1幕 間話 「出会い」
ひどい雨だった。地肌に当たる雨の冷たさと、全身を蝕む様な気持ち悪さが小さな体の彼に動く気力も起こさせず、ただ木に背をもたれさせていた。疲れがどっと押し寄せ、眠気を誘う。このまま瞼を閉じたら眠ってしまい、死ぬ。そう悟る。でも、この辛さから解放されるのもいいだろう。彼はそう思い、静かに目を瞑る。心地よいひと時、意識がだんだんと遠のいていく。
近くから水面を蹴る音が聞こえ、遠のいていた意識も瞬時に現実へと引き戻される。瞼が重く、目を開けられない。ふと、違和感を覚える。雨が止んだのか、雨粒の衝撃が来ない。だが、雨の降り頻る音は耳に入ってくる。なぜだ?そう思い、無理やり瞼を開くと、目の前には彼と同じ位の赤髪の女の子が立っている。即座に睨み、威嚇する。そんな威嚇を女の子はモノともせず手に持っている物で彼に迫る雨を遮ぎ続ける。不気味な事に女の子は何も話さず、外見も、髪が乱れており、服もボロボロ、何より目に光が感じられなかった。
「*********?」
女の子が初めて喋る。聞き覚えのある声だが言葉が分からず、何を言っているか分からない。
「****、*****ッ!!」
女の子は急には持っていた物を放り投げ、彼へと抱きついてきた。攻撃かと思い抵抗しようとするが、体は動かない。
「がぅ!!うがぁう!!あがぁッ!!!」
ただ、吠えるのみ。女の子は抱きつきながら嗚咽を漏らす。
「***!!****!」
野太い男の声が聞こえた。男は泣いている女の子をそっと彼から離した。
「***、********!!******。
*******。」
男もまた、何かを言うと身に付けていた布を彼に被せる。
「**************?」
「うがぁっ!!!あぁがぁ!!!うぁあ!!」
体が熱い。視界がぼやけてくる。元々意識を保つのが精一杯だったため、限界がきたのだ。
「**、*******?****!***、
*********!」
「********!!*****、****!!」
女の子と男の声が遠ざかる。この時、最後に見たのは女の子の今にも泣きそうな顔だった。




