ゼロステージ
メシエ・銀河連邦随一の繁栄を誇るアリオト星(母星)は、国を隔てる国境こそ無いが、貧富の差によって上流層と下流層に分かれている。
下流層には、狂犬と呼ばれる不良少年のプレイスト(十五歳)と、その弟分のウィリス(十四歳)がいた。
「廃船を奪う! 今夜決行だ」
唐突にプレイストがウィリスに言った。
「いくら廃船と言っても、犯罪だろう。止めた方がいいよ」
ウィリスは引き止めようとしたが、
「何ビビッてんだよ。ウィリスは相変わらず臆病者だな。俺達はみんな貧乏人、その日の生活にさえこと欠く有り様だ。この状況を変えるには、宇宙に出るしかない。大海原の先に、俺達の夢が待っているんだ。何か行動を起こさない限り、この貧しい環境から逃れることは出来ないんだぞ」
とプレイストが力強く言った。
夜の静まり返った輸送船のスクラップ工場に忍び込んだ二人。
解体を待つ廃船の中に、状態の良い真っ黒な輸送船があった。
「あれは商船じゃなく自家用の宇宙船、燃料電池で動くタイプのクルーザーだ。これは良い。外洋航海が可能なうえ、まだ新しいぞ。俺にとって黒色は不幸を招く色だが、この型ならワームホールに入って別の銀河まで行ける」
「でも、プレイストさん、勝手に乗っちゃ捕まるぞ」
ここにきて臆したウィリスが引き止めた。
「嫌なら俺一人で行く。だがな、ウィリス、男なら挑まなければならない時があるんだ。逃げてばかりいては何も変らない。自らの力で、束縛されない自由を手に入れるんだ」
プレイストの言葉でウィリスは覚悟を決めた。
大海原へと勢い良く飛び立ったものの、いきなり問題発生。
クルーザーには僅かな燃料しかなく、ガス欠状態だった。
高速道路のインターチェンジと同様、ある程度のスピードが出ないと本線には乗れない。ワームホールに弾かれたクルーザーは行き場を失った。
廃船ゆえ、燃料エネルギーを補給しないのは当然のことだが、プレイストは後先考えずに行動する癖があった。
やがて、クルーザーは完全にガス欠になり、意思を持たない浮遊物のように、フワフワと宇宙空間に漂ってしまった。
廃船とはいえ、全ての船には盗難防止のチップが付けられている。当然、メシエ銀河連邦警察に追われる身となった。
「やっぱり黒色は不幸を招くのか……俺は青が好きなんだ。青色は俺達の住む惑星を連想させ、安らぎと勇気を与えてくれる。いつか必ず俺は成り上がって、青は俺の色だと認めさせてやる!」
ズバ抜けた行動力のプレイストだが、計画性に乏しかった。ただ目の前にある目標しか見えていない。
ウィリスは、彼の足らない部分を補おうとした。この先の人生、文字通り二人三脚で困難を乗り越えようと心に決めたのだった。
時代はまだ、プレイストとウィリスを必要としなかった。二人の苦難の日々は続く……。
アリオトの、いや、銀河連合の繁栄は永遠に続くものだと信じて疑う者などいなかった。
繁栄を謳歌する銀河連合に、突如として出現したデッド。
銀河連合のネットワークを遮断したデッドは瞬く間に大宇宙・オム二バースを席巻し、暗黒の時代が訪れた。
戦線の拡大に伴い、多くのベテランパイロットを失ったアリオト軍は、優秀な人材を求め、最下層の若者達も召集した。その中には、社会のしがらみによって不遇の時を過ごしていたプレイスとウィリスもいる。
アリオト軍は、メシエ銀河の残存部隊を一つに集め、徹底抗戦。多くの戦闘よって、次第にリーダーとして成長していくプレイスト。
皮肉にもデッドの出現が二人の才能を開花させた。
