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シナリオ33 装備鑑定

 「なぁ。あのガキ何だ?ここまであいつ1人も俺の部下通してねぇぞ」


 「それは妾に言われても分からんのじゃ、妾が鍛えたわけではないからのぅ」


 「マジで?あいつお前が鍛えたわけじゃねぇのにあんなに強いのか?いったい何なんだよ」


 「妾の村の住人としか言えんのぅ。いたって普通の村人の子供のはずなんじゃが」


 「絶対普通じゃないだろ!なんで普通の村人の子供があんなに強くなるんだよ!!」


 俺が魔法で眠らせてそれが聞かなければ仕留めるというのを淡々と繰り返す中、智龍ちゃんたちは楽しそうに会話しながら戦っていた。

 かなり普通にしゃべっているように聞こえるが、実際に行われるのは激しい攻防だな。

 盗賊が曲がった剣で斬りかかり、それを智龍ちゃんが爪でそらしたりしつつ反撃のしっぽを繰り出す。さらにそれを盗賊が避けて蹴りを入れるが、智龍ちゃんには大した効果がないようでそのままデコピンのようなものを食らい弾き飛ばされた。

 観た限りやはり智龍ちゃんの方が優勢で、智龍ちゃんが無傷なのに対し盗賊側はボロボロ。


 「あれだけ強くても智龍様には敵わない、か。良いね」


 俺は村の安泰を感じつつ、進んでいく。そしてついに、


 「おぉ。ビンゴ」


 ボスの部屋っぽい場所に隠し部屋を見つけ、その先にある宝物の数々も一緒に見つけた。

 多くあるのがやはり金であり、合計すればそこそこの金額になるのであろうことは分かる。

 ただそれよりも俺が欲しいものは、


 「良い武器と防具なんだよなぁ~。あと、軽くて高い物」


 さすがにここのお金をすべて俺が持っていくのには重すぎる。だから、できるだけ金にするのであれば軽いものが良い。

 そしてやはり智龍ちゃん以外の部分で村の武力を高めるには武器や防具が必要であり、ここにある質が良かったり特殊な効果がついていたりするであろう武器防具は必要だ。


 「ただ呪いのかかったものとかは怖いよな。ということで、ここで役立つのがご褒美でもらった『武具鑑定』」


 初出し(男爵の装備をはぎ取ったときに実は使ったけど)のスキル、武具鑑定。

 これは転生時に神を名乗る最低で○○○なやつから、聞き分けがよかったということ貰ったご褒美のスキルの1つ。

 効果としては名前の通り武器や防具といった武具の鑑定ができるというものだ。質の良し悪しから、それに刻まれている術式やかかっている呪いなどを見ることができる。

 今までは自分が作ってきた武器や防具などの出来を確認するのに使っていたが、今回初めて効果付きの武具を鑑定することになる。

 ということで鑑定結果(ごく一部)が、こちら。


《『強欲の剣』品質:1210 術式:自動修復、成長、魔法耐性、吸魂 特殊効果:この剣で命を奪った対象が持っていたスキルの獲得条件が分かる》

《『血濡れの鎧』品質:5640 術式:自動修復、成長、ダメージ耐性、ダメージ反射 呪い:吸血 特殊効果:鎧の表面にある微弱な吸血能力により鎧に着いた血液を吸収することで成長する》


 観た限りこれらが1番質のいい武具なのだが、はっきり言ってチートだ。というか、成長とかいう能力がある時点でもうチートでしかないよな。

 参考程度に俺が村人たちのために作った剣の鑑定結果を出しておこう。


《『粗鉄の剣』品質:120》


 これだけ。俺の作った剣なんてこれだけなのだ。

 これだけでも小さな村が持つには過剰な装備であるというのに、その何倍もの品質で特殊効果や術式やらが刻まれている武具が俺の目の前には存在している。

 俺の今までの努力って何だったんだろう、という感じだ。

 そして何より、


 「これほどの装備を置いたままにしているということは、あいつの武器はそれ以上の可能性が………」


 そう考えた瞬間だった。


 「グオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」


 びりびりと空気が震える咆哮。

 それは聞き覚えのある声であり安心できるもので、しかしながらどこか焦りを感じさせるものだった。まるでその方向は、何かよくないものを遠ざけるような………。


 「智龍様!」


 俺は宝物庫から飛び出し、智龍ちゃんの元へ向かう。

 間違いなくあの咆哮は智龍ちゃんの物であり、そしてその咆哮は絶対的優位な状況から来る勝利の雄たけびとは違うもの。何かが起きている。


 「クハハハッ!ざまぁみやがれ!テメェみたいな傲慢でプライドの高い孤独な奴と違って、俺様は仲間がいるんだよ!油断したな!!」


 「ぐぬぅぅぅ!!!」


 俺が戻ると、そこには力なく倒れ伏している智龍ちゃんと、その智龍ちゃんの前で剣を振り上げている盗賊がいた。

 いや、それだけではない。よく見て見ると、1人だけ智龍ちゃんの後ろで倒れている者もいる。

 つまりそいつは、俺が戦いの邪魔をさせないようにと盗賊の部下たちを倒していたのをすり抜けてそこまで行ったということだ。

 そんな隠密能力が高かったのであろう盗賊の近くをよく見ると、黒いナイフが転がっていることに気づく。

 なんだか嫌な予感がしてそのナイフと智龍ちゃんへ振り下ろされようとしている剣を鑑定してみれば、


《『封印の短剣』品質:200 術式:封印(使用済み)》

《『強奪の剣』品質:4500 術式:自動修復、成長、魔法吸収 特殊効果:この剣で命を奪った対象が持っていた装備者の未所持スキルをランダムで1つ奪う》

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