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お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
2 交易都市パストラ
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久々のコスプレRP


メイドは割と楽だったな、と思う。


いや、別にメイドの仕事が楽だというわけではない。本業のメイドさん(現代にいるのか?)の仕事は決して楽ではないだろうし、某電気街とかにいるメイドさん達も客商売なのだから楽ではないだろう。


そうではなくてRPの話だ。


「お待たせ致しました、ご主人様」


そう口にしつつ優雅な仕草(少なくとも自分ではそう思っている)で、カメラの前にコトリ、と湯気の上がるカップを置く。その俺の姿に照れは全くない。


当初だったらこれくらいのセリフでも照れが出ていただろうが、様々な経験を積んだ今の俺にとってはこれくらい余裕である。決して慣れたくて慣れたわけではないが。


『美味しそうねぇ』

『え、紅茶だったの!? コーヒー淹れちゃった!』

『ディスプレイからいい匂いがする(断言)』

『なんだろう、カズサちゃんが入れてくれたと考えると砂糖いれていないのに甘い気がする』


コメント欄に明らかに上級者の方がいるのもいつものことである。事前に紅茶をいれると宣言してたので、手元に用意して飲んでいるのだろう。てか間違えた奴はちゃんと人の話を聞いていろ。


今日の俺のコスチュームは話に出した通りメイド服である。デザインは白と黒基調のクラシカルなデザインだ。ただしスカートは短め。はい、予算節約の為です。衣装作る時はリスナーが費用投げてくれるけど、今は<<ポイントテレポート>>の獲得で大分MPが枯渇しているから節約できる所は節約したい。


前回の透けブラ事件の時にある程度飛んできたけどな!


まぁ短いといっても膝の辺りまではあるし、セーラー服のスカートほどヒラヒラしていないから動く時にさほど注意する必要はないだろう。


ちなみに今回のRPはオーソドックスなメイドさんだ。非常に楽!


なにせ、冷静に考えるとこの辺の言動って別に執事とかとも対してかわらない気がするんだよね。であれば精神負担はさしてない。VRCでそういうRPは普通にやったことあるし。


実は今回もやる前にリスナー間の属性会議(そう呼ばれているらいし)が実施されてクール系やらバリキャリ系やらドジっ子系やらえっちなお姉さん系(これは選ばれてもやらんが)やら多種多様な属性提案があったんだけど、今回は全く皆の意見がまとまらなかったんだよね。なので、今回はオーソドックスなメイドさんでいかせてもらうことにした。



というかだ、セーラー服や巫女服の時はなんであんな特殊な属性で上手くまとまったんだよ。まぁ狐耳巫女の方はともかくセーラー服の方とか特殊過ぎておかしいだろ。


メイドだと思いつく属性とか派閥が多すぎてまとまらなかったのか? ま、こういうオーソドックスな職業キャラの方が楽でいいけどな。ただ特殊属性キャラの方が受けはいいので一長一短ではあるが。今回はまとまらなかったので仕方ないヨネ。


「で、次何しよっか」


いつも通り着替えた後は一通り全身を見せた後、「お帰りなさいませご主人様」とか「お疲れ様ですご主人様」とかリスナー希望のセリフをいって、その後に職業RPってことで紅茶を入れてサーブしたわけだが、他に何をすればいいのか。


メイドのイメージといえば店員か家政婦さんだが、店員的な行為は他に浮かばない。レジとかRPしても仕方ないだろうし。家政婦さんとしては単純に思い浮かべれば掃除洗濯炊飯だが配信に映るから部屋は常に綺麗にしているし、洗濯物は今朝がた片付けてしまった。炊飯はしてもいいけど時間が微妙だ、紅茶もそうだけど作ってリスナー向けに出したとして、最終的にそれを食べるのは結局自分なのである。最近夜はテイルさんがよく来るから昼間にやったんだけど。夕飯の時間まではまだ大分時間があるんだよね。作り置きしておいてもいいけど、出来れば冷めた食事より出来立てが食べたいし。


『えっちなご奉仕とか?』


スルーで。


『メスガキメイドプレイとか』


今からの属性の追加は受け付けません。


『膝枕で耳かきして欲しいなぁ~』

「……いやどうやって?」

『あれじゃない? 耳かきは別としてカメラを膝の上にのせてくれればそれっぽく見えるんじゃない? 私達からは』

「んー、それくらいだったら別に構わないけど」


リアルだったらしんどいアレだが、俺的にはカメラに映った自分の顔が見えるだけだ。なんてことはない。そう思って頷くと、


『マジで!?』

『よろしくお願いします!』

『ちょっと待って、準備するから!』


何の準備だよ。


──なんて聞いたらタブレットとかスマホを用意する時間だったらしい。結局数分まってから俺はベッドの上に移動して腰を降ろし(自然に女の子座りになっちゃうのがちょっとアレ)、その太腿の上の辺りにカメラを固定する。


「これでいい?」

『ああ、最高です……』

『神 ア ン グ ル』

『このまま眠ってしまいたいが、寝ると顔面に落ちて来たタブが直撃する悲しみ』


あれ痛いよな。


しかし胸が邪魔でカメラが見えないな。これだと今いる連中はともかく新しく来た連中に何事だと思われそうだから位置をちょっと直してと。


「顔見える?」

『大丈夫よー』

『二つのお山の向こうに見える美少女の顔って最高だよね』


アレな発言が増えて来たけど、まぁ許容範囲か。「あ゛~」みたいな書き込みが連続しているのがちょっと怖いが。


しかしアレだな、普段のはともかく膝枕とかだとそういうお店じみてる感じがするな? そういうお店行った事ないけど。まぁかなり喜んでもらえているようなので良しとする。スパも飛んでいるし、<<ディスインテグレイト>>覚えなきゃいけないんだから、これくらいなら頑張っちゃいますよー。


てか、もうちょっとサービスしてやるか。ふむ。耳かきは無理として、えっと……


俺は少し考えてから、カメラの少し上を撫でるように手を動かしてみる。


「どう?」

『いい……』

『なんだか眠くなってきた……』

『一瞬今昇天して、なんかの川が見えた』

『それマジで死にかけてない?』

『死ぬ前にちゃんと全財産カズサちゃんに投げておくんだぞ?』


いや、死なないでくれ。後怪しげな団体みたいなこというのはヤメレ。

というか、毎度のことだがうちのリスナーは大概チョロい。ちょっと悪戯心が湧いた俺は少し体を前倒しにしてカメラに顔を近づけようとして、


「ごめん、カズサちゃんいる!?」

「ぴやあっ!?」


突然扉を開いて部屋に入って来たテイルさんに驚いて変な悲鳴を上げた。







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