二人は歩みを止めない。己の進むべき道を、ただひたすら歩んで行くのである。
そんな英雄に力強い見方が出来た。第三世代の傑作機と呼ばれるエボリューション・アレスが完成したのだ。
勢いを得たアリオト軍だったが、デッドも高性能のファントム機を投入し、次第にプレイストを追い詰める。
激戦の末、アレスが被弾、プレイストが致命傷を負った。
希望の星が、命の火が消えつつあるプレイスト。そんな彼がウィリスの手を握り締め言った。
「……諦めるな、まだ望みはある……小宇宙に……我々を救う救世主が……」
そう言い残してプレイストは死んだ。
英雄の死によって風前の灯となった銀河連合に、新たな救世主が現れた。
プレイストの予言通り、小宇宙からスカウトした『北山ケンジ』によって銀河連合は救われたのだった……。
北山ユウマとユアは家族ぐるみの付き合いをしていた。
だが、ひとつだけ問題があった。
ユアは大事な一人娘。将来、生まれる子供の一人を譲ってもらう条件で付き合いが許されていたが、両家のためには当然、子沢山が待ち望まれる。
まだ幼いユウマには、子沢山の意味が分からないが、その期待がプレッシャーとなって重く伸し掛かっていた。
ユウマが別世界を行き来するのに興味を持った加藤ヒロトが、一度行ってみたいと言った。
ユアから預かった異次元メガネで、ユウマとヒロトは、それぞれアレスとマルスに乗ってユアの住む異世界に向かった。
ボーデ銀河のボーデア星。地上に二機のアームキャリーが降り立った。
ユア自慢のユウマのお披露目会。
伝説のヒーローの息子が来るのを、あらかじめユアが友達に知らせていたため、彼女達は今か今かと待ち構えていた。
ユアが友達に二人を紹介しょうとすると、分かったと言わんばかりに、ユウマには目もくれず、背の高いヒロトを取り囲んで町へと案内した。
「俺はヒロトだって……」
困惑するヒロトだったが、彼女達の間では、ヒーロー=美男子という考えがあり、モテモテぶりにまんざらでもなかった。
親友のサラが、みんなの所に行きたいそぶりを見せた。
彼女はヒロトに一目惚れだった。
「いいわよ! 行きたいんでしょう。ヒロトさんが好みなのよね!」
嫌味を込めてユアが言うと、
「……ユアちゃん、ご免なさい」
そう言って親友のサラも行ってしまった。
取り残されたユアとユウマ。
「ご免ね、僕がこんなんだからユアさんに恥じをかかせて……」
落ち込むユウマを気遣って、ユアが言った。
「そんなことないわ。だって、ユウマ君の本当の凄さを知っているのは私だけだもん。みんな、見た目に惑わされているだけなんだから」
「ヒロちゃんは、中身も凄いんだけど……」
ユウマがボソリと呟く。
「いいから、いいから。ちょっと、ユウマ君に見せたいものがあるの」
ユアがユウマの手を握ると、乗って来たミニバイクで丘を登った。
ミニバイクは地球でいう自転車のような物で、大きなタイヤは無く、僅かに浮遊する子供用の乗り物である。
ミニバイクは地面をはうように悪路の山道を進んだ。
浮遊車ゆえ、揺れは無いが、
「ユウマ君、しっかり私につかまっていてね」
と、ここぞとばかりにユアが指示し、遠慮がちにユウマが抱き付く。
体が密着し、お互いの心臓がドキドキして体が熱くなるも、心地良い風が、火照った二人の顔を冷やしてくれた。
丘陵一帯は散策路が整備されていて、その頂上には大きな樹木がそびえていた。
それはこの町のシンボル的な巨木で、夜になると、ツリーのように輝く夜光樹。
二人は、その大樹の下にあるベンチに座って、眼下の町を見下ろした。
