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シナリオ34 深森の盗賊王

《『封印の短剣』品質:200 術式:封印(使用済み)》

《『強奪の剣』品質:4500 術式:自動修復、成長、魔法吸収 特殊効果:この剣で命を奪った対象が持っていた装備者の未所持スキルをランダムで1つ奪う》


 1つ目が落ちているナイフで、2つ目が盗賊の持っているやつだ。

 恐らくナイフの封印とかいう効果で智龍ちゃんの何かしらが封印されて本来の力が出せなくなってしまっているのだろう。

 で、そうなっているところで盗賊は剣によって命を奪い、何かしらのスキルを奪うというつもりなんだろうな。

 とりあえず俺が持ってきた宝物庫の剣を使わない理由が分かった。条件が分かるよりも、1つだけとあ冷え確実に奪える方が得だろう。特に、他者の命を奪うペースが早い盗賊であれば。

 まあ、当然ながら智龍ちゃんの命を奪われるのも困るしそこで奪ったスキルによりさらに盗賊が強化されるのも困るので、


 「やらせませんよ!」


 「おっ。戻って来てやがったのか、ガキ」


 俺が間に入って振り下ろされる盗賊の剣を受け止める、ということはさすがに距離的な問題もあり間に合わず。その辺に落ちてたナイフを盗賊に投げてその攻撃を中断させた。

 シナリオ達成ボーナスでこういう投擲系のスキルも持っていたから外すこともないし、安心して投げれたな。投擲系スキルなどゴミ捨てくらいでした活用機会なんてないと思っていたが、思わぬところで出番が来るものだ。


 「ヴェ、ヴェン!おぬしには厳しい相手じゃぞ!逃げよ!!」


 狙いを俺に定める盗賊を見て、智龍ちゃんがそんな言葉をかけてくる。

 しかし、倒れた状態から起き上がることも、というか動こうともする気配が見られない。この状況で俺を逃がしたいのなら、1つでも盗賊に対して強力な攻撃を行って足止めをするべきだというのに。


 「何かしらの状態異常ですかね?麻痺はほぼ確定していると考えていいでしょうけど」


 「おぉ~。ビンゴだぞガキ。状態異常だ………だが麻痺ではなく、封印だけどな。俺の部下が使った短剣は命を代償にする代わりに強力な封印を施せてな、会話以外の運動とスキルと魔力をすべて禁じることができんだよ」


 「へぇ。それは恐ろしいですね」


 封印の効果があることは分かっていたのだが、あえて麻痺という選択をした。

 こうすることで俺が装備を見抜けていないと思わせたかったからな。できるだけ自分の情報は隠し、相手の情報は知る。それがあらゆる戦いにおいて重要だ。

 そんな風に圧倒的な格上を前にしてこすい手を使う俺に、盗賊は剣を向けてくる。


 「さぁ。やろうぜガキ。テメェが終わればあとはそこのドラゴンをさばくだけの簡単な作業だからな。しっかりと俺様を楽しませてくれよ?」


 「楽しませるような戦いはしたくないですねぇ」


 俺も剣を構えなおす。格上相手だというのに、相手の者より質の劣る剣を。

 その瞬間だった。


《シナリオ所持者同士の戦闘が開始されます。開戦時の構図は『智龍の使徒』『潜みし古龍』VS『深森の盗賊王』です》


 「っ!」


 頭に流れてきたアナウンスに俺は息をのむ。


 「ん?どうした?ビビってんのか?」


 しかし、目の前の盗賊はたいして気にしていなさそうな顔をしている。いや、気にするというより元から認識すらしていないような反応だ。

 今のアナウンスを聞く限り、俺と智龍ちゃんと目の前の盗賊はおそらく全員がシナリオのスキルの所有者。だからこそ、特殊なアナウンスが流れたのだと思うのだ。

 しかし、盗賊もその後ろにいる智龍ちゃんも気にした様子がない。ということは、俺にしかアナウンスは聞こえていないということ。それはおそらく、このシナリオとして聞こえる音声が転生者である俺にしか聞こえないということなのだと思う。

 何せ、シナリオなんて言うスキルはこの世界では隠しスキルとして世間に公表されていないし、確認するための手段も聞いたことがないからだ。


 「あなた、転生者ですか?」


 「あ?なんだそれ?」


 俺は一応確認するために盗賊へと質問してみるが、盗賊は不思議そうにするだけ。恐らく違うのだろう。

 奥の智龍ちゃんも不思議そうにしているので転生者ではない。

 ということはつまり2人とも現地産(この世界で生まれたということ)で、俺のような転生者とはまた違ったタイプの、というか、こっちこそが本物のシナリオに選ばれた主人公と気うことなのだろう。

 ただ、俺とは違ってシナリオというものを認識すらしていないと思うが。


 「いや、違うならそれでいいです。もしそうだったら手加減しなければならないというだけですので、お気になさらず」


 「あぁ?よく分かんねぇけど、手加減ってテメェなめてんのか?ちと格の違いってもんを思い知らせてやるよ!」


 別にそういった意図で言ったつもりではなかったのだが、手加減という単語が気に障ったようで盗賊が俺へと距離を詰めてくる。

 今まで見たことがないほどの速度で振り下ろされる剣を俺はどうにか受け流しつつ、反撃に魔法を放つ。


 「おぉ~良いもん持ってんな。俺の部下やったときも思ったが、テメェの魔法は何なんだ?普通に一流だぞ」


 「何なんだと言われましても普通の土魔法ですけど」


 「何が普通だ!ぜってぇ普通じゃねぇ!威力も精度もおかしいだろ!………が、そこまで土魔法極めてんなら、土魔法一辺倒ってことだろ?残念ながら俺に魔法は効かねぇぞ」

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