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悪夢のはじまり

寝たい。

けど怖くて寝たくない。


夢だと気づいても起きることが出来ない。

起きても全然寝た気がしなくてまた寝なければと思うと、恐ろしくて眠れなかった。

 真っ暗な空間にいた。

 何もない空間のはずなのに、職場の人間の声がどんどん聞こえてきた。


「迷惑」

「使えない」

「どうしてまだ職場に残ろうとしてるわけ?」

「早くやめなよ」

「役立たず」

「役立たず」

「役立たず」


 声がずっと私に言い続けた。

 振り向いても誰もいないし、何もない所を歩き続けても何にも出てこない。


 だけど声だけはずっと聞こえていて、段々近づいてくるのが分かるのに後ろを見ても誰もいない。

 声を聴きたくなくて耳を塞ごうとした時に自分の姿さえも確認できない事が分かった。

 普通なら手や足が見えるはずなのに、何も見えない。

 手を動かそうとしても動いている感覚がない。

 

 思ってみれば私は振り返っていただろうか?

 私は歩いていただろうか?

 まるで幽霊みたいに自分の姿が、体の感覚がない。


 それでも声はこだまして頭の中に響いてくる。

 「いらない。いらない」とずっと訴えかけてくる。


 そっか。私、いらないんだ。

 そうやって思ったら、声はもっと強くなって

「早くいなくなれよ」

 と頭の中で訴え続ける。


 これは夢ーーと気づいたら今度は景色が変わって、私は職場の宿直室にいた。


 ほっとして、私は仕事中に寝ていたようだった。

 ああ、良かったーー


 そうして1階に降りたらそろそろ休憩時間が終わる頃だった。

 仕事をしようとスタッフに声をかけると誰も私の声に反応しない。

 特定の一人に声をかけても、まるで私が見えていないかのように何の反応もない。


 相手の前に立って大きな声ではっきりと

「何かやることありますか?」

 と声を掛けたら

「チッ」

 と大きな舌打ちをされて私の前を通り過ぎた。


 驚いて呆然としていると、そこから突然周りが私を認識し始めて、

「突っ立ってるし。笑」

「邪魔だなぁ」

「仕事も出来ない上に邪魔するんだ。笑」

「給料泥棒」

 次から次へとひそひそと悪口が聞こえてきて、私は立っていられなくなってしまった。


「一体いつになったら辞めるんだ?」

 トップからそう言われて、わけが分からなくなり、何が起こっているのか混乱した。

 混み合っている時間帯の中、私は仕事が終わるまでずっとその場に立ったままだった。


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