表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
57/59

メジャーリーガーのグローブをいただく!(中編)

 日本人メジャーリーガーがかえって、およそ三時間後。


 野球やきゅう博物館はくぶつかん大混乱だいこんらんおちいっていた。


 不審ふしん人物じんぶつ侵入しんにゅうしたのだ。


 警官けいかん一人ひとり白黒しろくろさせながらさけんでいる。


警部けいぶがたくさんっ!」


 この異常いじょう事態じたい大泥棒おおどろぼうによる「かくらん作戦さくせん」なのは明白めいはくだった。


 かねやとった大勢おおぜい人間にんげんたちに、警部けいぶそっくりの変装へんそうをさせて、一斉いっせい野球やきゅう博物館はくぶつかん突入とつにゅうさせたのだ。


 この人海じんかい戦術せんじゅつたいして、


「そのわん」


 本物ほんもの警部けいぶみをかべていた。


 こうなる展開こと予想よそうしていた。あの大泥棒おおどろぼう使つかってきそうな手口てぐちだ。


 なので、まえもって部下ぶかたちには指示しじしている。あやしいやつには遠慮えんりょするな。特殊とくしゅペイントだんちまくれ。


すこしでも塗料とりょうがついているやつは、すべてニセモノだ! 本物ほんものおれじゃないぞ! 全員ぜんいん逮捕たいほしろ!」


 警部けいぶはグローブの展示てんじしつから、元気げんきさけんだ。


 正面しょうめんぐち裏口うらぐちほか地下ちか屋上おくじょうからも侵入しんにゅうしてきているらしい。


 だが、それも予想よそうしていた。すべての場所ばしょ警官けいかんたちを配置はいちしている。彼らが侵入者しんにゅうしゃたちにかって、ペイントだんちまくっていた。


 さらに、おたからがあるこの部屋へやだけは、確実かくじつまもることができるように、


通路つうろのシャッターを全部ぜんぶじろ!」


 警部けいぶ無線むせん指示しじを出す。


 すでに大泥棒おおどろぼうはこの建物たてもの侵入しんにゅうしている、そんな予感よかんがあった。もしも通路つうろにいるなら、これでやつは「フクロのネズミ」だ。逮捕たいほびょうみ。


 かく通路つうろのシャッターが一斉いっせいまりはじめた。


 これと同時どうじに、警察けいさつ本部ほんぶ連絡れんらくがいくはずになっている。すぐに応援おうえん部隊ぶたいけつけるだろう。こちらも人海じんかい戦術せんじゅつだ。


 ところが、予想よそうがい事態じたいこる。


火事かじだー! 火事かじだー!」


 そんなこえ建物たてもの一角いっかくからがった。


 警部けいぶ不審ふしんに思う。本当ほんとう火事かじだろうか。それとも・・・・・・。


 つぎ瞬間しゅんかん換気かんきダクトからしろけむりながんできた。


いて行動こうどうしろ! だれもグローブにちかづくな!」


 そう指示しじしたあとで、警部けいぶ片手かたて自分じぶんくちふさぎながら、周囲しゅうい警戒けいかいした。


 このけむり、あまりにもタイミングがすぎる。大泥棒おおどろぼう仕業しわざかんがえるべきだ。


 となると、やつがもうすぐ、ここに来る?


 グローブにちかづく者がいたら、そいつが大泥棒おおどろぼうまりだ。今回こんかいこそ、絶対ぜったい逮捕たいほしてやる!


 みるみるうちに、視界しかいしろ一色いっしょくまっていく。これでは周囲しゅうい状況じょうきょうがわからない。


 無線むせん調子ちょうしへんだ。ノイズがつづけている。まともに会話かいわできているのかさえ、わからなかった。


 しかしながら、部下ぶかたちにはまえもって、さまざまな状況じょうきょう対応たいおうできるよう、こまかく指示しじあたえている。


 だが、相手あいてはあの大泥棒おおどろぼうだ。


おれなんとかするしかない!)


 そう意気いきんだつぎ瞬間しゅんかん警部けいぶまえにつんのめる。


 いきなりゆかかたむはじめたのだ。


なんだ!? なにきている!?」


 展示てんじしつゆかはさらにかたむいていく。こんな仕掛しかけがあるなんていていない。どうかんがえても、大泥棒おおどろぼう仕業しわざだ。


 おたから展示てんじしているロッカーは、ゆかにしっかり固定こていされている。それにばそうとしたが、わなかった。


 とっさに警部けいぶは、よこかべほうへとはしる。


 今やゆかきゅう斜面しゃめんだ。なにかにつかまらないと、さかの下まですべちてしまう。


 どうにかかべにたどりいて、そこにあったすりをつかんだ。


 と思ったら、そのすりが「スポン!」とかべからはずれる。


「は?」


 かべつめてようとするが、わなかった。


警部けいぶどの、おたっしゃでー♪」


 けむりおくから大泥棒おおどろぼうこえがする。


 やつめ、この建物たてもの自体じたいまえもって、色々と仕掛しかけをしていたらしい。


「くそー!」


 警部けいぶ斜面しゃめんの下へところがりちていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