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なんなんだこの異世界は、常識ないんか  作者: 嵐山ノキ


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24/40

24.火山弾の一撃だ!

「岩を落とします」


 タイスマリーの魔法。次の瞬間、空中に出現した岩が雪崩のようにドラゴン目掛けて降り注いだ。


 グオオオオオッ!


 尻尾を岩が押し潰した。


 咆吼と共に火炎が岩を包む。岩を溶かし、巨大な塊が赤く染め上げられた。そして、溶けた。


「なるほど」

 

 カナタの目が鋭く光る。ゾーンに入ったのだろうか、なぜか戦況を俯瞰してみられる。


「これだこれだ……!」


 成すべきことが見えた。カナタは再び、先ほどの大岩の上へ飛び乗った。


 タイスマリーの魔法は続いている。大小の岩が上空から出現し、ドラゴンに向かって降り注ぐ。


 カナタはタイミングを計っていた。

 

 ドラゴンの炎が1つの岩を直撃し、包み込んだと思うとドロドロに溶かしていく。


「行くぞ……!」


 大岩の頂上からカナタは飛んだ。空中で身体をひねり、剣を構える。


 そして溶岩となった岩の上に乗る。


 そのまま、ドラゴンの上に身体もろとも落下していく。


「燃えさかる火山弾(ブレイジング・ボルケイニック・ボム)!!」


 カナタはそのまま、溶岩の勢いを乗せて突っ込んだ。


 再びカナタの行動が理解できないドラゴンが一瞬硬直し、避けられなくなった。


 ドラゴンの首元に激突する。溶岩がドラゴンの鱗をただれさせる。


 その瞬間を待っていたカナタは剣を突き出す。むき出しになった皮膚を剣が貫いた。


 裂けた皮膚から吐く寸前の炎が逆流し、内部から弾ける。


 一瞬の静寂。そして次の瞬間、爆発が起こった。


 轟音と共に、ドラゴンの巨体が崩れ落ちていく。


 カナタは地面に降りて息を吐いた。


「やった。うまくいった……」


 現実感が乏しい。頭の中はすっきりしているが、体験型アトラクションを終えた直後のような気分でもあった。

 

 背後から、タイスマリーが駆け寄る。


「カナタさん、お見事でした。炎で溶け始めた岩の上に飛び乗るなんて。意味がわからなくて、何をしているのかなこの人と思いました」


 表現がおかしいが、称えてくれているようだ。


「いえ、タイスマリーさんこそ、たくさんの岩を空中から落とすなんてすごい魔法じゃないですか。もっと早く使ってくれてれば楽だったのに」


「それだと護衛を雇う意味がありませんし。面倒だったもので」


 どこまでが本気かわからないが、結果的に助かった。

 

「ドラゴンを、倒したの……? カナタとタイスマリーさんが……?」


 呆然と佇むリナ。


「あ、火を消さなきゃ」


 気づいて、水魔法でまだ地面に残っている火を消していく。


 幸いなことに炎はドラゴンの周辺からさほど広がっていなかった。


「さあ、森の出口だ。早くこの依頼を終わらせよう」

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