17.薬草探しだ!
二人が扉を開けて入ったギルド。名前は【魂の炎】という。
「微妙にかっこいい名前だけど、意味はわからないよね」
「【闇】よりいいだろ」
受付の女性に冒険者だと名乗り、話しかける。
「依頼ですか? こちらにランクごとに並んでいます」
カナタは壁に貼ってある中でも、一番近くにあったDランクの依頼書を1つずつ見始めた。
「簡単な仕事を受けてみよう」
「草むしりでもする?」
「冒険者が草むしりなんかするかよ」
「する人もいると思うけど……」
「この、薬草探しってどうだ?」
「いいじゃん。採った薬草を分けてもらえるかもしれないし」
二人はこの薬草探しの依頼をすると受付に告げ、あっさりと受理された。
依頼人がいるのは、街の中にある富豪の屋敷だという。
二人は街で準備をしてからその屋敷へと向かった。
「あんまり遠くなくてよかったね」
「ああ。すごい庭園だな。俺も異世界で儲けてこれぐらいの家に住みたいな」
「そうなんだ。頑張ってね」
リナが軽く流す。
屋敷のドアを開けると使用人の男性が出てきたため、カナタは薬草探しの依頼で来たことを告げる。
しばらくすると富豪らしき人物が姿を現わした。
ひげを蓄えた長身の男性で、物腰は穏やか。金持ち喧嘩せずというのを体現した性格のようだ。
「私が依頼主です。探してほしい薬草は【サニープレイス】というのですが……」
「ふむふむ」
富豪の男性は写真を出してきた。小さな黄色い花をもつ植物のようだ。
「実は、うちの庭に生えています」
「え!?」
「山とか行くやつじゃないのか!?」
「リュックも食料も買ったんだけど!」
驚くカナタとリナ。
「うちの庭、って……このご立派な庭園ということでしょうか」
立て直してリナが尋ねる。さりげなく持ち上げるのも忘れない。
「そうなのです。しかし【サニープレイス】は小さくしか育ちません。ですから探しづらい」
「はあ」
「他の草を刈ってどけてからでないと、探せません。頑張って採ってきて下さいね。あ、草は自由に刈って構いませんよ」
そう言って富豪は屋敷の中に入っていった。
入れ替わるように使用人が、鎌と袋を持って現われる。
「これって……薬草探しっていう名目の、完全な草むしりじゃないか?」
「うん。報酬付きの草むしりだね」
二人は顔を見合わせた後で、それぞれが持ち場を決めて黙々と作業を始めた。
1時間が経過し、二人はかなりの面積の草を刈った。
そして目的の【サニープレイス】を25束採取することに成功した。
「ありがとうございます。こちら報酬の1000Gです」
「どうも。疲れました」
「お疲れ様でした。お礼に【サニープレイス】も2束差し上げます」
「あ、こうやって報酬にもらえるってことは、アイテムとして何かに使えたりするんですかね?」
「さあ? ある程度の金額で売れはするのですがね」
「わからないままか」
「ただ、薬草として流通している以上、何かしらの用途はあるはずですよ」
依頼が完了した。それによって二人は経験値を得られる。
カナタはレベル2に、リナはレベル4となった。
「おっ、やったぞ。スキルレベルの方は……」
「変わりないみたいだね」
「残念。ステータスアップしただけでもいいか」
経験値のほか、報酬と薬草を得ることができた二人。この日はそれぞれ、よく眠れた。薬草はすぐ売った。




