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002 冒険者の仲間入り

 おはよう。よく眠れて、疲れも取れている。HPも全快していた。支度して広間へと向かう。朝食はサラダにパン、それとスープだった。夕食の時も思ったが、この世界の飯は日本と大差ないようだ。楽しく食事し、栄養もキッチリ補給できるのは非常にありがたい。強いて言うなら甘味が欲しいところだ。生活に慣れてきたら自作したいね。


 少し休憩して、宿を出る。快適でよかったので、チェックアウト時に一週間分追加で予約した。飯を美味そうな表情で食べていたから、と昼食用に弁当をサービスしてくれた。


 悩んだが、結局は冒険者になろうと思う。他に仕事のあてなんてないし、やっぱり冒険者への憧れを捨てきれない。命の危険もあるが、なんせロマンがある。何より、冒険者になれという女神からの無言の圧力を感じる気がするんだよな、、まあ高HPに回復魔法もあるから、最悪逃げるくらいはできるだろ。


 そして冒険者ギルドへ到着。昨日と違い朝一で来てるから比較的穏やかなはずだ。扉を開け中に入る、、、ことはせず覗くだけ。うっわ昨日話しかけてきた奴真正面にいるじゃん。これ避けれそうにないな。引き返そうとも思ったが、どうせ他に行くとこもないのだ。覚悟を決め、中へ足を踏み出す。


「おはようございます!!昨日は逃げちゃってごめんなさい!!!」

 先手必勝。さあ、どうなる??


「おはよう。前は驚かせて悪かったな。新入りか?」


「はい、新入りです」

 会話がつながって安堵。訛りも問題なく聞き取れる。


「そうか、なら奥で冒険者登録をして来るといい。俺はB級のガウェイクだ。何か困ったことがあれば相談に来い」

 ガウェイクさん、多分結構優しいタイプの人だ。やっぱ見た目で判断しちゃだめだな。


 ということで窓口へ向かう。既に討伐に出かけているのか、人はあまりおらずがらんとしており、他の冒険者に話しかけられることはなかった。職員さんに要件を伝えると、別室に案内された。職員さんはみな華奢な女性だったが、屈強な冒険者達は怖くないのだろうか。クレーマーとかどうしてるんだろ。


 考えているうちに部屋へ着いた。まるで独房のように狭い。聞いてみると、冒険者のプライバシーを保護する目的があるらしい。ステータス等は機密情報として厳重に管理されている。まずは軽めの面接から。年上の女性と話すの緊張するなー、なんて思っていたが、彼女は去り代わりにおっさんが来た。少しハゲていて、優しい人柄なのが表情から伝わってくる。面接はこの人が担当するっぽい。残念無念。


「まあそうがっかりすんなって。気持ちは分かるけどさ。”鑑定”で嘘を暴けるのが俺しかいねえから仕方ないのよ」

 気さくなおっさんという感じだな。話しやすそうだしまあいいか。


「それじゃあ、本題に入ろうか。紙を渡すから、これに今の自分のステータスとスキルを書いてくれ。嘘はわかるから、正直に書けよ?」


 紙とペンを渡された。実際の数値を書きたいところだが、流石にカンスト越えの数値を書くと面倒な事になりそうだ。ステータスを開いてチェックしているフリをしつつ悩んでいるが、そろそろそれも限界だ。


「正直に書けとは言ったが、秘密にしたいところは空欄でも構わない。まあ数値も大体で書いてくれたら見逃してやるからさ。冒険者なんて見栄張ってナンボってもんよ」

 なんとなく察してくれたのだろう、おっさんから助け舟が。そういうことなら、とステは全部75で記入し、スキルも書いて提出。


「全ステ75か、、なかなか攻めた数値を書いたねえ。スキルは回復魔法か。悩んでたところ見ると他にもスキルもってそうだし、そこ加味すればギリ許容か、、??」

 紙を見たおっさんは考え込んでいるようだが、独り言がデカいタイプなのか、筒抜けである。まさかステを低く書いていて、スキル一個しかもってないなんて思いもしないだろうな。と、おっさんが咳払い。結論が出たようだ。


「名前は、ショータ君といったか。なかなかいい度胸してるじゃないか。その性格、結構冒険者向きだぜ?じゃ、結果から先に言う」


「君の冒険者登録を承認する。D級からのスタートだ。能力的にはC級でも行けそうだが、一応大事をとった。各種手続きがあるから、しばらくロビーで待っていてくれ」

 ヨシ、就職成功。おっさん、いやこれからは敬意をもっておっちゃんと呼ぶこととしよう。


 おっちゃんに感謝を伝え、部屋を後にする。

「威勢のいいのは良いことだが、暴走はするなよ。もしすぐに死んじまうなんてことがあったら、承認した俺のクビも飛んじまうからさ。ま、君には才能があるから、頑張ってくれよ?」

 最後におっちゃんはそう言って、冗談交じりに励ましの言葉を掛けてくれた。ハゲだけに。


「勘違いしているようだからひとつ言っておくが、俺はまだハゲてないぞ。決して」

 心を読まれた!?これが”鑑定”の力なのか。

特にそんなことはないです。彼が敏感になっているだけ。


お読みいただきありがとうございます。

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