↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/27

16.Oooops!

════════════════════════

本花 天夢

════════════════════════

Lv.7 │ 経験値 150/456 │ 無職 創世神

────────────────────────

HP 80/80 │ MP 25/30 │ SP 120/120

────────────────────────

STR 18 │ DEX 15 │ CON 16

INT 15 │ SPI 20 │ CHA 5

────────────────────────

【スキル】

────────────────────────

無機物生成Lv.2 5MP

────────────────────────

【称号】

────────────────────────

【状態】

════════════════════════


「……なんで魅力だけ全然上がってねえんだよおおお!」

落ち着け……問題はそこじゃない……

問題は――


潜入成功から四日目……こちらも数学教師という身分を利用して、あっさり図書館に入ることができた。

まずは強力な魔法を学ぶのが目標だ。

だが……

床中に広げた魔法書の山を見渡す。

……俺のような門外漢に合うものはないのか?


たぶんある。絶対にある。もしかしたら次の一冊の中に。


「天夢~~~今日のおもちゃちょうだい!!!」


いわゆる「おもちゃ」というのは、俺が無機物生成を鍛える副産物だ。

今の俺は一日に六回使える。スキルレベルが上がったことで消費MPも減った。

加えて、あの机を毎日撫で回して感触を研究した結果、木で物を作れるようになった。

もちろん、複雑なものはまだ無理で、木球や木魚みたいな小物程度だ。

今の俺は3Dプリンター以下だ(もちろん離型剤を塗らなくていいしサポート材を外さなくていいのは楽だが)。

だからこそ、もっと殺傷力のある魔法とかを早く見つけなきゃならない。


「ああ、今日のは机の上にあるぞ――」

「天夢!!! なんで風信子だけずるいんだ!!! 俺にもよこせ!!!」


!!!


「オー・ノー! パルティさん! 私は天夢なんかじゃありません! フータです! それは別の誰かのことです!」

「もういい! 知ってるんだからな!」


『知ってるんだからな』……どうする、今ここで手を出すか?


「なんで風信子はあんたのあだ名で呼べて、私はダメなんだよ!!! 俺の方が雇用主だぞ!!!」

「……まあ、好きに呼べばいいさ。」

「俺はこの熊が欲しい!」

「ダメ! これは俺のものだ!」

「俺は雇用主だぞ! 言う通りにしろ!」

「やだやだ! 雇用主でも俺は――」


俺は二人がじゃれ合いながら遠ざかっていく背中を見送る……冷や汗が出た……危うく正体がバレる所だった……


そして「嗔」のこと――後悔している。

なぜか? 風信子が「貪・瞋・痴」の三本のうちの一本だと言っていたからだ!

問題はそこにある!

登場が早すぎる! もう勇者への足がかりとして消費されてしまった!

しかも神器や魔器とかじゃない……ただのシリーズ物の刀剣だ!

俺が持ち上げられないのはもう最小の問題だ……

たぶん、俺の手元にしばらくあるだけで、そのうち誰かに借りられて、二度と戻ってこないだろう。

そういう展開になるのがオチだ。


ともかく、こっちは急がなきゃならない。いつかごまかしきれなくなる日が来る。


———————————————————————————————————


俺は三十七冊目の本を斜め読みした。

「斜め読みした」と言っても正確ではない。ほとんどの本は目次と最初の三ページだけ読んで、この本が俺の人生と「すれ違い」以上の関係にはならないことを即座に見抜いていたからだ。


例えばこれ――『初級元素魔法入門・火の章』――冒頭の一文が「己の体内の魔力の流れを感じ取り、魔素を指先に集めよ」――魔素って何だ? 俺にそんな魔力の流れってものがあるのか? 『マジックマイク』なら見たことあるけどな。


例えばこれ――『精神系魔法基礎』――三ページ目でいきなり「精神障壁の構築方法」の話が始まるが、その前に「精神って何だ」という説明が一切ない。


そしてこれ――手に取ってまた棚に戻した――『死霊術禁忌と実践』――表紙には髑髏が描かれていて、開いた最初のページには血のように赤い文字でこう書いてある:「本法術はLv.30以上の魔法系職業者のみ学習可。私的に修めた者は教会の追跡対象となる。」


俺は腰を伸ばし、首から「ぼきっ」という乾いた音がした。窓の外の光は正午の白から夕方の暖かな黄色へと変わっていた――この本棚の前に三時間以上もしゃがみ込んで、何も学べずにいたのか。


痺れた足を引きずって窓際に歩いていき、両手を窓枠に置いて、冷めたアップルパイを手に取る。

そして裏庭を見た。


「……はあ。」


沈鯨鉄浮はまだ、あの木っ端微塵にした「樹木残骸置き場」に立っていた。

地面には折れた枝、割れた幹、地面にめり込んだ根っこが散らばっている――

そして彼はその廃墟の真ん中に立ち、巨大な両手を広げて、構えを取ったまま、顔を真っ赤にして、その灰色がかった白い髭が夕日の中で燃えるように逆立っている。


隣で、パルティは……まあ、かろうじて馬歩と呼べる姿勢を取っていて、両手を前に押し出している。その形は「戦鯨砲」というよりは「餌を守る子犬が前足を伸ばして器を掻いている」といった具合だ。


「もう一度! 腹を引っ込めろ! 腰を落とせ! 力は腕からじゃない、腰からだ――」

「腰からやってるもん!」

「お前のは腰からか? 首からだ! 全身がエビみたいに縮こまってるぞ!」

「じいちゃんひどい――!」

「もう一度!」


パルティは息を吸い込み、再び馬歩を固め、両手を前方に突き出した――

「戦鯨砲!」


ぶぅぅん――彼女の掌から鈍い音が聞こえてきた。蚊の羽音よりほんの少し大きい程度で、目の前の草むらがかすかな風にそっと揺れて、だいたい三、四本の草がかすかにうなだれた。


「天夢! 終わったよ!」

「おう、お疲れさん。」


「もう一度!」

「戦鯨砲!」

今度は何も起きなかった。


ふん! 本当にバカだな! 何日も経ってまだ一発も覚えられないのか!

俺がここで見てるだけで覚えられそうだぞ!


そう思って、冗談半分に壁に向かって手のひらを突き出してみた。

「Lv.1、戦鯨砲。」


すると壁に大きな穴が開いた。

音が屋敷中に響き渡った。


やばい。今すぐ風信子を連れて別の部屋に移動しよう……

二人の女中が穴から顔を覗かせている。


………………

これで面倒なことになったな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。