第29話
バアァァァン!
盾と盾を叩きつける。
一枚は全身をすっぽりと覆える大きさ、もう一枚はその半分ほどだ。
レイバーン三体が振り返る。
「俺が相手だこの野郎!」
南門から王都に入ったガルド。
少し進むと、剣を構えた衛兵と他三人がレイバーンに襲われていた。
三体はガルドを見るなり、跳ぶ。
鋭い鉤爪を立て、襲いかかる。
「おらぁぁぁあ!」
左手に持つ巨大な盾で横殴り。
二体が地面に叩きつけられ、一体はガルドの右に転んだ。
倒れた二体の頭に盾を突き立てていく。
「どうした!こい!」
残る一体は後退りしたかと思うと、空に逃げた。
「勇者様!」
衛兵が駆け寄る。
他の三人も震えながら寄ってきた。
「どんな状況だ」
「はい、多くの者は東へと逃げました。建物の中にいる者は、まだ無事な者もいます!」
「私たちは通りの影に隠れていました」
「そうか、三人を連れて南門から外に出ろ。俺の部隊がいる。そこなら安全だ」
「ありがとうございます!」
必死の形相の衛兵。
一人で行くと言ったガルドであったが、結局部隊も付いて来ていた。
「城に向かうと伝えてくれ!」
城に逃げ込んだ者が多いはずだ。
あの投石で無事ではないだろうが......
――――――
「次から次へと......」
テンはレイシアを背負い、無数に湧いてくるレイバーンを蹴散らしながら進む。
掴み、折り、叩き潰し、振り回す……
「いててててててて」
「レ、レイシアさん!前へ!」
膝をつくテン
レイシアを胸に抱き、うずくまる。
襲いくるレイバーン達。
クチバシ、鉤爪で攻撃する。
どんどんと集まってくる。
それは真っ黒な塊になった。
「んがぁぁぁあああ!」
膝を折りたたみ、地面を蹴る。
黒い塊の中心が、爆ぜた。
レイシアを抱きかかえたまま、跳んだ。
空中でレイシアを背へ乗せ替え、そのまま開いた穴へ落下する。
開いた両手を地面に叩きつけた。
ドゴォォォン
地面が割れる。
衝撃波で周りのレイバーンが失神。
そこからまた、テンによる大量殺戮が始まる......
「ちょっとこいつらが、憐れに思えてきた......」
レイシア。
「テン、痣が広がる度に縮んでいるぞ!」
テンの背からレイシア。
「ずっと縮んでますよ......」
「そこじゃない!身体が!だ!」
「ええっ!元に戻れるんですかね!?」
「知らん!」
大抵は二、三体倒すとあとは逃げる。
だが、逃げずに戦いを挑んでくるヤツらもいる。
その後ろには、必ずデカイのがいた。
「部隊を率いてるヤツらがいるな」
「ええ、無理矢理戦わされてますね」
「多くの人が城に逃げ込んでいるはずだ。急ごう」
第30話に続く。
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