表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
酔いどれエルフと酒の歌  作者: チョコレ
第三杯 酔いどれ亭、再建中!
110/144

第17話 レオン・グリモワールの読心術!

 バァァァァァン!!


「諸君、待たせたな!! 今宵、私はついに禁断の領域へと足を踏み入れた!!!」


 マントを翻し、キラリとウィンクを決めながら店内へと乗り込んできたのは、奇術師レオン・グリモワール。まるで大劇場のステージに立つかのようなノリだが、ここはただの酒場、酔いどれ小屋だ。


「だから!! 今日は平和に終わらせてってば!!」


 私はカウンター越しに頭を抱える。絶対にこの後、面倒なことになる。そう確信できるくらいには、この男の奇術にはロクな思い出がない。


「リリィ嬢、君は毎回そう言うが…安心したまえ。今回は本当に大丈夫だ!!」

「それ、毎回聞いてる!!!!」


 レオンは満面の笑みで腕を広げる。


「今宵のマジックは……『読心術』!!!」

「……いや、アンタにそんな知性があるの?」

「フハハハ!! 君の心を読み、思考を完璧に当ててみせよう!!!」

「絶対無理でしょ!!!!」


 レオンは得意げに手を広げ、店内の客たちを見渡す。

「さあ、誰か私に挑戦したい者はいるか?」


 フォルクが腕を組んでニヤリと笑う。

「おいおい、じゃあ俺の心でも読んでみろよ?」


「いいだろう!! では、私の目を見つめ、心に思い浮かべた言葉を念じるがいい!!」


 フォルクが真剣な顔を作り、じっとレオンを見つめる。


「……フムフム……」

 レオンは額に指を当て、目を閉じる。


「……おお! これは……!!」

「何が見えた?」

「……肉!!!!」

「違う!!!!!!」


 店内爆笑。


「待て、もう一度!!!」


 レオンは再び額に指を当て、フォルクを凝視する。


「……おお……これは……」

「今度こそ?」

「……酒!!!!」

「違うって言ってんだろ!!!!」


 客たちは大笑いしながらグラスを掲げる。


「いやでもフォルク、実際そんなことばっかり考えてるんじゃねえのか?」

 ドラコが尻尾を揺らしながらナッツをかじる。


「うるせえ!!!!!」


「いやでも正直、肉と酒以外でフォルクが何考えてるのか、私も気になるわ」

 ジーナが腕を組みながら冷静に言う。


「おい!! 俺だってもうちょっと高度なこと考えてるぞ!!!」

「例えば?」

「……焼きたてのステーキと、それに合う黒ビールの――」

「やっぱり肉と酒じゃねーか!!!!」


 店内再び爆笑。


 レオンはムッとしながら、カウンターを指さした。


「では、リリィ嬢!! 君の心を読もう!!!」

「やめて!! ほんとにやめて!!」

「なぜだ!? 怖いのか!!?」

「違う!! アンタが当てられるわけないからよ!!!!」

「フフフ……では、いくぞ!!!」


 レオンは私をじっと見つめる。


「……フムフム……なるほど……」

「何が見えたの?」

「……『マジでこのマジシャン、何とかならないかしら』」

「正解!!!!!」


 店内爆笑。


「やった!! 当てたぞ!!!!」

「全然嬉しくない!!!!!」


 私は大きくため息をつき、カウンターの奥へ向かった。


「もう、しょうがないわね……ほら、これ飲んで落ち着きなさい。」


 ベースは神秘的なアブサン。そこにブルーベリーリキュールを加え、深い紫の輝きを演出。さらに、メントールエキスを加えることで、飲むと一瞬で頭がスッキリするような爽快感を生み出す。最後に金箔をひとふりし、まるで予知能力が覚醒するような幻想的なビジュアルに仕上げた。名付けてサイキック・ブレンド!


 レオンは目を輝かせながらグラスを受け取り、一気に飲み干した。


「……っ!!!」

「どう?」

「……くぅ~~~~!! 頭が冴える!! これなら本当に読心術ができそうだ!!!!」

「絶対無理!!!!」


 店内大爆笑。


「いや、でもリリィ。これ、すっごい美味いな……!! 俺にも一杯!」

「私も。」ジーナが手を挙げる。

「俺も!」ドラコも勢いよくグラスを差し出す。

「はいはい、分かったわよ!」


 店内は再び賑やかに盛り上がり、読心術のことなどすっかり忘れ、全員で「サイキック・ブレンド」を楽しむことになった。


 結局、レオンの読心術は 「適当に言ったら偶然正解した」 という結果になり、私はもう二度と読心術マジックをさせないことを心に誓った。


 ……でも、次こそは本当に成功するのかしらね?

ページを下にスクロールしていただくと、広告の下に【★★★★★】の評価ボタンがあります。もし「続きを読みたい!」と思っていただけた際は、評価をいただけると嬉しいです。Twitter(X)でのご感想も励みになります!皆さまからの応援が、「もっと続きを書こう!」という力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


@chocola_carlyle

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