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ゾンビだらけの終末世界でおれたちわりと無双界隈  作者: 卯月


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49/54

第49話 レベルアッ―――!プ

「やるぜジルヴァ。おれは大した男じゃねえが、無責任な人生をおくるにはちょっとばかり苦しんでいる人間を見すぎた。やれることがあるんだから、やらなきゃいけねえ気がする」

「いいのね?」

「おうっ、お前らも手伝ってくれるんだろ?」


 おれの言葉にジルヴァは苦笑し、紫織はウンとうなずきながらにぎりこぶしを作った。

 

「さあ、やってくれ」

「ええ、じゃパンツ脱いで」


 一瞬頭の中が真っ白になった。

 聞き間違いをしたのかと。


「手っ取り早くちょうから隅々(すみずみ)まで浸透しんとうさせるわ。ホラはやく」

「えっいやちょっと」

「紫織! そいつ捕まえて!」

「はい!」


 逃げ腰になるおれに紫織がしがみついてくる。

 ジルヴァが後ろから手を回しおれの腰のベルトをカチャカチャはずしはじめた。

 

「おわあ脱がすなー!」

「カズヤさん往生際おうじょうぎわが悪いですよ、さっきのセリフはウソだったんですか」

「いやこんな展開はきいてねえ!」


 反論している間もジルヴァは手際てぎわよくおれのズボンとパンツを下ろしていく。

 なんでそんなに手慣れてるんだよ!

 しりにヒヤリとした冷たいものが当たって、おれは身体をビクンと跳ねあげた。


「うわちょっと、ちょっと待って」

「はじめてか? 力を抜けよ?」

「明らかにふざけてんだろお前ら! 絶対ほかにまともな方法がアッ―――!」


 すぐノヴァからメッセージが届いた。


『超上級天使『水銀』のメルクリウスの攻撃を耐えしのぎ、プレイヤー・カズヤの『エリクサー』がLV2にアップしました。おめでとうございます』


 アッ―――という間にレベルを上げられてしまいました。


 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


 当然すぐに鉄男の治療が行われた。

 おれたちは緊張しながら冷凍睡眠コールドスリープを解除する。


 プシュー!


 気圧の関係なのか解放された冷凍カプセルが大きな音を立てる。

 ゆっくりゆっくりと大きなカプセルが解放され、鉄男が目を覚ました。


「…………」


 鉄男はボンヤリとした表情で周囲にいるおれたちを見る。

 次に自分の手足を確認した。

 そして再度おれたちを見る。今度は顔つきに人間らしい知性の光が宿っていた。


「あれから何年たった?」


 まともな日本語である。

 鉄男はもうゾンビじゃない。おれはそれを確信する。

 嬉しくって、おれはニヤけた笑顔でふざけてしまう。


「残念ながらまだほんの数か月しかたってねーんだわ。五十歳になった紫織ちゃんとあんたを再会させんのがおれの夢だったのにな」

「まだそんなこと言ってんの!?」


 紫織から思いっきりツッコミがはいった。


「ホントにもう、あれから大変だったんだよ! 毎日毎日ゾンビ相手にドンドンバンバン撃ちまくって戦って!」

「ああ、悪かったな」

「だんだん銃を使うのもなれてきて、ゾンビとかもわりと平気になっちゃって、色々な人と知り合ったり、死んじゃったり、ほかにも色々、色々……」


 だんだん紫織の言葉が支離滅裂しりめつれつになっていく。

 これは理屈じゃない、感情の話だ。

 期間としてはほんの数か月間でしかない。

 だが濃密な数か月だった。

 本当に色々なことがあった。

 さんざん苦しい目にあったのに、紫織は文句も言わずよく頑張ったよ。

 すべてはお兄ちゃんを助けるために。

 本当によく頑張った。


 兄にすがりついて泣き崩れる紫織。

 おれも感無量かんむりょうだ。

 むずかしいギリギリの死闘ばかりだったが、あきらめなくて良かったぜ。

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