26.ギルドの依頼ランクに疑問だ!
エルフの護衛の依頼から2日が過ぎていた。
昨日は身体中が痛くてカナタは一日中宿のベッドから動けなかった。
どうも、身の丈に合わない技を使ったことによる疲労が来たらしかった。
一方のリナはレベルが上がって覚えたスキルを宿の外で試していたとのことだった。
「しかし、この前の護衛の依頼は参ったな」
カナタとリナはギルドのテーブルに着き、次の依頼について相談していた。
序盤こそ建設的な会話だった。しかし次第に先日の護衛依頼の感想戦となり、総括が始まっていた。
「うん。一番下のFランクだったのに、最後にドラゴンが出てくるなんて。どうなってるのかな」
「本当だよ。ギルドにはしっかり吟味してもらわないと……」
「あれ、ギルドが求人募集してるね」
リナが壁に貼られた求人募集のポスターに目を留めた。
「何の仕事を募集してるんだ?」
「”依頼をAからFまでランク付けする”だってさ。前任者を解雇したため募集するって書いてあるよ」
「あのランク付け、手動でやってたのか……」
「えーと、募集要項に”モンスターの名前から討伐難易度を予測できる人”ってあるよ」
すらすらと読んでいく。
「あと、”集中力と忍耐のある人”ともあるね」
「それはどこの求人でもあるやつだ」
「確かに」
「あっ」
カナタが短く声を上げる。ポスターを眺めていたリナが向き直る。
「思い出した! この前、”アルティメットクリムゾンドラゴンの討伐”って依頼がEランクになってたぞ」
「そういう付け方をする担当者はクビになるよね……」
リナは目を閉じてやれやれといった顔をした。
「冒険初心者が依頼ランクを鵜呑みにして討伐しに行ったらどうするんだ」
「意外と弱いかもよ。アルティメットクリムゾンドラゴン」
「いや、名前的には絶対ボスか終盤のダンジョンに出てくるやつじゃん」
釈然としないものを感じながら、カナタは壁に貼られた依頼書を見ていく。Fランクからだ。
「薬草採取は相変わらず多いな。あとは荷物運び、外患誘致、店の警備か。ピンとこないな」
「なんか今、内通罪みたいなとんでもない依頼なかった?」
「え?」
カナタがもう一度依頼書を最初から見ようとすると、ギルドの店員が割り込んでくる。
「あっ、これ間違いです。申し訳ありません」
そう言って一枚の依頼書を剥がして持って行ってしまった。
「何だったんだ」
「これもクビになった担当者が貼ったのかな」
顔を見合わせる二人。
「この前のがFランクの依頼だったから、DとかEランクでもいいんじゃない?」
「そうだな……なあ、なんか、これとこれとこれ、同じような依頼が並んでるんだが」
カナタが3枚の依頼書に目を留めた。




