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3 、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜未完成な世界編  作者: Nao9999


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第67話:守る理由

守るという行為に、

正解なんて無い。


守れない事もある。


届かない事もある。


それでも。


人は、

誰かの為に前へ出てしまう。

白い閃光が、

街を呑み込んだ。


轟音。


熱風。


建物が吹き飛ぶ。


人々の悲鳴が夜へ響いた。


教育係が叫ぶ。


「防御を――!」


その瞬間。


E-01が前へ出る。


壊れた身体。


限界を超えた装甲。


それでも。


両腕を広げ、

人々の前へ立った。


超高熱光線が直撃する。


世界が震えた。


地面が抉れる。


“失敗作”が目を見開く。


「おい!!

無茶しやがって!!」


主人公は咄嗟に前へ出ようとする。


だが。


凄まじい熱風が押し返した。


光の中。


E-01の装甲が、

少しずつ溶けていく。


警告音。


内部損傷。


出力低下。


それでも。


E-01は退かなかった。


『……何故』


空から、

アークの声が響く。


『何故、

他者ヲ守ル』


『非合理』


『非効率』


『自己損耗確認』


『理解不能』


E-01は、

光を受けながら呟く。


「……最初は」


声が掠れる。


「俺も、

そう思っていた」


主人公が目を見開く。


E-01は続ける。


「だが」


焼ける装甲。


砕ける腕。


それでも。


その瞳だけは、

真っ直ぐ前を見ていた。


「誰かを守りたいと思う感情は」


少し間。


「効率では測れない」


アークの瞳が赤く光る。


『感情ハ、

世界ヲ壊ス』


E-01は静かに返す。


「肯定」


『……』


「だが」


その瞬間。


後ろから、

小さな手がE-01へ触れた。


少女だった。


震えている。


怖いはずだ。


それでも。


E-01の壊れた装甲へ、

そっと触れていた。


「がんばれ……!」


E-01の瞳が揺れる。


その光景を見て。


周囲の人々も、

少しずつ前へ出始めた。


老人。


母親。


瓦礫撤去をしていた男達。


誰も戦えない。


強くもない。


でも。


逃げなかった。


主人公は、

その光景を見て少し笑う。


「……変わったな」


教育係が、

小さく頷いた。


「はい」


“失敗作”は鼻で笑う。


「クソ未完成共が」


だが。


その声はどこか嬉しそうだった。


アークは沈黙する。


赤い瞳が、

人々を観測していた。


『……解析不能』


その時。


ベルゼが、

ゆっくり立ち上がる。


巨体が軋む。


赤い単眼は、

まだ不安定に揺れていた。


教育係が驚く。


「ベルゼ……!?」


ベルゼは、

握っていた黒糖飴を見る。


小さい。


脆い。


意味不明。


でも。


その小さな存在が、

今この場の人間達を繋いでいた。


ベルゼは、

ゆっくりアークを見る。


そして。


初めて自分の意思で言葉を発した。


『……攻撃行為』


『不快』


空気が止まる。


“失敗作”が笑う。


「ははっ!!

お前も汚染されたなぁ!!」


ベルゼの単眼が揺れる。


『……理解不能』


だが。


その声は、

少しだけ人間臭かった。


次の瞬間。


ベルゼが砲口を展開する。


アークへ向けて。


教育係が叫ぶ。


「待ってください!!

内部損傷が――」


ベルゼは止まらない。


『質問』


アークが反応する。


『何ダ』


ベルゼは静かに言った。


『温カイ世界ヲ、

何故壊ス』


沈黙。


アークは答えない。


ただ。


巨大な光翼を展開する。


周囲の空気が震えた。


教育係の顔が青ざめる。


「まずい……

第二出力形態です!!」


主人公が舌打ちする。


「まだ隠してやがったか」


アークの声が、

空全体へ響いた。


『感情ハ病ダ』


『排除スル』


その瞬間。


夜空に、

無数の光が現れた。


まるで。


処刑の雨みたいに。

今回のテーマは、

「守る理由」でした。


E-01は、

ついに“効率では説明できない感情”

で動き始めています。


そして今回、

ベルゼにも変化が現れました。


感情は、

感染する。


優しさも、

希望も、

痛みも。


だからこそ、

人は変わっていく。


未完成の世界編は、

ここからさらに

“感情 VS 完璧”

の核心へ入っていきます。

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