Connect 水魔法使いの覚悟
「というわけで、私はシュベルトクラフトの第二皇女だったのでした。あ、これイリルやスヴィンにはまだまだヒミツね一応」
「わかりました」
王都に残ったユメさんとミアさんとアカネさんも知っているのは話してありますから、これ以上広まらないようにということですよね。
「まあ、皇位継承権は放棄したし、そういう意味での利用価値はないからバレても問題ないって気はするけどね」
「それでも、何があるかわかりませんし。何かあってもセラはセラですし、ユーリくんやアイリスさんたちも助けてくれるとは思いますけどね」
たぶん、聞いたとしてもクラスのみんななら変わらず接してくれるとは思います。そういう意味では、ユーリくんの存在というのは不思議な側面もありますね。
セラは家の事情を明かしました。残るはわたしだけですね。
「……わたしも、覚悟を決めました。悩んでないでいい加減に向き合わないと」
「え。なに、私のせい?」
申し訳無さそうな顔をするセラに首を振ります。セラのせいではなくて、セラのおかげです。
「セラと比べたらわたしのことなんてなんでもないことですからね」
「問題はそれぞれだから、レアのが軽いってことはないと思うんだけど……」
「かもしれません。でも、セラやユーリくんと一緒なら」
きっと立ち向かえる。セラのした覚悟をわたしもできるはず。
「もちろん、力になるね。あ、でも実家へのご挨拶ならユーリ君だけのほうがいいんじゃ?」
「今はそういう気遣いはいらないですから!?」
「はっはっは。その時は言ってくれ給えよルートゥレア姫」
まったく、セラはもう。
大丈夫です。わたしも乗り越えます。胸を張って前に進むためにも。