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67. メディアカード

 サンド=ラグとの戦いを終えた次の日の朝。


「ふう。やはり朝のコーヒーは最高だな」


「俺たちはダンジョンを目指して砂漠を旅しているんだよな?・・・だよなぁ?なんでこんな立派な朝食を食べてるんだ俺は・・・」


「気にしない。気にしない」


 ソラちゃんの神空間から出した食材で作った朝食だ。


「コーヒーにフカフカのパンに、サンド=ラグの肉を塩胡椒で焼き、トマトと一緒に挟んだサンドイッチだ。サンド=ラグだけに!」


「くふ。くふふ」


 そう。俺は気づいてしまったのだ。

 親父ギャグが師匠にブッ刺さるということに。


 実は、俺の上機嫌でテンションが高いのは、新しい能力が手に入ったからだ!


 昨晩、サンド=ラグとの戦闘で撮影した写真を見返していたところ、アルティメットカウントの撮影結果がカード状になった。


 月夜に天を突くサンド=ラグのシルエット写真が挿絵になっている。

 サンド=ラグ(火・クリーチャー・レア)

 消費魔素4、パワー3/タフネス3、能力:潜伏・再生。


 これ知ってる。完全にギャザじゃね?

 転生前の俺はそこそこギャザっていたので、こういうトレーディングカードに心躍るタイプだ。一枚じゃデッキを組めないからどうしようもないけどね〜。


『告。そのカードはメディアカードです。カメラのメディアスロットにセットすることでカードの能力がマスターに反映されます。』


 なんですと!


 ユニークスキル 撮影者 起動

 モード α

 メディア サンド=ラグ セット


『メディア サンド=ラグによってマスターに潜伏と再生(リジェネ)能力が付与されます。』


 おお!撮影者の能力が増えた。しかもアルティメットカウントを叩き出せば、魔物の能力をメディアとして保有できる。これは撮影するモチベーションが高まる。


 ということがあったのだ。

 朝から優雅にコーヒーを堪能したくもなるってもんだぜ!


「あー、優雅にコーヒーとやらを飲んでいるところ悪いんだが、そろそろダンジョンへ行かないか?昼になると動けなくなるしな」


 そう、砂漠の昼間は危険すぎるため、日陰を作り体力を温存する。そのため、気温の低い朝のうちにできるだけ移動したい。サクサクとキャンプ道具を片付ける。この片付け易さも葉隠印のキャンプギアのいいところ。構造がシンプルかつ無駄を徹底的に廃している。


「やっぱいいな。そのテントってやつ」

「高いけど、冒険者なら持っていて損はないよ。じゃあ出発」



 ーーーーーーーーーーーー



 3時間ほど南東方向へ進んでいく。そろそろ気温が高くて辛くなってきたところだ。


「暑いのじゃ〜」

「暑いよぉ」

「あづい〜」


「仕方ねーだろ。砂漠なんだから。ちっ。ちょっと早いが休憩にするか」


 ここは砂漠の真ん中。日陰なんてある訳もなく。

 ガンザスがラクダの背に背負わせていた木の棒を何本も砂面に突き立てていく。

 そして、太陽に向けて帆をかけるように布で覆い日陰を作る。

 そこにラクダ2頭と3人とソラちゃんで日陰で休息をとる。うう、日陰でも暑い。これから7時間ほど動けないのが辛い。暑さは休んでいても体力を奪っていく。


 仕方ない。ちょっと疲れるがあれをやるか。

 葉隠流忍術 氷遁


 氷遁は魔力で魔素を制御し、その動きを減じる。

 すなわち、熱を奪い空気中の水分を氷とする。

 砂漠の空気は乾燥しているので、僅かな氷の粒が空気中に現れる。


 今回は、エアコン替りだ。


「涼しくなったのじゃ!これは、氷遁じゃな。このような使い方があったとはの」

「おいおい、砂漠の旅がこんなに快適でいいのかよ」

「結構、疲れるんだよ。これ」


 ・・・・・


「しりとり」

「ん?しりとりとはなんじゃ?」

「しりとりは前の人が言った言葉の最後の文字から始まる言葉を言い合って。最後にんの着く言葉を言った人が負けのゲームだよ」

「ほう、面白そうじゃの」


「じゃあ、しりとり」

「りんごなのじゃ」


 あ、これ最後絶対じゃになるやつ。


「ガンザス、“ご“」

「あ?ご? ご、ご、ゴザイアス」

「な、なんだそれ?」

「俺の部下の名前だ」

「わかるかぁ」


 ・・・・・・・・


 そもそも常識が違うんだよ。知らない単語が多すぎる。

 しりとりで時間を潰すのは諦めよう。俺はガンザスに話を振ることにした。


「ガンザス。そういえば、アラジンはなぜダンジョンに魔法のランプを持っていったんだ?」

「それがわからないんだ。ちょっと長い話になるがいいか?」


「時間は腐るほどあるさ」


「アラジンと俺は同じ孤児院で育ったんだ。バドゥール王女様と出会ったのは、俺たちがちょうどお前さんくらいの時期だった。王女様が孤児院に慰問に訪れたんだ」


 そこからか!?

