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003 冒険者デビュー&初仕事

 30分ほど待っただろうか。作業が完了したようなので、窓口へ向かう。マーガレットという名前の職員さんから冒険者カードを受け取る。本人確認をしないと使えないので無くしても問題は起こらないが、再発行に手数料がかかるし色々面倒な手続きがあるから気をつけろとのこと。次に冒険者のシステムと心構えについて説明された。なかなかボリュームがあったが、はっきりしていて分かりやすかった。内容は大体こんな感じ。

 システム面

 ・ランクはF~A級に分かれていて、討伐実績に応じてランクが変動する。上のランクになると受けられる依頼の幅が広がり、また報酬も増える。Bランク以上になると、市民からの知名度もあがり、飲食店などで優待を受けられることも。

 ・報酬を受け取るのは大きく分けて2つの場合。一つは依頼を達成したとき、もう一つは魔物を倒して得た素材を売却したとき。

 ここまではまあいわゆるテンプレってやつだ。ちょっと特殊なのは、

 ・不慮の事故以外で死にかけるようなことがあった場合、ランクダウン等重いペナルティが課される。無茶は許さない。

 要はいのちだいじにってこと。


 心構え

 ・危ない所には行くな、例えば森には行くな

 ・それでも危ないところに行くときは必ず先輩冒険者と共に行き、一人で行動するな

 ・いつでも逃げ出せるように準備しろ、安全第一で動け

 ・とにかく森には行くな

 ・日が暮れる前には帰ってこい

 ・やっぱり森にはいくな

 マーガレットさんはとにかく森に行くな、と繰り返した。危険は冒さない、「冒険」はしない。要はそれだけなのだが、これくらいシンプルに、何度も伝えないと冒険者の気持ちは止められないのだろう。


「以上で説明は終わりです。装備はすでにお持ちですか?」


「持ってないです」

やべ。ねえじゃん。買うとして金足りるかな。宿の予約取るの後にしたらよかった、、


「き、聞いてますか〜?」

マーガレットさんからの呼びかけ。また考え込んじゃってたな。


「こちらでは初心者の向けの装備セットを売っていますが、いかがですか」


価格は500G。購入することにした。剣、盾、防具、素材入れのセットだ。今の俺には非常に痛い出費だが、死んだら元も子もないし、セットであることを考えると非常にリーズナブルだ。死んで欲しくないというギルドからの強い思いを感じる。さて、これでいよいよ冒険者の仲間入りだ。


「お買い上げありがとうございます、装備のサイズは合ってますか?」


「これで良さそうです。早速初仕事に行っても構わないですか?」

もつ所持金が100Gしか残ってないので、かなりマズイ。


「いいですよ〜。左のボードに依頼が貼ってあるので先に見ておいてください」

 ということで依頼探し。ドラゴン討伐といったロマンの塊のようなものもあるが、A級以上のみ挑戦可。まさに天上の存在、高嶺の花である。D級で挑戦できるのは平原での魔物の討伐と素材集めのみ。どちらも常設なので、依頼を剥がす必要はない。早速向かってもいいが、先に腹ごしらえをしておこう。宿でもらった弁当をいただく。うん、やっぱりうまい。さ、行きますか。


「森へは入らないでくださいね!!!」

扉を開けようとすると、そう言われた。分かってますよと会釈し、外へ出た。


 =====


 関所を出て、10分程歩いただろうか。周りに商人なども見当たらなくなったし、ここらで狩っていくことにする。左にゴブリンの集団を発見。一気に距離を詰めて斬りかかる。正直弱い敵なので、一撃ずつ与えたら確殺だ。剣の切れ味もそこそこだが、最初に拾った秘石を使い即席で作った槍には及ばず、真っ二つにはできなかった。モンスターは魔石をドロップするようなので探す。小さな青い透明の石がそれらしい。これが冒険者の稼ぎになる。


 引き続き平原を歩きつつ狩っていると、大きなモンスターが見えた。身長2mくらいで、恐らくオークだろう。初めてのゴブリン以外のモンスターとの遭遇。群れからはぐれたのだろうか、一匹のみのようなので、いざ戦闘へ。


 まずは走って距離を詰める。武器を持ってないのが見えたので、一気に駆け込んで脇腹へ一閃。肉を切り裂く感触があったが、あまり深くは切れず。腕を振り払ってきた。後退しつつ盾で受け止める。うまく守れたが、そこそこ痛い。オークの方にもダメージはあるのだろう、追撃はしてこない。意を決して再び突っ込む。太い腕を今度は避けることに成功。隙が見えたのでカウンターを打ち込む。やったか!?


 オークからの反撃はこない。が、突如後ろを向いて走り出した。逃がすか!追いかけて、隙まみれの背中にトドメ。ようやくオークは倒れ、魔石をドロップした。あーしんど。


 周囲に他のモンスターはいなさそうなので、一旦ステータスチェック。


 name:木下翔太

 age:18

 lv:99[max]

 exp:124

 HP:65 / 112 MP:99 / 99

 攻撃:99

 速度:99

 魔法:99


 スキル 1 / 1[max]

 回復魔法lv1


 やっぱあの被弾でHPごそっといかれてるな。もう一発食らってたらかなり危なかった。オークの経験値は100か。ゴブリンが1だから差は圧倒的だ。攻撃力を上げてオークもワンパンできるようにしたいな。


 とりあえず回復魔法を使用。lv1だと”小回復”しか使えない。2回使うと完治した。MPが40減っていたので、一回20MPかかる模様。また、装備についた汚れも消えていたので、浄化作用もあるっぽい。入手した経験値だが、HPをオークの攻撃2回分くらい上げて残りは攻撃に振る。


 exp:124→0

 HP:112→195(+83)

 攻撃:99→140(+41)


 初日の戦果としては十分だろう。気づけば森のすぐ近くまで来ていた。森には何体かオークの影が見え、経験値旨いし今のステなら楽に倒せそうだよね、と誘惑に駆られる。だがマーガレットさんからの言いつけを守って帰ろう。日も傾いてきたしね。


 ゴブリンと何度かエンカしたが、ステが上がったおかげですべて真っ二つにした。特に何事も起こらず街へ帰り着く。守衛さんに冒険者カードを見せ、スムーズに中へ。報酬が気になるが、疲れもあるので宿へ直行。飯を食い、シャワーを浴びたら、もう寝てしまうことに。こんなに早く寝るのはいつぶりだろうか、すぐ眠りについた。

お読みいただきありがとうございます。


森の誘惑 VS マーガレットの言いつけ

今回は誘惑に勝てましたね。

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