Offstage 風魔法使いの決意
王都に帰り、夜。
数日ぶりの寮のベッドに大の字に寝っ転がりながら、無限色の翼の全員に通信を繋いだ。
「無色の羽根や水精霊の祝福のみんなに本当の事を話そうと思うんだが。転移転生の話を全部」
『『『『『……』』』』』
頭の中に響くことを期待した第一声は、考え込むような沈黙だった。
なんの前触れもなく無茶苦茶を言っているのはわかっているから、その沈黙を否定はしない。
「反対ならそう言ってくれて構わないぞ。オレ一人のことじゃないし、今の精神状態が平静だって保証もないからな」
『そう言える時点で平静だと思いますが……一応、その結論に至った理由を聞いても?』
代表してか、ララが聞いてきた。
理由は色々あるが、総ずると、
「隠しておく事が罪とは言わないまでも、取り返しのつかない事態に繋がる可能性はあるのかなって思ってさ。それと、こっちだけ腹を割らないってのは不誠実じゃないかって」
『……あれだけのことを経ると、たしかにそう思いたくなる気持ちもわかります』
ネレが同調してくれる。
セラの一件が最大の後押しになったのは間違いない。もちろん、彼女が隠していたことが罪であるはずはない。隠していた理由もわかる。しかしだからこそと言うか。
おそらくオレの全てはそれと比するレベルのものだろう。「だからこそ話すべき」であり、同時に「それでも隠しておくべき」の両方の側面を持っているとは思う。隠しきれるかはともかく。
『もともと悠理の事なのですから、貴方がそう決めたのならそれでいいと思いますよ。そもそも、私達にだって話す必要はなかったことです。その貴方が選んだ人達ですから、信用できるはずですよね』
『そうだね』
『ええ』
『うん』
『はい』
「ありがとう。みんな」
それぞれ思うことはあるだろう。もしかしたら話さないほうがいいと心のどこかで思っていたりするのかもしれない。それでもオレに任せてくれる。
「本当に、ありがとうな」
『いえ』
『お礼言いすぎだよ』
『いつかは必要なことだったでしょうし』
『あの時会ったみんなに隠さなくていいのはいいことだと思うよ?』
『ユーリさんの判断……間違いはないと思います』
信じてくれる仲間がいることは何にも代えられない。
願わくば、他の皆にも受け入れられますように。




