いきなりの告白
今現在、病室にいるのは、あたしと1年生3人組だ。
大倉君は手先が器用なのか、病室にあったリンゴを綺麗に剥いていた。
あたしは自分でも自覚しているほど不器用だから、まともにリンゴの皮すら剥けない。
「はい、どうぞ」と言われ、渡されたのはリンゴ。
形がウサギみたいで可愛い。
あたしはおなかが空いていたので、あっという間に剥いてくれたリンゴを完食した。
あたしはすぐさま、日記にこのことをつけた。
日記を書くことが習慣だからね、あたし。
まぁ、今はそんなことどうでもいいけど。
「木村、大倉、少しだけ席を外してもらってもいいか?」
いつもより少し怖い顔で宮口君がそう言った。
二人は「ああ」と言い、病室から出ていった。
そして、此処には宮口君とあたしの二人だけになってしまった。
なんか、怖いんだけど。
しばらくの間沈黙が続いたが、先に宮口君が口を開き、
「千影さん、なんでアンタはさっき自殺をしようとしたんすか」
若干怒り口調でそう言われた。
あいつが死んだのはあたしのせいだから・・・
みんなに会わせる顔がないから・・・
ただ、それだけよ。
あたしはそのまま思ったことを口にした。
すると宮口君が大きな声で、
「アンタが死んだら、俺悲しいですよ! 俺だけじゃなくてみんなも!
そして、宗馬先輩も悲しみますよ! チカゲさん・・・宗馬先輩はアンタが死ぬことを望んでいない!
アンタは、宗馬先輩を悲しませる気なんすか!?」
「あなたにあたしの何が分かるの! 身近で大切な人がもういないのよ! あなたにあたしの悲しみが分かるとでもいうの!」
「分かんねーっすよ!」
「分かんないんだったら、もう放っておいてよ!」
「放っておけるわけないでしょ! アンタのことが好きだから!」
「・・・え?」
突然の宮口君の告白に、思考が停止した。
何も発せないでいると、宮口君が声を張り上げて、
「俺はこの部活に入ってから、アンタのことがずっと、好きです!
だから俺は・・・好きな人が死ぬのは嫌なんです!
好きな人には笑っててほしいんです!」
と言った。
それを聞いたあたしは涙を流した。
なぜ流れたのかは分からない。
あたしは涙を流しながらしわくちゃの笑顔で「ありがとう」と言った。
するといきなりケータイのメール受信音がなった。
ケータイを開き、メールの宛名を見てみると、『雛形 宗馬』と表示されていた。
あたしは目を見開いて驚いた。
内容を見てみると、こう書かれていた。
『夕方の5時に、学校の屋上に来てくれ
話したいことと、渡したいものがある』
病室の時計を見ると、4時半をさしていた
あたしは宮口君にこのメールを見せた。
彼も口を開けて驚いていた。
「先輩、行ってください、宗馬先輩が待ってますよ」
と言い、あたしの背中を押してくれた。
あたしは病室を出て、学校の屋上に向かった。




