第二十九話 告白
前回のヤンデレ回が短かったのでこっちも一緒に読むといいかもです(`・ω・´)
俺はある行動を取った。頭を撫でても落ち着かなかった藍にやった時は効果はあった。今の花に効果あるかはわからない。俺が思いついた唯一の方法だ。これがだめならバッドエンドだ。
「遼……さん……?」
俺は花を強く抱きしめている。細身の花が壊れそうになるほど強く。おっぱいが柔らかい、花のいい匂い、なんだかクラクラしそうだがそんな場合ではない。
「落ち着いた?話を聞いてくれる?」
「は……い……」
どうにか落ち着いたようだ。さて、ここから花を納得させなければならない。さっきのどうして? を全部答えないとな。それで納得するかはわからない。けど納得させるんだ。
「花ちゃんと聞いてね? 俺は花を避けているつもりはない、なんと言うか花が魅力的で少し恥ずかしいんだ。見ていないわけではない、目を合わせると心臓の鼓動が早くなるんだ。何もしないのは、俺がヘタレだからだ。キスは……見てたのか。あれは桜からやってきたんだ。俺の意思ではない。一緒に寝ないのは、花の体が近いと自分を抑えられなくなるからだ。それと俺は桜を選んだわけではない。花も好きだ。でも桜も同じくらい好きなんだ。今はまだどっちかなんて俺には選べない。選ぶなんて、何様だよって感じだな。最後に、これは強めに言うが俺はものじゃない。誰のものでもない。俺は人だ。これでもちゃんと考えていろいろ悩んでいるんだぞ」
できるだけ柔らかく伝える。俺の気持ちがちゃんと伝わるといいが。伝わらないと納得させられない。俺がようやく踏み出した一歩なんだ。ここから始めるんだ。
「………………」
「………………」
沈黙。俺が何か言うべきなのか? いや、ここは花の返事を待ちそれ相応の答えをしなければならないのだろう。ただこんな状況でも胸の柔らかさと匂いで元気になりそうなんだ。できれば早く何か言ってほしい。
静寂が包む。五分たったか十分たったか。もしかするとまだ一分もたっていないのかもしれない。時間の感覚がおかしくなりそうだ。そんな中、ようやく花が口を開いた。
「遼さん」
花が抱き返してくる。俺のように強くではない。包み込むように優しく。俺も少し力を緩める。痛かったかもしれない。苦しかったかもしれない。だが謝罪は後だ。
「遼は私も桜も好きだなんて、欲張りなんですね」
そうかもしれない。今の俺はどっちも選べないしどっちも捨てれない。両方を取りたいのだ。でもそんなこと誰も許しはしないだろう。
「私は私だけを見てほしいです」
あぁそうだろうよ。普通誰だってそうさ。二股なんてかけたらその時は楽しいかもしれないが誰も幸せにはならないと思う。だから俺も伝えなきゃ。
「花、俺は花と桜にひどいことをしている自覚はある。全部俺が決められないのが悪いんだ。でもわかってくれ」
そう、全部俺が悪い。はっきりとしない態度で二人を惑わしている。このヘタレで何も決められない俺が。俺が俺を全力で殴りたくなる。そうか。花火大会の会場でのイライラは周りの連中だけじゃなく俺自信にもイラついていたのか。
「遼さんは私か桜、どちらかを選ぶんですか?」
「まだわからない」
二人とも好きだ。でも俺が二人を好きでいつ続けることは二人を傷つけることになる。今でもそうなのだ。傷が深くなるだけだ。それなら二人とも選ばないという選択肢もある。みんなで友達として仲良く。いやその場合、友達にも戻れないし仲良くはできなくなるだろうか。
「私が選ばれる未来もあるんですか?」
「うん」
「私が……選ばれない未来もあるんですか?」
「……うん」
「それは……嫌です」
「……ごめん」
「私を選んでください」
「……ごめん」
「……………」
「すまない花。こんな俺を好きになってくれてありがとう」
