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『竜の子』 〜冒険者に憧れるおっさん全裸で異世界に転移する〜  作者: スメコ


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第18話

 


「さて、どうしたものか......」


 目の前に広がる岩、砂利。

 それは遥か先にある山脈まで続いている。


 引き返す。

 テンとならおそらく、一月もかからず森を抜けるだろう。


 だが......


 テンをヴァルディアに連れ帰るわけにもいかない......


 この青い巨人を人間だと思う者はいない。

 いや、説明すれば何とかなるか......?


「テン、お前はどうしたい」


 突然この世界に現れ、右も左もわからないテン。

 果たして......


「......そうですね......」


「レイシアさん、帰りたいでしょう」


 ......


「レイシアさんを送り届けたら……どうしようかなって」

「正直、まだよくわからないんです」


「……今の僕、人に見られたら魔物扱いされそうですし」


「そ、そうか......」


「まぁ、急いで帰りましょう!みな心配してますよ」



 ―――



 レイシアを左腕に抱え、森を疾る。


 川を飛び越え、崖を飛び降り、疾る。





「ちょっ!ちょっと!怖いーーーー!」


 爆発音のような足音を立て、木々を揺らしながらテンは疾走した......


――


「流石に夜は走れませんね」


「テン、私を背負って木に登ってみてくれないか。星が見たい」


 レイシアを担ぎ、登り出すテン。


 しかし、上に行くほど細くなり覆い茂る葉に暗闇が増す。


「これ以上は......無理ですね......」


 諦め、降りる二人。



「そうだ、ちょっと待っててください」


 テンは近くにある木を両手で抱え、締め上げる。


 ミシ、ミシミシ......


「ふんっ!」


 ザバァァァ


 引き抜いた。


 その大木をゆっくりと寝かせる。


 ......



「テン、これもだ」

 レイシアが指差す。


 もはやテンに驚かなくなったレイシア。

 次々と指示を出し、辺り一体が開けた。


「はぁ〜〜〜」


 星空を見上げた二人がため息をつく。

 恐ろしく美しい。


「テン、あの一番輝く星が北を示している」


「村にいた頃を思い出します......」


「移動は明日にしようか」


「はい、寝ましょう」


 ――――――





「話はわかった。アリアを匿おう」

「ここに連れてきなさい」



(ありがとうございます)

 リズが頭を下げる。


 安心した!

 長老ならわかってもらえると思っていた!

 アリアを迎えに行こう。

 ここに向かっているはず。


 アリア、待っていて......



 ―――



「そこにいるか」

 



 ―――「おります......」

 どこからか、応える声。



「リズより先にアリアを見つけ出し、始末しろ」

「ここに連れて来させるな」


「はい」


「リズも......」


 長老は苦しげに目を閉じる。



 ―――始末せよ。



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



 第19話に続く。

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