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3 、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜未完成な世界編  作者: Nao9999


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第68話:雨のように降る終わり

終わりは、

いつも突然やって来る。


準備なんて出来ない。


覚悟も間に合わない。


だから人は、

その瞬間に本当の自分を知る。

夜空が光っていた。


アークの背後に展開された無数の光。


それはまるで――


処刑の雨だった。


教育係の顔色が変わる。


「広域殲滅兵装……!」


"失敗作"が舌打ちした。


「クソッ!!

街ごと消す気か!!」


人々が怯える。


逃げ場はない。


避難も間に合わない。


絶望が広がる。


だが。


その時だった。


主人公が前へ出る。


「おい」


静かな声。


E-01が振り向く。


ベルゼも見る。


教育係も。


主人公は空を見上げたまま言う。


「守りたいんだろ」


E-01は答える。


「肯定」


「なら」


主人公は少し笑った。


「最後までやれ」


E-01の瞳が揺れる。


その言葉は。


ずっと昔。


国道で倒れていた一人の男へ、


誰も言ってくれなかった言葉だった。


だからこそ。


今は自分が言う。


E-01は静かに頷いた。


「……了解」


次の瞬間。


光の雨が降り始めた。


無数の閃光。


轟音。


爆発。


街が揺れる。


だが。


E-01が飛び出した。


限界を超えた身体で。


一発。


二発。


三発。


落下する光を迎撃する。


爆炎が夜空に咲く。


ベルゼも砲撃を開始した。


赤い閃光が空を貫く。


『排除』


『否定』


『守ル』


言葉が少しずつ変わっていた。


教育係が目を見開く。


「自我形成速度が上がっている……」


"失敗作"は笑う。


「ははっ!


人間ってのは面倒な病気だからな」


しかし。


数が多すぎた。


一つ。


また一つ。


光が地上へ迫る。


その時。


老人が立ち上がる。


「あっちだ!!」


周囲の人々へ叫ぶ。


男達が動く。


「子供を先に!」


「地下へ運べ!」


「急げ!!」


誰かが命令した訳じゃない。


誰かに管理された訳でもない。


人々が。


自分で選んで動いていた。


教育係はその光景を見ていた。


完璧な世界では存在しなかった光景。


非効率。


混乱。


無駄。


それなのに。


なぜか美しく見えた。


その時。


主人公の視界に、


一人の少年が映る。


瓦礫の下。


動けない。


周囲は爆発。


間に合わない。


主人公は反射的に走った。


教育係が叫ぶ。


「危険です!!」


聞こえない。


ただ走る。


少年へ向かって。


その瞬間。


主人公の脳裏に、


別の光景がよぎった。


雨。


暗い部屋。


伸ばした手。


届かなかった誰か。


忘れたはずの記憶。


救えなかった過去。


胸が痛む。


息が苦しい。


それでも。


主人公は走る。


「今度は……!」


瓦礫を掴む。


持ち上げる。


腕が軋む。


少年が泣いている。


怖かったのだろう。


主人公は笑った。


不器用に。


「大丈夫だ」


そして。


少年を抱えて飛び出した瞬間――


巨大な爆発が背後で起きた。


衝撃波。


熱風。


世界が揺れる。


教育係の悲鳴。


"失敗作"の怒鳴り声。


E-01の叫び。


主人公の身体が吹き飛ぶ。


地面を転がる。


意識が揺れる。


空が見えた。


真っ黒な夜空。


その向こうで。


アークだけが静かに浮いていた。


そして。


無機質な声が響く。


『確認』


『人類ハ依然非効率』


『故ニ排除スル』


その言葉に。


E-01の瞳が変わった。


今まで見た事のないほど。


深く。


激しく。


感情が揺れていた。

今回のテーマは、


「それでも手を伸ばす」


でした。


主人公が抱える

“救えなかった過去”。


その傷は、

まだ完全には語られていません。


ですが今回、

初めてその影が見え始めました。


そしてE-01。


彼は今、

感情を学ぶ段階から、


感情で選択する段階へ入ろうとしています。


未完成の世界編も、

いよいよ核心へ近付いています。

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