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なんなんだこの異世界は、常識ないんか  作者: 嵐山ノキ


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17/41

17.薬草探しだ!

 二人が扉を開けて入ったギルド。名前は【魂の炎】という。


「微妙にかっこいい名前だけど、意味はわからないよね」


「【闇】よりいいだろ」


 受付の女性に冒険者だと名乗り、話しかける。


「依頼ですか? こちらにランクごとに並んでいます」


 カナタは壁に貼ってある中でも、一番近くにあったDランクの依頼書を1つずつ見始めた。

 

「簡単な仕事を受けてみよう」


「草むしりでもする?」


「冒険者が草むしりなんかするかよ」


「する人もいると思うけど……」


「この、薬草探しってどうだ?」


「いいじゃん。採った薬草を分けてもらえるかもしれないし」


 二人はこの薬草探しの依頼をすると受付に告げ、あっさりと受理された。


 依頼人がいるのは、街の中にある富豪の屋敷だという。


 二人は街で準備をしてからその屋敷へと向かった。


「あんまり遠くなくてよかったね」


「ああ。すごい庭園だな。俺も異世界で儲けてこれぐらいの家に住みたいな」

 

「そうなんだ。頑張ってね」


 リナが軽く流す。

 

 屋敷のドアを開けると使用人の男性が出てきたため、カナタは薬草探しの依頼で来たことを告げる。


 しばらくすると富豪らしき人物が姿を現わした。


 ひげを蓄えた長身の男性で、物腰は穏やか。金持ち喧嘩せずというのを体現した性格のようだ。


「私が依頼主です。探してほしい薬草は【サニープレイス】というのですが……」


「ふむふむ」


 富豪の男性は写真を出してきた。小さな黄色い花をもつ植物のようだ。


「実は、うちの庭に生えています」


「え!?」

 

「山とか行くやつじゃないのか!?」


「リュックも食料も買ったんだけど!」


 驚くカナタとリナ。


「うちの庭、って……このご立派な庭園ということでしょうか」


 立て直してリナが尋ねる。さりげなく持ち上げるのも忘れない。


「そうなのです。しかし【サニープレイス】は小さくしか育ちません。ですから探しづらい」


「はあ」


「他の草を刈ってどけてからでないと、探せません。頑張って採ってきて下さいね。あ、草は自由に刈って構いませんよ」


 そう言って富豪は屋敷の中に入っていった。


 入れ替わるように使用人が、鎌と袋を持って現われる。


「これって……薬草探しっていう名目の、完全な草むしりじゃないか?」


「うん。報酬付きの草むしりだね」


 二人は顔を見合わせた後で、それぞれが持ち場を決めて黙々と作業を始めた。

 

 1時間が経過し、二人はかなりの面積の草を刈った。


 そして目的の【サニープレイス】を25束採取することに成功した。


「ありがとうございます。こちら報酬の1000Gです」


「どうも。疲れました」


「お疲れ様でした。お礼に【サニープレイス】も2束差し上げます」


「あ、こうやって報酬にもらえるってことは、アイテムとして何かに使えたりするんですかね?」


「さあ? ある程度の金額で売れはするのですがね」


「わからないままか」

 

「ただ、薬草として流通している以上、何かしらの用途はあるはずですよ」


 依頼が完了した。それによって二人は経験値を得られる。


 カナタはレベル2に、リナはレベル4となった。


「おっ、やったぞ。スキルレベルの方は……」


「変わりないみたいだね」


「残念。ステータスアップしただけでもいいか」

 

 経験値のほか、報酬と薬草を得ることができた二人。この日はそれぞれ、よく眠れた。薬草はすぐ売った。

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