 これ、マジで長いやつだ。

 神空間から葉隠産ポテチを取り出す。


「その頃の孤児院はボロボロでな。俺たちは子供なりに孤児院のために働いていたんだ。そんな俺たちを見て王女様は孤児たちが働ける環境を、そして孤児院への王宮からの毎年の寄付を約束してくれた。父王へ何度も何度も掛け合ってくれた。三年間ずっとだ。とうとう根負けした父王がFランク冒険者という制度を作り、孤児院の建て替えを約束してくれた。これが、今街でFランク冒険者制度ができた経緯だ。そういうわけで、俺とアラジンとバドゥール王女は幼馴染だったんだ」


「なんで王女様はそこまで頑張ってくれたんだ?」


「まぁ、察しているとは思うが、アラジンのことが好きだったんだよ。出会った頃からな」


 思いっきり私情!!

 王族怖ぇぇ。まあ、結果オーライでいいことずくめだからいいけどさ。


 俺は、アラジンが何故ダンジョンに逃げたのかという質問をしただけなのだが、ガンザスの自分語りが止まらない。曰く、子供の頃にアラジンと近所のみかんを盗んだとか、冒険者としてパーティを組んでいて、サンド=ラグに挑み逃げたことなど。ガンザスとアラジンの冒険を聞かされ続けた。ガンザスがアラジンを親友として、兄弟としてとても慕っていることがよくわかった。若干行き過ぎているきもしなくもないが、昨日会ったばかりのおっさんがそっちの気があると疑うのは失礼というものだろう。


「それから5年たった今。アラジンはAランク冒険者にまで上りつめた。身分差はあれど、王国中の人々は王女様とアラジンの結婚を願っている。それは王も認めた仲だ。アラジンの親友である俺は、アラジンと王女様が結婚した時に2人を守れるように、近衛騎士に志願したんだ」


 ガンザスがちょっと寂しそうなのは・・・・気のせいだよな?


「で、1ヶ月前にバドゥール王女の病を治すために季節外れの降雨の儀式をすることになった。俺は、近衛騎士団長として警備を任されることになった。もちろん、絶対に守り通すつもりだったさ。しかしな、儀式の3日前に俺とアラジンはバドゥール王女に呼び出されたんだ」


 そういえば、魔法のランプの奪取は王女様の依頼だったと言ってたな。


「バドゥール王女からの依頼は、前も言った通り魔法のランプの奪取だった。アラジンは猛反対したさ。それでも王女は頑なだった。降雨の儀式の時期がずれれば、作物を作る水が足りなくなり、多くの国民が飢えに苦しむことになるってな。アラジンは急に王女の命と国民を天秤にかけた選択を突きつけられた訳だ。それでも、王女の強い願を叶えることを選んだ。愛する女性の頼みを無碍にはできなかったんだ」


「ガンザスはどう思ったんだ?」


「俺か?俺はアラジンがやるといえば協力する気だったぜ?」


「そ、そうか」


「魔法のランプの奪取は簡単だったんだ。なんせ俺が守っているからな。それにアラジンはAランクの冒険者だ。この国で敵う奴なんていない。警備の穴を教えるまでもなかったがな」


「それで、なんでアラジンが魔法のランプをダンジョンに?」


「その理由はわからないんだが、降雨の儀式お祭壇に置かれていた魔法のランプをアラジンが持った瞬間。アラジンの様子がおかしくなったんだ。何か呟いたと思ったら、空からなぜか絨毯が飛んできて、それに飛び乗っていっちまったんだ」


「魔法のランプを触った瞬間にアラジンがおかしくなった・・・?」


「ああ、俺の声も届かなかった。届かなかったんだ・・・・」


 ガンザスの握りしめた拳から血がにじむ。


「警備責任者である俺は、近衛騎士隊長を辞職して、アラジンを探していたんだ。数日前に、王宮騎士団が砂漠のダンジョンに向かったという噂を聞いて、アラジンがダンジョンにいることを知ったんだ。だが、この砂漠を1人でダンジョンまで行くことは不可能だからな。お前さんの話を聞いて、宿舎の酒場に行ったのさ。なんとかダンジョンまでついて行きたくてな」


「そういう事情があったのか」


 ガンザスは本当にアラジンを助けるためだけに行動しているんだな。


「随分長話を聞かせてしまったな。さて、そろそろ行動できる時間帯になるな。ダンジョンに向かうとするか」


「わかった。師匠、行きますよ」

「うーん。もう少し寝ていたいのじゃ」


 しょうがないな。

 俺は師匠を背負ってダンジョンを目指すことにした。


メディアカード


プレイヤーの体力20

デッキ枚数は60枚以上


魔素カード

クリーチャーカード

エンチャントカード

交換レンズカード

忍術カード

からなる。


毎ターン 魔素カードは1枚出すことができる。

魔素カードをタップして必要な魔素を使ってクリーチャー・エンチャント・忍術カードを使うことができる。

忍術カードは相手のターンにも使うことができる。


交換レンズカードは特殊で、常に1枚場に出すことができる。

そして、撮影カウンターを消費することで武器化(裏返る)する。


交換レンズカードが場に出ている場合。自分のターンに6面ダイスを振り奇数でクリティカルカウント(カウンターを2個獲得)、6でアルティメットカウント(カウンターを3個獲得)それ以外は、カウンターを1個獲得する。


対象クリーチャーのタフネス数消費することで武器化し、対象クリーチャーを一撃でキルすることができる。


召喚されたクリーチャーは最初のターンは召喚酔いで行動できないが、次のターンからプレイヤーを攻撃できるようになる。


エンチャントは風景写真から作られたカード

各種地形効果を使ってクリーチャーの強化・弱体化ができる。



ちなみに、トップレアは楓(九尾)

パワー20/タフネス20 召喚された時点で相手プレイヤーの負けが確定する。





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