表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『竜の子』 〜冒険者に憧れるおっさん全裸で異世界に転移する〜  作者: スメコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/43

第27話

 


 轟音を立てながら、疾る。跳ぶ。


 レイシアは振り落とされぬよう、背に乗り、テンの首にしがみついている。


 あっという間にバーク村を超えた。

 村は無事であった。


 レイバーンの大群は王都に狙いを定めているのか。


 林道を抜ける。


 眼前に、王都西門。


 門が閉ざされている。



「テン!王都だ!壁を越えろ!」

 風圧に目を細めながら、レイシアが叫ぶ。


 ―「跳びます!」


 地面を蹴る、爆発音。


 10メートルはあるであろう壁を、悠々と飛び越える。


 その空中、眼前に広がるのは、凄惨な街の姿。


「なんてことを......」



 落ちる先に、二体のレイバーン。

 何かを取り合っている。


「踏みます!」


 ―――ドゴォッ!


 着地で割れた地面に張り付くレイバーン。


 ひしゃげたクチバシには人の腕が。


 レイシア、血の気が引き青ざめる。


「テン、頼む。全部だ」


「わかりました」


 落ちている岩石を掴み、少し先に群がっているレイバーンに向け放つ。


 重なった三体に穴が開く。


 驚いて跳ね上がる周りのレイバーン達。


 ドンッと跳ぶ。

 一瞬で間合いを詰め、その頭上に。


 両手を広げ、振り下ろす。


 ベチャンッ


 平手打ち。

 一体は頭が潰れ、

 もう一体は、頭が胴にめり込んだ。


 すぐ隣、背を向け飛び立とうとするレイバーンの尾を掴み、薙ぎ払う。


 凄まじい音と共に二体、潰れた。


「テン、上だ!」


 翼をたたんで急降下、

 大きい。

 速い。


 右手を上げ、クチバシを掴む。

 レイバーンはクチバシを残し、そのままの勢いで地面に激突。


 手に残ったクチバシを捨てるテン。


「大丈夫ですか」


「あぁ、大丈夫だ。遠慮するな」

「このまま真っ直ぐ。城に行きたい!」


 ――少し行くと、ヴァルディア国旗が落ちていた。


 テンは拾い上げ、肩越しにレイシアを見る。


「......それは......だめだ、巻くな......」


「ですよね......」

 肩を落とすテン。


「あとで、探してやる!我慢してくれ!」


「お願いします......」


 ―――


 目の前のレイバーンを走りながら粉砕する。


 と、目の前に二十体ほど。


 掴んだ岩を手の内で粉々にする。


 振りかぶり、投げる。


 無数の穴を開けられ、倒れるレイバーン達。


 残りの五体を、


 と、凄まじい鳴き声。


 その向こうから現れた。


「でけー!」


「いや、お前と変わらんだろ」


「そうっすね」

「いや、カラスにしては、バケモンですよ」


「目が怖いんですよ」

「......鳥の目、苦手です......」


「確かに......」



 ――トンッ


 軽い音。

 地面を蹴った。


 目の前。

 速い。


「お!」

 両足、鋭く尖った鉤爪がテンの胸に突き刺さる。

 いや、刺さらなかった。


「痛っ」

 チクッとした。


 感情のないレイバーンの目から困惑が読み取れた。


 両足を掴む。

 振り上げる。

 振り降ろす。


 爆音と共に、地面に大きな窪みを作った。


 羽が舞う......


 ――メキメキメキメキ


「いててててててててて」


 テンが膝をつく。


「あたたたたたたたぐうぅぅぅぅ」


 うずくまる。


「どうした!」


 背に乗り、よく見えなかった!

 やられたのか!


「ち、チガイマス......ひ、久しぶりに......」

「あ、でも、なんか、なんか違う......」


「だ、大丈夫か!」

 背から降りるレイシア。


 左肩に目がいく。


 痣が......色が......


 小さいが肌色の痣ができている。


 新しい痣......?


 しばらくうずくまっていたテン。


「あ、治った」


「お、軽い!」


 膝を曲げ、跳び上がる。


 ゴオォ、と風を鳴らし、点になった。


 高い。


 レイシアが口を開けたまま空を向く。


 城の塔が眼下に見える。

 崩れているな......

 城壁の外が無数のレイバーンに囲まれている。


 人がいる!


 ストン、と着地。


 と同時に跳ぶ。


 呆気に取られ固まっていたレイバーンたち五体。


 その一体は気付かぬまま首を掴まれた。


 軽く捻った。


 二体目も同じだった。


 三体目、首をテンに向けようとした。


 捻られた。


 四体目、後ろに下がろうとしたが、首を掴まれた。


 五体目。


 諦めていた。



「城へ急ぎましょう。かなりやられています」

「その前に布......」


「し、城にある!探してやるから!」


「レイシアさんだけずるい......」


 レイシアはゴブリンキングに貰った布を巻いている。


 背に乗るレイシア。

 首に腕を回す。


「ん?」


「細くなった......?」


挿絵(By みてみん)


 第28話に続く。


面白い!と思ったらブックマーク、評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