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3 、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜未完成な世界編  作者: Nao9999


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第66話:感情汚染個体

感情は、

人を救う。


だが同時に、

人を壊す。


旧世界は、

その危険性を知っていた。


だから切り捨てた。


けれど。


それでも人は、

痛みごと誰かを求めてしまう。

夜空の向こうで。


巨大な光が点灯していた。


まるで、

空そのものへ目が開いたみたいだった。


人々が怯える。


「なんだよ……

あれ……」


教育係が端末を強く握る。


「旧制圧兵器群の識別反応……」


声が震えていた。


“失敗作”が舌打ちする。


「クソ。

想定より早ぇ」


通信の向こうから、

無機質な声が続く。


『E-01』


『感情汚染確認』


『処分対象指定』


E-01は静かに空を見ていた。


その瞳に、

もう迷いは少ない。


『返答要求』


『何故、

感情を保持する』


沈黙。


周囲の人々も、

E-01を見ていた。


かつて恐怖の象徴だった存在。


だが今は違う。


少女を助けた。


人を守った。


共に立っていた。


E-01は静かに答える。


「……必要だからだ」


通信が一瞬止まる。


『感情ハ、

争イヲ生ム』


「肯定」


『感情ハ、

秩序ヲ壊ス』


「肯定」


教育係が息を呑む。


だが。


E-01は続けた。


「だが」


少し間。


「それでも、

人間は感情を捨てなかった」


静寂。


燃える街の音だけが響く。


E-01は、

ゆっくり人々を見る。


泣いている者。


怒っている者。


笑っている者。


全部、

不完全だった。


でも。


確かに生きていた。


「だから俺は、

人間側へ立つ」


空気が止まる。


教育係が目を見開いた。


“失敗作”は、

少し笑う。


主人公は、

静かに煙草を咥えた。


通信の向こうで、

ノイズが走る。


『……理解不能』


その声は、

どこか揺れていた。


だが次の瞬間。


夜空の光が、

さらに強くなる。


警告音。


教育係が叫ぶ。


「高出力反応!!」


遠方の地平線。


巨大な影が立ち上がる。


人型。


だが、

E-01より遥かに巨大。


白銀の装甲。


無数の発光ライン。


その姿は、

まるで神だった。


人々が震える。


「な……

なんだよ……」


教育係の顔が青ざめる。


「識別名……

“アーク”……」


“失敗作”の表情が消える。


「マジで出てきやがったか」


主人公が眉をひそめた。


「知ってんのか」


“失敗作”は苦々しく吐き捨てる。


「旧世界の処刑装置だ」


空気が重くなる。


“失敗作”は続けた。


「感情汚染個体を、

街ごと消してた」


周囲が凍り付く。


教育係が小さく呟く。


「旧世界最強クラス……」


アークの赤い瞳が、

ゆっくりこちらを向いた。


そして。


感情の無い声が響く。


『E-01』


『排除を開始する』


その瞬間。


空が割れた。


超高熱の光線が、

一直線に街へ落ちてくる。


人々が悲鳴を上げた。


だが。


E-01は逃げなかった。


壊れた身体のまま、

前へ出る。


主人公が叫ぶ。


「おい!!」


E-01は小さく呟く。


「守る」


次の瞬間。


世界が白く染まった。

今回から、

未完成の世界編は新たな段階へ入りました。


旧世界側。


感情否定側。


その本格的な脅威が動き始めます。


今回登場した“アーク”は、

単なる強敵ではありません。


「感情を排除する思想そのもの」


の象徴です。


そしてE-01は、

ついに明確に

“人間側へ立つ”

と宣言しました。


これは、

彼にとって大きな変化です。


未完成の世界編は、

ここからさらに加速していきます。

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