彼らは無実なのに、なぜ殺したのですか?
暗い。
洞窟に入って最初に目にしたのはそれだった。残っているわずかなマナを使い、私は手のひらに光の球を作り出した。色は淡く、大きさも手のひらほどしかなかったが、少なくとも道を照らす灯りにはなった。
洞窟の入口から数歩進んだだけで、血と湿った土が混ざった刺激臭が鼻を突いた。その血の匂いの出どころを知っていたが、必死に無視しようとした。
キィィク… キィィク…
何度も何度も。その甲高い音が途切れることなく響いていた。小さなモンスターの咆哮というより、空腹の雛鳥の鳴き声のようだった。
「アリシア…その声って、もしかして…」
私は弱くうなずいた。「可能性はある。見てみましょう。」
私たちの足取りはまだ半ば引きずるようだった。私は依然としてクレアに支えられており、彼女の手も先ほどから震えが止まっていない。少しでも空気を和らげようと、私たちは何気ない会話を交わした。途切れ途切れで弱々しくても、それを楽しんでいた。
数歩進むと、薄い影が遠くに見えた。近づき、私は光の球をそちらへ向けた。
すべてがはっきりした。
円形に根と枯れ葉が積み重ねられた巣の上で、三匹の小さな子猫のような生き物が丸まって鳴いていた。言わなくても分かった。先ほどのモンスターのつがいの子供に違いない。
三匹ともまだ幼い。金茶色の毛は柔らかく乱れていて、まるでライオンの子のようだった。ただ一つ違うのは、尾の先にまだ硬化していない軟骨のような突起があることだった。
私の視線は柔らいだ。
巣の縁に座り、未完成の毛並みを細い指で優しく撫でる。一匹が気持ちよさそうに喉を鳴らし、私の手の甲に頬を擦り寄せた。
「この子たちは…あの二体の子供よ。まだ無垢で、無力。」
私は静かにつぶやいた。
「そして私たちは母親を殺した。」クレアが腕を強く握りながら付け加える。
「否定できないわ。それが世界の仕組みよ。与えることもあれば、受け取ることもある。そして時には、他人のものを奪うこともある。今みたいに、これ以上命が失われないように、彼らの命を奪った。そうでしょう、クレア?」
滅多に見せない穏やかな笑みを向ける。クレアは黙り込み、頭を下げた。しばし、音のない時間が流れる。
その静寂を破ったのは突然の声だった。
「外に誰かいるの?出してくれないか?」
同時に振り向く。声は爪痕と乾いた血で覆われた洞窟の壁の向こうからだった。
「えっと…どなたですか?」
「うう…どう答えればいいか。スピキュロフェリスに連れ去られた者です。つまり…食料の備蓄ですね。」低く穏やかな声。女性だろうか。
「えっと…出せますか?中に負傷者がたくさんいます。」
「分かりました。やってみます。」
壁を探ると、長く湾曲した亀裂があった。新鮮な獲物を閉じ込めるための隠し扉のようだ。
スピキュロフェリスは食料を保存するほど賢い。腐肉より新鮮な肉を好むタイプで、ある意味幸運だった。
亀裂は引き戸のような構造だった。
クレアが押すが動かない。私も手伝うがびくともしない。
「ごめんなさい!」私は叫ぶ。「待ってもらえますか?中から押せませんか?私たち重傷で、力が…」
壁の向こうでささやきが聞こえ、やがて返事が来る。「この扉は内側からは開きません。待つのは問題ありません。」
「本当にごめんなさい。」
「ええ、大丈夫です。」
私たちはその場に座り込む。息は荒い。目が合い、思わず笑いが漏れた。
「楽しいね?」
「恐ろしい、の方が正確よ、アリシア。」
壁の向こうで不満の声が聞こえるが、構わない。疲れ切っていた。
その時、一匹の子供が巣から出てよちよち歩いてきた。
「かわいい〜」
抱き上げ膝に乗せ撫でる。クレアも撫でる。残り二匹はクレアの膝に登る。
「二匹もらったね、クレア。」
「う、うん。」
「かわいいでしょ?」
彼女はうなずく。
「後でラーグナルに見せよう。」
「今じゃだめ?もう来てるわ。」
「え?本当?」
彼女の猫耳がぴくりと動く。やがてラーグナルとダニが現れた。
私はため息。「遅いよ。さっき死にかけたんだから。竜巻見なかったの?」
「す、すまない。俺のせいだ。」
ダニが慌てる。「ダフニエは?」
「ダフニエ?誰?」
「大切な使用人だ。」
壁の向こうから声。「若様…ですか?」
「ダフニエ!」
ダニが扉を開けようと奮闘する。ラーグナルが手伝おうとするが止める。
「見栄張ってるの。邪魔しないで。」私は笑う。
「誰に?」
「使用人に決まってるでしょ。」
やがて私は子供を持ち上げ、ラーグナルに見せた。
「ラーグナル〜見て。かわい—」
グシャッ!
言葉が終わる前に、彼は一握りで子供の頭を潰した。血が顔に飛ぶ。
え?
何が起きた?
私は彼の頬を全力で叩く。
「何をしたの!?」
「明らかだろう。」彼は淡々と答える。「変異モンスターの子だ。将来危険になる。」
「理由にならない!まだ赤ちゃんよ!」
彼はドイツ語で何か唱え、二本の矢が残り二匹を射殺した。
再び叩く。
「心はないの?」
「将来の人殺しに同情して何になる。」
言葉が突き刺さる。
「偽善者!」
「多数の利益のための行為だ。」
私は唇を噛む。
「その恐ろしい思想はどこから?」
「遠い時代での数十年の人生経験からだ。」
意味が分からない。
その時、魔法陣が出現。彼は袋を投げる。
「試験終了だ。またな、ナイーブ・ガール。」
閃光。
気づけば開始前の場所。
巨大な掲示板。私は二位、クレアの下。
成功したのに、心は空虚。
「何が…起きたの?」
涙をこらえる。
「くそ…裏切り者。」
彼の言葉は正しい。でも、間違っている気がした。
もし人間の赤ん坊だったら?
足取りは重い。
世界は…本当にここまで残酷でなければならないの?




