17.The orcinus orca
「オー!!!ノー!!!!ミス・ヒヤシンス!! あんた、なんてことをしてくれたんだ!!!」
「えぇ???」
わざと大きな声で叫んだ。屋敷中に響き渡るように。
ヒヤシンスよ、ここでお前とはお別れだ――そういう設定で通すしかない。
「小僧!! こっちへ来い!!!」
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鉄浮が大手を空に向かって一振りすると、天夢はあっという間に空中へ引き寄せられた!
「待ってくれ! 俺じゃないんだ!」
「騙すな! 俺を騙せると思ったか!! お前には我が家の武術を盗み見た代償を知ってもらう!!! Lv.5! 戦鯨砲!!!」
老人が手を構えるのを見て、天夢の頭はフル回転を始めた。
(「Lv.5??? Lv.3であれだけ強かったのに……」)
(「俺は明らかに木より柔らかいだろ……」)
(「どうする? 盾を作って防ぐか?」)
すぐに天夢は角度を調整して、自らも手を差し出した――
「Lv.1! 戦鯨砲!!!」
空中で巨大な爆発が起きた!!!
理由は単純だ。さっき戦鯨砲を放った時に何となく気配を感じ取ったのだ――さらに十年分の漫画と疑似科学雑誌で培った経験と直感が告げていた。戦鯨砲は本質的には爆発する気功砲だ! 接触すれば爆発が起きる!
しかし爆発の煙をくぐり抜けて天夢が見たのは――鉄浮が既に構えを取っている姿だった。拳の構えだ!――天夢の頭をぶち抜こうとしている!
「Lv.5!! 怒 鯨 開 海!!!!」
素晴らしい気迫だ!! 天地を覆わんばかり! 気が長虹を巻き、三界を震え上がらせる!
だが――
「Lv.1! 戦鯨砲!!!」
地面に向けて放つ! 爆発が間一髪で天夢を押しのけた! それで一命は取り留めた!!!
空中で回転し、アドレナリンのおかげで何とか着地したが、足首をひねった。
(「さてどうする? 逃げるか? それとも……」)
相手の首の角度がわずかに変わった! これは天魔が教えてくれた“達人”の証だ!
つまり、いつでも慣性を殺して、相手に隙をさらさないということを意味している!
やるしかない! 勢いと運に任せて!!!
「Lv.1!!! 木刺!!!!!!」
大きな叫び声、強烈な気迫。鉄浮でさえ一瞬たじろいだ!
しかし技自体は――何のことはない、無機物生成で木の杭を一本作っただけだった……
こうしてこの“神技”は鉄浮の一撃によって容赦なく打ち砕かれた!!!! 左腕も一緒に折れた!!!!!
「ぎゃああああ――怒鯨開海!!!」
相変わらず形だけのものを繰り出すが、再び鉄浮に打ち砕かれ、右腕も折れた。
「なかなか根性のある小僧だ!!! 特別にこのまま送ってやろう!!!!」
放たれるはずの頭突きが放たれる前に、天夢の視界は暗くなった。出血多量のせいか、それとも鉄浮の拳のせいか、もう分からなかった。
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魔王城外、仮設避難所。
「仮設避難所」とは言っても、すでにかなりの規模になっていた。
東西に伸びる三本の土道の両側には、新しく組まれた木造の家々が並び、屋根には刈りたての茅葺きが施され、まだ青い草の匂いが漂っている。どの家の入り口にも番号札が掛かっていて、001から607まで、整然と並んでいる。まるで検閲を待つ軍隊のように。
相沢悠斗は、中央の道をゆっくりと歩いていた。
時折、村民が彼に気づくと、遠くから一礼して足早に立ち去っていく。親しみもなく、かといって距離を置くわけでもない――この距離感がむしろ彼には心地よかった。
「基礎が二寸高くなっている。昔のエル村の家よりずっといい。少なくとも雨が浸水することはない……ただ、整いすぎだな。」
道の突き当たりにある、半ば枯れた老橡の木の下に、二人の人影が立っていた。
一人はイビゴラン――白い修道服に、フードは頭の後ろに倒してあり、彼が四年間見続けてきたその顔が露わになっている。彼女は木の夾板を持っていて、そこに何枚かの羊皮紙が挟まっている。おそらく物資の在庫を確認しているのだろう。
そしてその向かいには――一人の女が立っていた。背中から見ると三十代半ばといったところか? 茶色い長い髪は後ろで緩くまとめられ、数本の髪が耳元に垂れている。ごく普通の灰青色の粗布のスカートを履き、腰には色あせたエプロンを巻いている。
姿勢はリラックスしていて、卑屈でもなければ傲慢でもない――片手を伸ばして、イビゴランの肩を軽く叩いた。
イビゴランが笑った。
彼は数歩近づき、足元の砂利が音を立てた。
イビゴランが顔を上げ、彼を見つけると、その笑みはさらに広がった。彼女はその女に何か声をかけると、女は振り返って彼の方を一瞥し、軽く会釈してから、別の路地へと歩いていった。
「視察は終わったのか?」
「だいたい回ってきた。思ったより悪くない。排水溝は誰が設計した?」
「銅槌が昔描いた図面だよ……俺が掘り出したんだ……彼がまだ生きてた頃に避難所の計画図を描いてたんだが、その時は使われなかった。ずっと取ってあったんだ。」
「……あいつはいつも必要より三分の一多く余裕を見て描く奴だったな。茅葺きは足りてるか?」
「足りてる。二か月分は事前に確保してある。カトランドのドワーフ商隊が明後日、もう一便木材を運んでくる。」
二人は並んで土道を村の外へと歩いていった。屋根を葺いている最中の家々を通り過ぎ、入り口で薪を割っている二人の村民が顔を上げて彼らに軽く会釈し、また作業に戻る。
「さっきの女は誰だ?」
イビゴランは顔を横に向けて彼を見た。口元の笑みが少しだけ引っ込んだが、完全に消えることはなかった。
「当ててみろよ。」
「言え。」




