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荷物(蒼矢)

どっかのツイッターネタ。


蒼矢×環。


上記カップル以外の特定のご贔屓がいる場合はお勧めしません。


特に中身はないです。イチャコラしてるだけ。


※安定の本編終了後のIF話。

※設定はゲーム終了後、蒼矢が学園にいるので卒業一歩手前?

※二人は付き合ってると思う。


以下気を付けて。


※ 全てif話。物語の進行上にはまったく関係ございません。ネタです。

※ 書きたかったからかいた、それだけです。苦情は受け付けません。


・キャラ崩壊しているかも?気をつけてご生還ください。

・本編のネタバレ要素は多少有り。本編読後推奨

放課後の人気のない廊下をよろよろと進む。

 肩に下げた大型地図の筒が食い込んで、少し痛いが、両手がふさがっているため直すこともできない。

 ダンボール箱の上に乗せた紙袋のせいで満足に視界も確保できない状況に、流石に欲張りすぎた、と後悔する。


 職員室に寄ったら、社会科の先生に捕まって資料室に教材を運ぶように頼まれてしまったのだ。

 本当はこの後に予定していたことがあったから、断りたかったのだが、会議があるとかで返事も聞かずに立ち去られてしまった。

 仕方なく運ぶことにしたのだが、教材の量が微妙だった。

 一回で運ぶにはやや苦しいが、二回に分けるには少ない。

 後の予定を考えれば、一刻も早く終わらせたかったあたしは、一度に運ぶことにしたのだが、やはり無茶だったか。


 とは言え、社会科の資料室まではあと少し。

 後ひと踏ん張り、と荷物を抱え直した時だった。


「ん、お前は……?」

「え……っ!」


 予想外の声に驚いた拍子にズルリとダンボールの上から紙袋がズレた。

 落ちないようにバランスを取れば、今度は肩にかけた大型地図の筒が肩からずれ落ちそうになった。


「うわわ、わっ!」


 思わぬ方向にかかった力にあたしは足をもつれさせた。

 そのまま地図の重さにバランスを持って行かれて、ひっくり返りそうになった。


 がちゃん、と大型地図が床に転がる音がした。

 しかし、あたしの体は地図と同じ運命を辿らなかった。

 ぽすりと柔らかいが、力強い壁に体があたって、体の勢いが止まったかと思えば、そのまま包み込まれた。


「あ、ぶねぇ……」

「っ……蒼矢会長」


 安堵の溜息と同時に頭上から降ってきた声は、蒼矢会長のものだった。

 普段は会えただけでもうれしいはずなのだが、とある理由により、今はショックのほうが大きい。

 大丈夫か、と問われて頷いて返せば、背後に感じる体温に転倒の恐怖とは別の動悸を感じる。


「なに、してんだ? すごい荷物だな」

「……社会科の資料を資料室まで運んでくれって頼まれて」


 答えながら、会長の支えを借りて、体勢を立て直す。

 その隙にダンボールに乗っていた紙袋を取られた。

 視界が開け、彼と対峙することになった。


「あ、ありがとうございます」

「なんでお前一人がこんなの運んでるんだ?」


 転がった地図を拾い上げた会長が顔をしかめた。


「なんだよ。こんなの、女子にさせる仕事じゃないだろ」


「誰に頼まれた?」とそのまま抗議に行きそうな勢いにあたしは慌てて首を振った。


「いえ。あたしが断らなかったのが悪いので……」

「それは悪い言わん。もしかして押し付けられたのか?」


 人がいいにもほどがある、とため息を吐かれる。


「別に、放課後、用事があるわけでもないので……」

「……どうかしたか?」

「え?」


 そのまま額がふれあいそうなほど顔を近づけられる。

 突然の吐息を肌で感じるほどの距離に固まる。

 だが、こちらの羞恥を意に介さず会長がじっとこちらと視線を合わせてくる。

 全てを見透かされるような瞳に心臓が大きな音をたてた。


「なにを、怒ってる?……いや、落ち込んでるのか?」

「な、何も怒る理由も、落ち込む理由もないですよ。それより、会長、近い」

「でも、なにか我慢してるだろ?」

「何も我慢なんてしてません。会長の勘違いですってば」


 会長の視線にいたたまれなくなって、あたしは一歩体を引いた。


「ほお、俺の勘を疑うのか? 自慢じゃないが、この手の勘は外したことはないんだが」

「こ、今回ばかりは残念でしたって、だから近いですってば!」


 逃さじとばかりに間合いを詰められ、再び離れるということを繰り返す。

 しかし、場所が狭い廊下では、すぐに壁際に追い詰められてしまった。

 壁に押し付けられ、ほとんど触れ合うような距離に羞恥に涙目になる。

 最後の砦とばかりに抱えたダンボールを突き出し、密着されないようにするが、無駄な抵抗とばかりに無駄に色気のある声で耳元でささやかれた。


「お前が、素直に言えば離れてやるよ」


 その言葉に一瞬口を開きかけるが、素直に告げるには恥ずかしくて、再び口を閉じてしまう。


「べ、別に本当になんでも……っ!」


 その時何を思ったのか、唇の端をかすめるように会長の唇が頬に押し付けられた。

 突然の行為に、あたしは固まった。力が抜けて持っていたダンボールが落っこちた。


「っ痛ぇ!」


 ダンボール自体そんなに重いわけではなかったが、ちょうど角が会長の足に直撃したらしく会長が悶絶している。

 その隙にあたしは脱兎の如く逃げ出す。

 しかし、すぐに伸びた会長の腕に捕まり逃げられなかった。


「逃げるな!」