オレンジ色の屋根で統一された町と、青い空のコントラストが美しく、どことなくヨーロッパの街並みを思わせる景観。つい、ユウマが見入ってしまう。
「私の住むボーデア星は銀河連合に属しているけど、宇宙の端っこにある、外宇宙に近い後進星で田舎なの。ガッカリしたでしょう」
「地球に比べたら、ずうっと進んでいるからガッカリなんてしてないよ。むしろ、童話の世界に出てくる町を見ているようで、落ち着くんだぁ。ずっと、こっちで暮らせたらいいのにね」
木の枝に大きなアオムシ(青虫)が、体半分を持ち上げながらはっているのを見付けた。
「わあ、大きなアオムシ。こっちじゃ、立って歩くんだね。ユアさん見て、大きなアオムシが、立って歩いているよ」
何故かユアが、真っ赤な顔をしてうつむいている。
幼いユウマにはその意味が分からなかった。
ユアの住むボーデ銀河は、交易が盛んな宇宙中心部の密集地帯と違って、銀河間が離れているために発展が遅れる。
この星には無いエボリューション型アームキャリーに注目が集まった。
「ねえ、ユウマ君、アレスに乗せて欲しいんだけど。アレスって、確か二人乗りよね」
あわよくば、ユアを出し抜いて彼女の座を射止めようと、ヒロトに色仕掛けで自分をアピールする。
「だから、俺はヒロトだって。君達が憧れているヒーローじゃないんだよ」
困惑顔のヒロトが答えるも、
「……じゃあ、あの冴えない男の子がユウマ君だったのね」「そういえば彼、青色のアレスから降りて来たわ」「私はてっきり、乗り換えて来たのかと思ってた」
「そっか、ユウマ君じゃないんだ……。でも、断然、こっちよね」
絵に描いたような美男子。
お目当てのユウマでないことを知っても彼女達はヒロトに夢中だった。
「あのぉ、ヒロトさん、マルスに乗せて下さい。この中で、お気に入りの子はいるんですか?」
ヒロトを囲むようにして見ている彼女達を見回し、意外な人物を指差した。
それは、一番後ろで覗き込んでいた、ユアの親友サラだった。
「えーえぇ~!」
地味で根暗なサラに、当然みんなのブーイングが起こった。
ヒロトが彼女を気に入ったのは従順そうだったからで、ヒロトはある目的で異世界に来た。それは、緊迫している外宇宙の情報収集のためで、まさに大宇宙は危険な状況に直面していたのだった。
当のサラは、自分を選んでくれたことに嬉しく思うも、みんなの冷たい視線に後ずさりする。
「わ、私なんかが、いいです、ご免なさい」
そうサラが断ろうとすると、
「君に乗ってもらいたいんだよ」
ヒロトに強引に手を握られ、「ひゃあ!」と悲鳴に似た声を出し真っ赤になった。
ヒロトとサラがマルスに乗り込むと、コックピットの狭い密室に二人きりになる。
サラは緊張のあまり固くなって身動きすら出来ず、呼吸が乱れて息苦しくなり意識が遠のいた。
「いくら外宇宙に近いといっても、ここからじゃ遠いな……。ねえ君、ワームホールの場所を教えて欲しいんだけど」
「……場所は分かるんですけど……あのぉ~、教えてはいけない決まりなんです、許して下さい」
「お願いだよ、俺、どうしても外宇宙が見たいんだ。今の状況を調べて知らせたいんだよ」
元軍人の父を持つサラにはワームホールの場所は分かっていたが、部外者には教えてはならないという決まりがある。それはこの惑星を守るための掟のようなものだった。
だが、頼まれると断れない性格のサラ、ヒロトの人選は正しかった。
「確か、第十番惑星・エルスの付近にあると言っていたんですが。お願いです。銀河航空法によって、領域外での攻撃は禁止されているんです。危険ですから、無茶はしないで下さい」