これは今の俺にできる最大限の敬意だ。今の俺にはこれ以上の言葉を言えない。言ってはならない。そして俺はここで絶対に言ってはならないことをこれから言う。
「時間をくれないか?これは“お願い”だ」
ピクっと花が一瞬震える。そして優しかった抱擁に力を増す。背中に爪が立てられる。
そうこれは“お願い”だ。あの約束は花の願いを聞くだけではない。俺が花を助けた時、花も俺の願いを聞く。そういう約束だった。そして俺は今日、十分に花を助けているはず。花もそれに気づいてこんな反応をしているに違いない。
「遼さんは……ずるいです」
涙声で花は呟く。女の子を泣かせるなんて俺は最低な男だ。花はしばらく黙り込んだ。俺は花を待つ。また沈黙。いや、たまに嗚咽が漏れる。
「わか……り……ました」
しばらくして花は口を開き、力を緩める。そして手を俺の胸に置き、俺達の間に少しスペースを作った。俺は花を見るがまだ俯いたまま。
「桜もやっていたんだし、私もこれでおあいこです」
花が何かを呟いたあと顔を上げ、目を合わせる。泣いたあとで目が赤い。ものすごい罪悪感に苛まれる。顔を背けたくなる。でも逃げてはいけない。そう思っていたが花が目を閉じる。そして……
「っん!?」
唇を塞がれた。優しい口付け。桜の時と違い女の子のいい匂いが一緒に襲ってくる。俺の胸にあった手はいつの間にか俺の頭に回されている。これでは動けない。
しばらくキスが続き花が唇は離す。熱い吐息が俺の顔にかかる。すごく艶かしい。
「今はこれで我慢しておきます。桜だけなんて私は納得いかないです」
花は笑っていた。恥ずかしそうに顔を赤らめてはいるがちゃんといつもの花の笑顔だ。ああ、やっぱり花は笑った顔が素敵だ。俺は花のその笑顔が好きなんだ。
「今日はもう寝ましょう。すいません、私が困らせたことをしてしまって」
「いや、花ごめん。その……」
「それ以上は言わないでください。私は桜と正々堂々戦います。ちゃんと遼さんが私だけを見てくれるように私は負けられないのです。それに、遼さんは、私が、魅力的、みたいなことも、言ってましたし……」
花がモジモジしながら顔を赤くして俯いた。いや、目線が俺の下腹部のほうに向いている気がする。まさか……。花、それ以上は言わないでくれないか?俺これでも結構頑張ったんだよ?体が正直なだけだからね!? シリアスな雰囲気だったけど仕方ないよね! だって柔らかいしいい匂いがしたもん! そりゃこんなんなってたら気づくよね、当たってたし。当ててはいないよ、当たってしまったんだよ。でもそれ以上はお願いだから言わないで!
俺の顔から血の気が引いていく。顔が真っ青になっているに違いない。それ以上花が口にすると俺の沽券に関わる。そして赤い顔のまま花が俺と目を合わせる。
「それがちゃんと私が魅力的だと示してくれてます!」
そんなことと女の子がびっきりの笑顔で言うもんじゃありませんよ!? 桜みたいにエッチってだけ言われるより遥かにこっちがダメージ大きいよ! これきっと詩織ちゃんの影響だな!?
「さあ早く寝ましょう!」
顔を赤くしたまま部屋の電気を消そうとする。俺の精神ダメージの回復を待ってはくれないようだ。追撃がないだけまだましである。
「最後に一つだけ言わせてくれないかな?」
回復待ってくれないならそれでもいいが言いたいことが一つある。これは絶対言っておきたい。これが初めての経験だったがこれを最後にしてほしい。二度目は嫌だ。そう願いをこめて花に伝える。
「ヤンデレはもうこりごりだ」
告白って緊張しますよね。
私ですか?振られたことしかありません(笑)
ただ学生時代は結構モテてましたよ。主に他校の子から。
なんで同じ学校の子からモテなかったかって?それは私が授業中に下ネタ連呼するようなやつだったからですよ(笑)
あの頃は若かった。あ、まだ若いですよ。いちおこれでもまだ二十代ですし気持ちは中学二年生ぐらいです。




