13.授かったスキルだ!
「では、あなたにスキルを授けましょう」
まずはカナタにスキルが付与されるようだ。
初めてのスキルは無料で付けてもらえるが、変更するには10000Gが必要。
できれば最初の時点で強いスキルを得ておきたいとカナタは考えた。
「よーし!強いスキルがいいが、最近だとハズレスキルの方が強かったりするよね」
「最近とは何でしょうか?」
精霊が質問してきて、カナタはどう答えたものかと迷う。
「まあよいでしょう。あなたのスキルは……」
ゴクリと唾を飲むカナタ。横で見ているリナも真剣そうだ。
「あなたのスキルは……『溶岩の上を歩けるスキル』です! ちなみにBランク」
「おお、なんか、強そう? 溶岩を無効化できそうだけど……」
「うん……」
カナタがリナの方を見たが、彼女も歯切れが悪い。
「異世界って溶岩あるんですか?」
直接精霊に聞くカナタだ。
「うーん、溶岩ですか……火山の中まで行けば……」
「RPGだと中盤から終盤の舞台だよな」
「確かにレベル3で行くような所ではなさそう」
悩む二人に加えて、精霊まで難しい顔をしている。
ここでカナタはひらめいた。
「……このスキル、焼けた鉄とか焚き火の上は歩けないの?」
リナの顔が明るくなる。表向きに記されていない裏の使い道を見つけた、そんな顔だった。
「ダメダメ、溶岩だけです」
すぐさま否定されて、一瞬で落胆に戻る。
カナタは呟いた。
「……ハズレとも言い切れないスキルなのが辛い」
「なお、溶岩の温度には耐えられますが、煙や有毒ガスは防げません」
「うう、厳しいんじゃないか」
使いどころはおそらくある。しかしすぐに使えない。
いきなりの難しい状況に、頭を抱えるカナタだった。
「では次に、こちらの方にスキルを」
精霊の視線がリナへと向く。
「はい、お願いします」
リナは少し緊張した様子で前に出た。精霊が彼女の頭に手をかざす。
「あなたのスキルは……『水を手から出すことができるスキル』です。ちなみにAランクです」
「おお、ちゃんと役に立ちそう」
カナタは素直に感心する。ほっとした面持ちのリナ。
「水は常温で、飲むこともできます」
「よかった。当たりみたいで」
嬉しそうに微笑むリナ。飲み水に苦労しないというのは冒険においてかなりのメリットだ。
その横で、カナタは自分のスキルを見つめ直す。
「どうやって使うんだよ、このスキル」
街の近くに溶岩が吹き出ている場所がなかったかを思い返す。しかし、ない。
こうして二人の最初のスキルは決まった。
役に立つかどうかは、まだ誰にもわからない。




