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ダークファンタジア十五部 番外編  作者: ノクターン


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ある日のお話

ある日の平和な午後のことである。レーヌとミシェイラがゆりの部屋にやってきた。レーヌは手に大きな紙を、ミシェイラはクレヨンを持っていた。

「母ちゃま、ひこーきかいて」

レーヌが言った。

「飛行機?」

「パパにみせるの」

レーヌはゆりのおなかの中にいる時、ゆりと一緒に飛行機に乗っている夢を見た。その時のことをいまだに覚えている。飛行機にあこがれがあるようだ。愛娘の望みなので、ゆりは飛行機を思い出しつつ書いてみた。

「長い胴体に、羽のようなのが2枚横についていて、先端にプロペラ……はないか。それから……」

なにせゆりはこの世界に来て40年にもなる。飛行機の記憶もあいまいだった。

ゆりがなんとなく書いた飛行機を見た娘二人は、

「マー下手ね」

「うん、下手」

とずばり言っていた。

「ごめんね。ママは絵は下手なの」

「だいじょうぶよ。母ちゃまの魅力は絵じゃないからね」

レーヌはゆりを慰めていた。

「レーヌは本当に飛行機が好きね」

「だって大きくてかっこいいもん」

「ミーもいつかみたいな」

「一緒にみたいね」


いずれは、子供達の誰かがゆりの世界に行く魔法か何かを使う予定だが、詳しいことはまだわかっていない。

「二人とも、私の世界にもし行けたとしても、勝手にいかないように」

ゆりは一応二人に言っておいたのだった。


その後、ラギから「飛行機ってどうやって飛ぶの?」と質問された。レーヌに話を聞いたようだ。

「えーと、エンジン? 私の世界は魔法がないから、機械が発達してたの」

「エンジンってどんなの?」

「さー」

「描けない?」

「無理です」

「僕もお母さんの世界の乗り物に興味があるなあ」

「こっちには電気がないからねえ」

「お母さんの世界には最初からあったの?」

「最初からはないわよ。発明した人がいたのよ」

「どうやって発明したの?」

「…………」


(どうやって電気を発明したんだっけ? 発明した人ってエジソン?)

ゆりはさっぱり覚えてなかった。


「恥ずかしながらわかりません」

「お母さんってば」

「私がいた世界は便利だけど、そのかわり大気汚染とか深刻な問題があったわ。この世界は機械がないから、ずっと空気が綺麗なのよ」

「そうなんだ」

「そうなの。こっちの星空には感動したもの。向こうじゃまず見ることはできないわ」

「ふーん」

ラギはなんとなく納得して去って行った。


「むこうの世界は一体どれくらいの年月が経っているのかしら。向こうも平和だといいけど」

ゆりはしばし向こうの世界のことを懐かしんだのだった。

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