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『竜の子』 〜冒険者に憧れるおっさん全裸で異世界に転移する〜  作者: スメコ


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第32話

 


 レイバーンの巨大な鉤爪がリオンの背を鷲掴み、地に押し付ける。


 勝利を確信。

 慢心したのか。


 ほんの少し間があった。


 すぐさまリオンの頭をそのクチバシで突けば、終わっていた。


 首をかしげ、リオンを見ていた。


 首が跳んだ。


 放たれた盾が斜め上から、レイバーンの首を刎ね、そのまま地面に突き刺さる。


 着地。

 横一閃。


 大楯が倒れたリオンの目の前、三体の首を刎ねる。


「待たせたな!」

 リオンに駆け寄り抱き起こす。


「ガルド......」


「いけるか?」

「あぁ」


 リオンはふらつきながら立ち、振り返る。


「あいつか......」


 転がる頭に呟いた。


 城の頂上、巨鳥の目が変わる。

 が、怒りに満ちたその片眼が捕らえたのは、向かってくる矢。


 首を捻り、躱す。


 次も、躱す。


 まだ来る。


 躱した矢が旋回する。


 目の前を廻る。


 と、炎。


 思わず跳ぶ。


 崩れた足場にバランスを失う。


 皆が見た。


 羽を広げ空を仰ぐ巨鳥に向かって影が飛んでいく。


 その影が巨鳥とぶつかる瞬間、バンッと弾けた音。

 リオンとガルドの目の前に、爆音と土煙が噴いた。



 ―――



 少し前――


「レイシアさん!これ!」


 落ちているカーテンを拾うテン。

 希望に満ちた目でレイシアを見つめる。


「あぁ、早く巻け!」

 テンは心躍った。


「あれが城壁だ!あの上に飛び乗ってくれ!」


 レイシアを背に乗せ跳ぶ。


 軽々と城壁に着地。


「あいつが親玉ですね」

 城の上を指差すテン。


「ああ、そのようだな。頼む」


 ぐぐっと膝を曲げ、跳ぶ。


「?」


 なぜか、ひっくり返った巨鳥。


 まあいいか。


「城を壊すな!下の人に当てるな!」

 レイシアが叫ぶ。


 なので、左手で叩いた。


「え」

「え」

 炎に包まれるテン。


 カーテンを燃やしながら落下した。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 第33話に続く。


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