心配するサラを安心させようとヒロトが大きく頷いた。
マルスがワームホールに入ると、直ぐに外宇宙の領域内に抜け出した。
ヒロトは危険を冒して軍事境界線を越えた。
そこからは、建設中の人口惑星が見えた。
ヒロトは人口惑星を詳しく調べるため、更に近付く。
「あれが、あれが本当の姿……」
ヒロトは驚愕する。
遠目からは、単なる人口惑星にしか見えないよう、カムフラージュされていて、渦巻き状の殻のような構造物が、まるで巨大なアンモナイトを想像させる。
それは防御性に優れた移動要塞で、明らかに銀河連合との一戦を画策しているのが見て取れた。
極秘情報をつかんだと喜んだのも束の間、ヒロトとユアの二人に危機が迫る。
ヒロトの乗るマルスは、最新鋭のステルス機とは違う。軍事境界線を越えて侵入したのが易々と発見された。
まだ子供であるヒロトは考えが甘かった。その甘さが二人を危険に陥れる。
秘密を知られ襲って来た外宇宙の軍用機が、マルスに接近して来た。
領域内での攻撃は銀河航空法によって認められている。だが反対に、侵入者であるのヒロトには許されない。一発の銃声が戦争の引き金になる。ヒロトは反撃することが出来ず、逃げることしか出来なかった。
スピードに勝る追撃機は、境界線を目指して引き返すマルスを必要に追い詰める。
ユウマが掛けている異次元メガネで一緒に来たから、地球に避難することが出来ない。頼むマルス、追撃を振り切ってくれ! ヒロトは心の中で叫んだ。
あれは――。
マルスと軍用機の間に、小型の母艦が分け入った。
飛行甲板上で、ユウマとユアの乗るアレスが手招きしている。
それは敵ではなく、軍事境界線の外で待ち構えていた銀河連合の艦船だった。
「何故?」
ヒロトが不思議に思っていると、
「何やってるのよ、ヒロト!」
聞き慣れた声が、母艦から発せられた。
「か、母さん?」
その声の主は、母親、サヤカの叫び声だった。
「どうやら、間に合ったみたいだな」
サヤカのそばにいる父、リックが言った。
母艦に着艦したマルスから降りたヒロトとサラが、急いでリックのいる艦橋へと駆け寄った。
そこには、リックとサヤカのほかに、ケンジやアカリまでいた。
「異次元メガネが無いのに、何故? 父さん達がいるの」
「大宇宙へと通り抜けるワームホールを通って来たんだ」
そう言ったリックがヒロトの頬をぶった。
サヤカが止めに入ろうとしたが、ケンジが制止した。
「お前が死ぬのはいい。だが、お嬢ちゃんはどうなる。親御さんに、なんて言って詫びればいいんだ。お前の身勝手な行動で危険な目に遭わせたんだぞ!」
「……俺、父さんがケンジ叔父さんの後塵を拝してきたのが悔しくって。だから、不穏な動きを見せる外宇宙の情報を、真っ先に父さんに知らせたかったんだ……」
「人にはそれぞれ役目がある。俺はケンジ君の活躍に、一度も悔しいと思ったことはないんだぞ。むしろ、彼の活躍には感謝しているんだ」
涙を流して謝るヒロトの頭を優しく撫ぜながら、
「でも、危険を冒してまで、良くやった。ヒロト、お前は俺の、自慢の息子だ」
そう言ってリックはヒロトの勇気ある行動を讃えた。
『正体不明の飛行物体が接近!』
突然、艦内に警報が鳴り響いた。
追撃していた軍用機は諦めて引き返したが、ダークグレーの異様な型の二機のアームキャリーが近付いて来る。
「あれは、あの形状はハデス。俺が唯一かなわなかった奴だ」
ハデスと死闘を繰り広げたケンジが言った。
