最良の指導法?
野球の新米コーチは、選手たちの指導法で悩んでいた。
このチームのコーチに先月からなったのだが、選手たちをどう指導したら良いものか。
そこで、本を読んで勉強することにした。
せっかくなので、一流の指導をしたい。
そう思って選んだのが、『ビッグデータを活かした最新脳科学論、サイバーフィジカルシステムにおける多面的教育の真髄』だ。これからの時代、こういうものが求められているはず。
ところが、読み始めて数分後、
(・・・・・・よくわからない)
使われている用語が難しすぎて、内容がまったく頭に入ってこないのだ。たぶん、素晴らしいことがたくさん書いてあるのだろうけれど・・・・・・。
その本を閉じるとコーチは、背伸びしすぎたことを反省する。自分が理解できないことを、選手たちの指導に活かせるはずがない。やめだ、やめだ。別の本にしよう。
で、今度は『今の三倍部下を働かせる、上司によるコーチング改革』というビジネス書にした。
他にも、いくつかのビジネス書を読んで、選手たちの指導に試してみる。
しかし、どうもしっくりこない。選手たちも戸惑っているようだ。
またもや本を変更する。今度は『一時間でわかる、熱血スパルタ指導』だ。が、これもうまくいかない。
その翌日だ。コーチは新たな本を手に取ると、難しい顔をして読み始めた。
そこに一人の選手が通りかかる。
このコーチがビジネス書を読み漁っていることは、選手たちの間で話題になっていた。
(今度は何を読んでいるのかな。変な本じゃないといいけど・・・・・・)
昨日の指導はひどかった。今の時代にスパルタ式なんて馬鹿げている。
コーチが読んでいる本を盗み見て、選手は目が点になった。
絵本だ。『北風と太陽』である。
次回は「いいこと」をするお話です。