「逃げますよ! が、学校の廊下でこんな……」


 キスなんてして、とは声が出なかった。

 恥ずかしくて死にそうになっていたら、会長が呆れた声を出した。


「だから自重して、頬にとどめただろうが」

「どこがですか! ほとんど唇でしたよ!」


 再び思い出せば、いたたまれない。


「お前が素直に言わないからだろうが」

「あ、あたしのせいだって言うんですか?」

「そうだろう? じゃなきゃ、俺だってこんな強引な手には出ない」


 絶対嘘だ。いつだって会長は強引じゃないか。


「言え、じゃないと。今度は触れるだけじゃすまないことをするぞ」


 ニヤニヤ笑いながら、また間合いを詰めようとする会長にたじろぐ。

 そ、そんなの脅迫じゃないか。

 だが、これ以上学校の廊下で迫られて、誰かに見られたほうが問題だ。

 あたしはいろいろな感情を天秤にかけて、白旗を上げた。


「ほ、本当の事を言ったら、何もしません?」

「ああ、ひと目につく廊下では俺からは触れない。蒼矢に二言はない」


 その一言に、あたしは決意して口を開いた。


「ううう、今日は珍しく早く終わったから、蒼矢会長を誘って一緒に帰ろうと思ってたんです」

「え? お前から、か?」


 意外そうに目を丸くする会長の反応にもわけがある。

 付き合い始めて何度も一緒に下校はしていたが、いつだって誘ってくるのは会長だった。

 あたしから誘ったことは一度もなく、それがずっと申し訳なかったのだ。

 周囲の目が怖いやら、恥ずかしいやらで出来なかった。


 でも、それじゃいけないと思って奮起してみたのだが。


「でも、職員室で仕事頼まれちゃって。……でも無理して急げば、間に合うかなって頑張ってたら、会長が先に来ちゃうし、それが悔しくて……」


 別に約束をしていたわけじゃないから、それは仕方がないのはわかっている。

 しかし、できれば驚かせたかったのだ。

 だがサプライズが失敗して、不機嫌とかどんな子供な感情か、という話だ。


「そんな子供っぽいって呆れられるんじゃないかって怖くて、言い出せなくて……」


 なんとなく会長の顔を見るのが怖くて、俯いていれば、不意に会長の体が離れていく。

 多分先ほどの約束を守ってのことだろうが、遠ざかる体温がまるで呆れて見放されたみたいに感じてしまった。

 自分の勝手な感情にほとほと呆れていたら、床に落ちたダンボールを拾う会長の姿が見えた。

 あたしが両手で抱えていたそれを会長は脇に抱えたかと思えば、床に散らばっていた地図の筒と紙袋も拾い上げている。

 見れば、いつの間にかあたしが持っていた全ての荷物を会長が抱えていた。


「あ、会長。それ……」

「ほら、ボケっとしてないで行くぞ?」


 資料室に行くんだろ、と歩き出す会長を慌てて追う。


「あ、あの……」

「ん、何だ?」

「荷物、一つくらい持ちますから」


 そう言って手を伸ばすが、避けられた。


「いい。これくらい平気だ」

「で、でも……あたしが頼まれたものだし」


 一緒に行くのに一人だけ手ぶらとかいたたまれない。

 尚も、しつこく会長に手を伸ばせば、会長が苛立ったように声を上げた。


「お前、近づくな」


 先ほどとは真逆の会話に固まる。

 え、どうして?

 もしかして、さっきの話があまりにも子供っぽすぎて呆れを通り越して、幻滅されたのだろうか?

 二の句が告げずにいたら、会長が慌てたように首を振った。


「ああ、そうじゃなくて……今近づかれたら理性がきかないから離れてろ」

「え?」

「さっき、俺からは触れないと誓ったからな」


 そういえば、そんな事を言っていた事を思い出せば、何やらぶつぶつと会長がつぶやいている。


「なんで、誓った後にそんな可愛い理由を言うんだよ。本気で最悪だ。お前」


 あまりの話にぽかんとしていたら、会長の頬は少し赤くなっているのが見えた。

 ダンボールを抱える手に力がこもっているのがわかった。

 普段からセクハラ吸血鬼である会長が必死に抑えているのがなんとなくわかって、思わず吹き出してしまった。


「笑うな」

「す、すみません。つい……」


 ブルブルと肩を震わせていれば、不意にいたずらごころが沸いた。


「やっぱり、あたし荷物持ちます」

「だから、いいって……っお前!」


 あたしは紙袋を持っていた会長の手を握った。

 大きな男の人の手は、あたしではぜんぜん覆い尽くせないけど、

 そのままつないで彼と並走する。

 恥ずかしかったが、資料室まではあとすこしだ。

 人気の少ない放課後であるから、短時間であれば誰にも見られないだろう。


「会長を持ってあげますね」

「……おまえ、俺をからかってるだろう?」


 半眼で睨んでくる会長にあたしは知らない顔をした。

 約束から強気に出れない彼は貴重という理由は否定はしない。

 普段は翻弄されるだけ翻弄されているのだ。

 これくらいの仕返し、許されてしかるべきだ。

 思わず楽しさに浮かれて入れば、きゅっと手を握り返された。

 掌に感じる優しいぬくもりにあたしは幸せを感じて、頬をゆるめたのだった。


 後日、会長をからかった代償はきっちり支払わされたのだが、それは別の話。

どっかのツイッター?のネタでした。


もともと、紅原ネタと対で考えてんたんですけど、書き上がんないので、蒼矢のみ。かなり前のSSなのでいろいろご容赦ください。

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