飛行禁止区域のエイベル銀河・サルガス星に忍び込んだネオデッドの偵察部隊が、海底に眠っていた太古最強生物ハデスのDNAを採取し密かに培養していた。
『V‐Ⅰ型ハデス級』、試作段階でまだ不十分な性能だが、最強種族の性質は受け継いでいる。
理性を持たない猛獣は、血に飢えた獣の如く獲物を求め、軍事境界線を越えて執拗にヒロトを追って来たのである。
「ここは俺の出番だ。久しぶりに腕がなる。相手が軍事境界線を越えれば、反撃しても問題はないんだよな」
ケンジがアレスに乗ってハデスを迎え撃つ。
「お前なら出来る、真の実力を見せてみろ」
リックがヒロトの背中を押した。
ケンジの後塵を拝してきたリックの名誉を挽回すべく、幼いヒロトが強敵に立ち向った。
「あの時は手も足も出なかったが、今は違う。勝負だ!」
ハデスと対峙したケンジ、本気モードに入った。
格闘ゲームで更に腕を上げ、衰えるどころか凄みを増したケンジ。因縁の対決にケンジは神業プレイを見せ付けハデスを圧倒する。
そんなケンジの闘いぶりを間近で見たユアとサラの瞳が輝いた。
ヒーローの真の実力を見て感動する二人、「凄い……」の言葉が自然と口から漏れ出る。
素早い斬撃でハデスを倒したケンジの目に、もう一機のハデスが視界に入った。
「ヒロト君には、まだ荷が重いか……いや……」
ヒロトの持つ潜在能力を感じ取ったケンジが、彼の闘いぶりを見守った。
「強い、強過ぎる……俺は負けるのか? いや、父さんのためにも、絶対に負ける訳にはいかないんだ!」
敵を睨み付けるヒロトの集中した視線が、ハデスの未来の軌跡を捉えた。
見える! 敵の動こうとする行動が――。
心眼の開眼。
ヒロトのビームサーベルがハデスを切り裂き、勝敗は決した。
戦いは終わり、二機のハデスは牙を失った獣のように、闘争本能を無くして移動要塞へと帰って行った。
「サラさんだっけ、ご免ね、危険な目に遭わせて。君を誘ったのは、素直そうだったからなんだ。どうしても外宇宙の情報が欲しかったから、僕の言うことを聞いてくれそうな君を選らんだんだ」
「そ、そうですよね。私なんか、こんな私なんかが好かれる理由は無いですから……」
ヒロトに本当のことを言われ、落ち込んだサラがうつむいた。
「でも、今は違う。好きだよ、サラさん。一方的な言い方で迷惑かも知れないけど、付き合って欲しいんだ」
「つ、つ、付き合うって、こんな、こんな私なんかでいんですか?」
「うん」とヒロトが答える。
まるで夢の中にでもいるような錯覚に陥ったサラが、瞳を大きく見開いてヒロトを見詰めた。
「こいつ、言いたいことはハッキリ言うから戸惑うかも知れないけれど、宜しく頼むわね、サラさん」
近寄ったサヤカが満面の笑顔で言い、
「良かったね、サラちゃん。ヒロトさんは、サラちゃんの理想の男子だもんね」
そばにいたユアが自分のことのように喜んだ。
そんなユアにケンジが声を掛ける。
「ユウマが、ユアちゃんの思っているヒーローじゃなくて、ガッカリしたんじゃないのかい」
「いいえ、ユウマ君は凄いんです。怒りが、ユウマ君を強くするんです。私がこうして生きていられるのも、ユウマ君に救われたからなんですよ」
「へぇ~、怒りがユウマを強くする、か。こいつは滅多に怒らないからなぁ~」
「いいんです。優しいユウマ君が私は好きだから、今のままで十分。優しいユウマ君が私にとってのヒーローなんです」
「だってよ、ユウマ。良かったな、嫌われなくって」
からかって言ったケンジが、ユウマの肩をポンポンと軽く叩いた。
危機は去った。
だが、それは、これから始まる悲劇の序章に過ぎなかった。




