第40話
レイシアの居所は掴めず、ローヴェンは雲隠れ。
王に直談判しようにも、ベルクハイムに会談と視察に向かわれた。
民衆はレイシア処刑に沸き立っている。
八方塞がりのゼルヴァン。
「おい!何でもいい!何か情報をくれ!」
もう昼過ぎだ。
急がなければというのに......
明日、処刑が始まってしまえばもう、止める手立てはない。
そこで騒げば俺の首が飛ぶ。
「......総司令官殿......役に立つかわかりませんが」
「何だ!言ってみろ!」
「昨日の早朝、ヴァルディア城北門の衛兵が一人の男を捕らえたとのことです」
「男?」
「結局、オルディス家の客人だったとのことです」
「オルディス家......勇者セリーンの家か。それでその男の特徴はわかるか」
「いえ、報告書に詳細はありません」
「......屋敷に向かう。このことは伏せておけ」
何かある。
確信したゼルヴァンは部下を連れ、総司令室を飛び出した。
――
同時刻、テンはクレイスの馬車に揺られていた。
セリーンの屋敷から王都北門へ。
そこにある隠れ家に潜伏する。
勇者パーティーはレイバーンの調査という名目でバーク村へ向かう。
最終合流地点だ。
テンは隠れ家で全身を黒く塗り、朝を待つ。
合図とともに城へ走る。
服を脱いで......
全裸で......
「建物は派手に壊して。ただ、誰も傷つかないように......」
セリーンに、アリアに、皆に頼まれた。
「本当に申し訳ない......この国を救ってくれた君に、今度はこの国の敵になってもらうことになる......」
リオンは本当に良い人だ。
明るく、優しく。
本当の勇者とはああいう人だ。
叫び、とにかく暴れる。
レイシアには伝わっていない。
察してもらわなければならない。
処刑が中断し、レイシアに剣を渡すしかない、
という状況を作り出す。
そしてレイシアに追い払われる......
「それが無理なら、もう、さらって逃げて」
第41話に続く。
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