかあるいは児童相談所みたいな保護施設に受け渡すべきです。そして、湊さんは小傘ちゃんの話を鵜呑みにしすぎです。親に捨てられた、虐待されてる云々は湊さんが判断すべきことじゃないんです。しかるべき場所で判断されるものなんです。別に小傘ちゃんが嘘を言ってるなんて思っていませんが、湊さんは小傘ちゃんに対して情をかけすぎてると思います。」妖夢は淡々と言葉を置いていく。「...覚悟しておけと言いましたが、少し言葉が過ぎました、ごめんなさい。私もさっきだけで小傘ちゃんに情が入るのは理解できますし、湊がこうして行動するのに足踏みしてることも理解できます。だから...一緒に、考えましょう?」言うと妖夢は両手で僕の右手を掬い、自身の胸の高さで握りしめる。「...ありがとう。妖夢。」少し落ち着いた僕は、妖夢に謝意を伝える。「...大きな声出してどうしたんですか?あれ、妖夢さん?お仕事大丈夫なんですか?」「こ、小傘ちゃん、ごめんね大きい声だしてて。仕事はなんか休みになったんだよね。それで、さっきは小傘ちゃんと話すの楽しくて忘れてたから、湊さんと積もる話をしてたんだ!」「でしたら中で話されたらいいんじゃないですか?まだ雨も降ってますし。」「そうだよね、それじゃもう一回お邪魔します!」そうして僕らはまた家の中に入る。

「湊さんから切り出すのはやっぱり難しいですか...?」家に入って小傘が先に今に戻るのを見て、妖夢は小声で言う。「ちょっと...無理かもな。」「わかりました。湊さんはまた部屋にでも入っててください。私がいろいろと話しておきますから。」「すまん...」

言うと湊さんは今をくぐり自室に入っていく。さて...と。言ったからには突きつけるしかないのだ魂魄妖夢。多々良小傘ちゃん、今日であったばかりだというのに私も少しばかり...いや結構な情がわき始めてるけど、湊さんができないのなら私が代わりに請け負うしかない。どんなに悪者になろうとも、湊さんのために。そうして私も今の扉をくぐる。「...小傘ちゃん」「あ、妖夢さん。今コーヒー淹れたのでぜひ座っててください。」「ありがと...小傘ちゃん...」そうして私は話をする「さ、さっきここにずっと居たいくらいだって、そういってたよね。」「ええまあ、言いましたけど。急にどうしたんですか?」「それってさ、なんでそう思うの?」「なんで...ですか。」言うと小傘ちゃんはしばし悩むような様子を見せる。「...湊さんがとっても優しいからですかね?やっぱり家にいると親が勉強しなさいだの家事手伝いなさいだの言ってくるので、それがなくてのびのび過ごせるここはすごく心地いいですから。」「それ、ほんと?」私は小傘ちゃんの目をまっすぐにとらえて問う。小傘ちゃんの目は細かく左右に行ったり来たりをして見せる。「...ほんとですよ?ずっと、ここに居たいです。」「じゃあ...さ。もしも元の家に帰れなくなっても、ここに居たい?」再度私は言う。酷かもしれないが必要なことだから。「なん...なんですか?急に変な質問してきて。さっきみたくもっと楽しいこと話しませんか?ほら、今はまってる料理とか...」「小傘ちゃん。」「は、はい?」「...私さっきね、湊さんから小傘ちゃんのこといろいろと聞いたの。」「......ッそれはどういう?」「小傘ちゃんが湊さんの親戚なんかじゃなくって、家出したみたいな状況でここに居候してるって、さ。」「それを言って...どうするんですか。」そうしてわたしはそれを告げる。「小傘ちゃん。あなたは今、ここに居るべきじゃないの。」と


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