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ダークファンタジア十五部 番外編  作者: ノクターン


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3/23

3 その頃他の場所では

神の国のはずれでの大戦の最中である。

音楽の神ラメーンは、初日ヴァルのラッパを聞いてから自分の神殿にこもっていた。時折平和への祈りを込めた曲を奏でたりして過ごしているが、内心では戦の様子が気になって落ち着かなかった。ここには魔法の鏡はないので、戦の様子を知ることはできないのだ。

愛の妖精シャリィも大人姿で一緒に神殿にいた。するとシャリィの体が突然輝きだした。

「どうしたんだ?」

ラメーンが驚いた様子で聞いた。シャリィは自分でも驚いたのか自分の体を見回している。

「シャリィ、大丈夫か?」

シャリィは何やら閃いたという顔つきで、ぽんと手をたたいていた。

そしてラメーンの手を引っ張った。

「なんだ? どこにいくんだ?」

シャリィは神殿の奥にある寝室までラメーンを引っ張っていった。そしていきなり服を脱ぎだした。

「おい、シャリィ」

シャリィは真っ裸になるとラメーンに抱きついていた。

「シャリィ、さすがに今はそういう気にはなれない。外では大変なことが起きているんだから」

シャリィの体は魅惑的だが、今はそれどころではない。ラメーンは諭すようにシャリィに告げた。

シャリィは顔を横に振り、強引にラメーンの服を脱がしにかかった。

「シャリィ」

シャリィはかなり強引にラメーンをベッドに寝かせて上に乗ると、なんとどでかいピンクのハートをラメーンの顔にどーんと押し当てていた。

「うわっ!」

これにはラメーンもくらくらになってしまった。


(ハロルド、ライオネル、ほかのみんな、すまない!)


ラメーンは心の中で仲間にわびながらも、シャリィを抱いた、というよりもシャリィのなすがままにされて一つになったのだった。


その直後である。シャリィは自分のおなかに両手をあてて、にんまりした。ラメーンの手を取って自分のおなかにあてさせている。

「ん?」

シャリィのおなかがなんだかおかしい。何かが脈打っているような気配を感じる。

「これは……」

ふんわりした二つの金色の塊がシャリィのおなかから外に出てきた。

「うわっ!」

その塊は金色の髪の子供に変化した。男と女、双子である。

「ああ!?」

生まれたての赤ちゃんではなく、少し育った子供だった。人間の子供で言えば、ちょうど歩き出した頃といった大きさである。二人はくりっとした金色の髪、青い瞳で、かわいらしく、顔つきはとてもよく似ていた。一人には男の子の印があったので、性別だけ違うとわかるくらいだ。

「わ、私の子供か!?」

突然のことにラメーンの思考は追いつかなかった。

「わ、私の……」


「ララララ~♪」

一人が歌い出すと、続けてもう一人も歌い出した。


「ラララ~♪」

「ラララ~♪」

その歌声の美しさに、ラメーンは度肝を抜かれた。

「これは……歌の妖精? 私寄りの子供だ……すごい!すごいぞシャリィ! ありがとう!」

ラメーンは泣くほど喜び、シャリィはパチパチと手をたたいていた。


ラメーンは神殿に来た妖精に二人が着られそうな服を頼んだ。二人はとりあえず、布で体をくるまれている。


「ルルル~ルル~♪」

「ルルルル~ルル~♪」


二人のハーモニーがまた素晴らしかった。心が洗われるような声である。


(素晴らしい。成長すれば歌詞を歌うようになるのか? 楽しみすぎるじゃないか!)


妖精が子供服を持ってきた時には、ラメーンのハープの演奏で子供達が歌い、シャリィは踊っていた。


(平和だ……戦の最中だってこと忘れそう)

妖精はそう思いながら、つい座って演奏を聴いていたのだった。

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