15.スキルの説明だ!
「さて、次の冒険者が来るまであと10分ほどですか……」
精霊は壁の時計を見る。
リナのスキルで出した水でお茶を沸かした。カナタのスキルはここでは試しようがない。
「時間が少しありますので、スキルについてもう少し簡単に説明しましょうか」
「ありがとうございます!」
「サービスのいい精霊だな」
二人はありがたく拝聴することにした。
「スキルにはメインスキルとサブスキルがあります」
「なるほど」
「メインスキルは1つですがサブスキルは20まで持つことができます」
「うんうん」
頷く二人。聞いておいてよかったと思った。
「スキルはそれぞれレベルが設定されており、メインスキルは最大まで上げることができますがサブスキルには上限があり、最後までは上げられません。サブスキルの数が7になるとサブスキルレベルの上限が22になり、サブスキル数が11になると同じく上限が15になります」
「規則性がなくてわかりづらいね」
「ね。途中で改行もしないしな」
「サブスキルを前に取得してから1ヶ月以内にまた増やした場合には、後から取得したサブスキルのレベルアップには他のサブスキルの1.9倍の経験値が必要となります。この場合の1ヶ月というのはおよそ30日ですが、場合によって29日や31日になることもありステータス画面での確認が必要です」
「なんだよその仕様……1.9倍って異様に切りが悪い数値だし」
「ゲームで1.9倍ってあまり出てこないよね」
「ステータスで確認しろっていうのもなあ」
「メインスキルとサブスキルを交換することもできますが、その場合に元のメインスキルレベルがサブスキルレベルの上限を14以上超えている場合はペナルティとして各サブスキルのレベルが0.6をかけたものに下がります。小数点分は切り捨てられます」
「すごい、必要そうな情報なのに全然頭に入ってこない」
「カナタ、あたしの分まで聞いておいてくれない?」
「ちなみに今の説明は初級者向けにかなり簡略化しています」
「どこがだよ!」
思わず身を乗り出してツッコむカナタ。
「この前、ギルドの依頼で冒険者向けスキルセミナーを開いたのですが、途中で全員寝ました」
「当たり前だろ!」
「なお、復習用に同じ内容の資料を配布しております。どうぞ」
精霊が机から分厚い冊子を出してきた。
「会社四季報みたいな厚さだ」
「しっかり読んで下さい。先ほどの話は、68ページから239ページにまとまっています」
「まとまってるっていうページ量じゃないぞ」
カナタの前に置かれた瞬間、机がわずかに沈んだ気がした。
「では、これで説明を終わります」
ぱち、ぱち、とまばらな拍手。
「これ、全部覚えなくても大丈夫?」
「この辺の話が出るまで連載が続くとも思えないから、大丈夫だろ」
まったく自信のない結論に、リナは小さくため息をついたのだった。




