第十二章
ーーーーーー起きて......
ーーーーー起きて......
起き上がるのよ!
ヒューーーーッ!
大きく息を吸い込む。
一瞬、気絶していた。
ぼやけた視界のピントが合ってくる。
逃げなきゃ。
アリアは起き上がろうとする。
身体に力が入らない。
魔力がほとんど残っていない。
この5日間、過度のストレスで衰弱していく自分にずっとヒールをかけ続けていた。
「食事、しとけばよかったかな...」
アリアは一度うつ伏せになり、両手で身体を押し上げる。
膝をたたみ、震える足で何とか立ち上がる。
壁伝いに、開けた穴の下へ行く。
「ん"ん"ん"ん"ん"ん"」
頭を壁の穴に押し込み、身体を揺すりながら何とか抜けた。
息を切らしながら窓にたどり着いた。
やっと......
カーテンに潜り、窓の鍵を外す。
開いた。
月が明るく庭を照らしている。
「え......」
高い。
下を覗き込む。
ここはおそらく3階部分。
振り返る。
どうしよう......
部屋の扉は今にも開きそうだ。
どうしよう......
この5日間、"白い部屋" で一人。
いや、一人ではなかった。
長い時間をお腹の竜と過ごした。
腹に手を当て、自分にヒールをかける。
腹に手を当て、話しかける。
その青い魔力は温かく、優しい。
その鼓動は生命を感じさせた。
芽生えた母性本能。
アリアは本能的にお腹を両手で抱え、飛んでいた。
落下中、残ったわずかな魔力でヒールをかける。
グチャッ
正座した状態で激突、顔が土にめり込む。
ーーーーーー
「ゲホォ、ゲホォ......」
意識を取り戻した。
土に埋まった顔を上げ、砂を吐き出す。
お腹!
巻きつけた両手をほどき、手のひらを当てる。
感じる魔力が小さい......
鼓動が遅い......
悟った。
この子が私を生かした。
ヒールをかけたんだ......
それは事実だった。
5日間、自身にヒールをかけていた。
当然、体内にいる竜の子にもそれは影響する。
アリアはお腹の子に教え込んだのだ。
「あなたを絶対に、死なせない」
アリアは呟く。
とにかく......
空が白みはじめている。
早くここを去らなきゃ......
第十三章に続く。
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